【MTG】青緑変異試案

タルキール覇王譚ブロックで再登場した「変異」ギミック。今環境のリミテッドを楽しくしたり、膠着場を作ったりと功罪ある能力だが、構築では「3マナで2/2出してそれからどうするねん」と言わざるを得ないところのスペックではある。

とはいえ《サグのやっかいもの》と《頭巾被りのハイドラ》という強力なレアカード、《神秘の痕跡》・《秘密の計画》というサポートエンチャント、《幽霊火の刃》という有力な装備品と、R&Dは本気でこのアーキタイプをまともに活躍するようにゲームを設計しているのではないだろうか。

常にプレイヤーは前環境の印象を引きずり続けるわけで、少なくとも次のブロックまで考えてカードをデザインしているWotCに比べれば先見の明は当然少ないはずだ。《真珠湖の古き者》だって何だかんだサイドボードに起用され始めたのだから、変異だってやれば出来るんじゃないだろうか。

というわけで、ひとまず鳥取のレギュレーションに沿ってRTR以降のカードを使った変異デッキを構築してみた。今回は初めてまともにサイドボードとかいうのも考えたり、初めてと言ってよい「ドローエンジン」を戦略に組み込んだデッキになる。


【カジュアル】青緑霊異/シミック変異

http://teamys.net/deckbuilder/build_view.php?DECK_CD=794502&sort=&select_DECK_CD=794502

クリーチャー:18
2:《意志を曲げる者/Willbender》TSB
2:《頭巾被りのハイドラ/Hooded Hydra》KTK
4:《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》KTK
3:《僧院の群れ/Monastery Flock》KTK
1:《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》KTK
2:《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》THS
2:《霊異種/AEtherling》DGM
2:《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》KTK

呪文:20
1:《凍氷破/Icy Blast》KTK
2:《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》RTR
1:《シミックの魔除け/Simic Charm》GTC
2:《難局/Hour of Need》JOU
1:《嘘か真か/Fact or Fiction》CNS
1:《霊気渦竜巻/AEtherspouts》M15
3:《神秘の痕跡/Trail of Mystery》KTK
4:《秘密の計画/Secret Plans》KTK
3:《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》KTK
2:《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》RTR

土地:22
8:《島/Island》KTK
8:《森/Forest》KTK
3:《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》M15
3:《神秘の神殿/Temple of Mystery》THS

サイドボード:15
3:《ティムールの軍馬/Temur Charger》KTK
3:《再利用の賢者/Reclamation Sage》M15
1:《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》KTK
2:《暴風/Windstorm》KTK
2:《部族養い/Feed the Clan》KTK
2:《否認/Negate》M15
1:《時を越えた探索/Dig Through Time》KTK
1:《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》KTK


デッキのコンセプトは「なんか使われているのを見るとほっこりしそうなカードを使って勝つ」という所である。ティムールにすれば3コマで「変異いらなくね?」となるし、スゥルタイにしても4コマぐらいで「変異いらなくね?」となるだろうから、青緑2色は動かせない。(2色なら土地も安いし経済的だ)

序盤戦略はとにかく耐えつつ、手札を補強することになる。ライフゲイン手段は乏しいため、数で攻めてくるアグロは厳しい。白黒戦士(イベントデッキ2箱の良いとこ取りデッキ)にすら何も出来ないことがしばしばある。うまく《幽霊火の刃》を装備して4/4を作れれば瞬殺されることは無いが、マトモなブロッカーが置かれるのも4T目になることがザラなのは致命的な弱点。

とはいえイニストラードやラヴニカの回帰に大勢いた速攻つきで殴ってくるクリーチャーが結構減ったため、《サイクロンの裂け目》と《シミックの魔除け》などで何とか粘る。初期は《ティムールの軍馬》を使っていたが、あまりにもアグロとフライヤーに弱いため《僧院の群れ》とかいう1枚1円つくのか怪しい0/5防衛・飛行に切り替えている。《思考を築く者、ジェイス》も心強い存在で、+1能力と自身が盾になることでライフをギリギリ持たせてくれる。

首尾よく6~7マナ揃うまで生き延びられれば反撃開始。《霊気渦竜巻》や《サイクロンの裂け目》で盤面を片付けるなり、《サグのやっかいもの》で殴っていくなり、《変異種》……もとい《霊異種》が迅速に片付けるなりといったフィニッシュパターンになる。仕事の終わった軽量変異組を《難局》でクロックに変える動きもそれなりに有効。

特に《クルフィックスの預言者》がうまく着地出来た場合のアドバンテージは圧倒的で、《ケルゥの呪文奪い》との相性は抜群で、ティミー魂を満悦させること請け合い。

また《ケルゥの呪文奪い》・《サグのやっかいもの》・《頭巾被りのハイドラ》は変異のマナコストが近いため、浮かせたマナを見ても見分けがつきづらい。「迅速vs狡知」に含まれていた《意志を曲げる者》も単体除去に対するプレッシャーとなるため、変異クリーチャーに火力を撃つのはかなり面倒くさいと評判だった。《神々の憤怒》?知らない子ですね。

3マナ出ないと何も始まらないデッキだが、《神秘の痕跡》は一度出さえすればうんざりするほど土地を手札に送り込んでくれるため、22枚でも意外と回る。とりあえず土地2枚でも《神秘の痕跡》と変異持ちがハンドにあるなら何とか始めていける。

《凍氷破》は《幽霊火の刃》のサポートで意外とパワー4が作れるので、獰猛で撃てることも多い。アブザン・ミッドレンジなどに対して有効。2ターンに渡って相手に攻撃させなければ、こちらの盤面は相当安定する。さすがフレーバーテキストで《砂塵破》をメタっているだけはある。

サイドボードなんて作ったことがないのでよくわからないが、エンチャント対策として《再利用の賢者》は3枚。使い終わったら《難局》で撤収させるセカンドライフも一応サポートしている。

基本的にフライヤーを使わないデッキだが、あんまり使える到達持ちもいないため、《暴風》を採用している。怪物化のためのマナは充分あるため、《高木の巨人》でも良いかもしれないが、こっちの方がアドを取りやすい。

本体火力を撃ちまくってくるバーンデッキやジェスカイテンポ相手には《部族養い》。ライフが1点→11点になったのを見た相手の微妙としか言いようのない顔はなかなかおもしろい。

コントロールなど守る必要が無い相手には《僧院の群れ》を《ティムールの軍馬》に差し替え、《幽霊火の刃》を4積みしてクロックを作っていく。高マナ呪文を使ってくる低速相手には《ケルゥの呪文奪い》が有効。

受けても攻めても本職より弱いが、どちらに対しても一風変わった(イマイチ効率的とも言えない)対処が出来るデッキになったと思う。カジュアル環境のレギュレーションが変わって初めてマトモに仕上がったデッキがこれなのかと思うと微妙かもしれないが。

今のところフィニッシュを《霊異種》と《サイクロンの裂け目》に、ドローをジェイスと《嘘か真か》に頼っているのがアレなのだが、調整していけばスタンダードのカードだけで作成できるかもしれない。《時を越えた探索》、もう1枚引けないかな…。

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