徒然書簡 - スロウ
天笠から曲のアイデアを引き継ぐ形で作詞作曲。
テーマ: 速い曲
サビの「振り返りざま スロウ」という一節
天笠の考えたイントロのコード進行とShion君のギターフレーズ
だけがある状態だったのをもらい、あとは思うように制作。
デモ制作時のテーマは「速い」「気持ち悪い」「徒然書簡っぽくない」。
達成できたんじゃない?おそらく。
とにかくギターが冴えわたる曲だし、Cメロでのなっちゃんのコーラスも良い感じになっていると思います。
『大衆ノベル』というアルバム名ですが、他の曲が小説だとすればこれはどちらかといえばラノベとか2ちゃんねるのSSみたいなノリだと思っていただければいいかと思います。
後にも先にもない異色作にする、というつもりで作ったので、こういう曲は徒然書簡では今後たぶんやらない気がします。
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感動巨編!
( ^ω^)ブーンがすれ違いざまに一目惚れしたようです
__コンビニ
( ^ω^)「おはようございますだお!」
(,,゚Д゚)「遅いぞ内藤!社員直々の朝礼だぞ!ゴルァ!」
(;^ω^)「ゲッ……すいませんなんだお!」バタバタ
(´・ω・`)(急に来たんだよ、運が悪かったね……)ヒソヒソ
( 'A`)(朝っぱらからヒマなんだろうな……)ヒソヒソ
(;^ω^)(こんなことしてるとこ他にないんだお……)ヒソヒソ
(,,゚Д゚)「先月の売上目標は達成!だが足りん!目標達成だけじゃ足りんと何度も言っているだろう!」
(,,゚Д゚)「俺は若い頃はガツガツ働いて100人の女と寝たんだぞ!お前らもガツガツ働け!」
(,,゚Д゚)「じゃあ帰るから!働け!ゴルァ!」バタン
( 'A`)「そんなこと言われてもな……。男の価値は何で決まんのかな」
( ^ω^)「そんなの家族に決まってるんだお!」
( 'A`)「30手前で独身でコンビニバイトだけしてるやつがそんなこと言うんじゃネーヨはげ」
( ^ω^)「禿げてないしそんなこと言わないで欲しいんだお……」
__勤務中
店内放送「続いては大人気アーティスト、ハインリッヒ高岡さんの新曲~」
( ^ω^)「相変わらず人気絶頂なんだお、同い年なのにこの差はなんなんだお……」
( ゚∀゚)「おい!」
( ^ω^)「ラッシャセー」
( ゚∀゚)「たばこ!いつものやつ!」
( ^ω^)「あの、えっと、番号で……」
( ゚∀゚)「だから!いつものやつ!」
( ^ω^)「そう言われても分からないんだお……」
( ゚∀゚) o彡゜「いつもの!いつもの!」
(#^ω^)「…………」
__帰り道 交差点
( ^ω^)「お先なんだお!」ガチャ
(´・ω・`)「おつかれー」
( ^ω^)「ふう、疲れたんだお……」テクテク
( ^ω^)「いつものビール、いつものつまみ、いつもの道。いつもがあることがきっと代え難い幸せなんだお」
( ^ω^)「でも何も刺激がないんだお……」
( ^ω^)「責任という重荷もなければやりがいという曙光もない毎日だお……」トボトボ
( ^ω^) ξ )ξ
( ^ω^) ξ )ξ
( ^ω^) ξ )ξ
( ^ω^)ξ )ξ
ξ )ξ( ^ω^)
ξ )ξ ( ^ω^)!?
ξ )ξ ( )クルッ
ξ゚⊿゚)ξ「?」クルッ
( ^ω^)「!?!?!?!?!?!?」
( ^ω^)「あっあの……!」
♪ /\/\ ブッブブ- ブッブブ-
♪ \ \
◎\ / ブッブブッブ ブ-
\ \
◎\/
♪ /\/\
♪ / / ブッブ ブッブ ブッブ ブ-
\ /◎
/ / ブッブ ブッブ ブ-
\/◎
( ^ω^)「あっ……」
( ^ω^)「行ってしまったんだお……」
__翌日
( ^ω^)「……」ボーッ
(´・ω・`)「どうしたの?なんだか今日ずっとうわの空だけど」
( ^ω^)「……う」
(´・ω・`)「?」
( ^ω^)「後ろ髪を、引かれてるんだお……昨日から……ずっと……」
(´・ω・`)「髪ないじゃん」
( ^ω^)「あるお……心には……」
(´・ω・`)「ないじゃん」
それから、いくつもの季節が巡った。
__夏
( ^ω^)「おかしいんだお、あの人のことを思うと胸が苦しいんだお、もう二度と会えないかもしれないのに……」ボソボソ
( 'A`)「陳列するやつほったらかさないでくれよ」
彼にとって、その一瞬は永遠であった。
__秋
( ^ω^)「もう忘れた方が楽なのに、忘れられないんだお……」ボソボソ
(´・ω・`)「いつになったらこっちに帰ってきてくれるんだろう……」
( 'A`)「もうほっとけよあんなやつ」
蜃気楼のように消えた想い人のあの姿は、回想にはならなかった。
__冬
( ^ω^)「チクチク痛いのに……想うだけで幸せ……なんだお……」ボソボソ
(´・ω・`)「もう慣れた」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!久々に出向いてやったらなんだその体たらくはお前!それだけでいいとか美化して正当化させないぞゴルァ!」
( ^ω^)「……とやかく言われたくはないお、たまらなく愛しいから……」
(,,゚Д゚)「ハァ?」
( 'A`)「すいません、こいつ何かが欠けているので……」
彼の心は、いま・ここにはなかった。
全てはあの時に持っていかれたのだ。
名も知らぬ想い人に。
__クリスマス ブーン宅
( ^ω^)「ただいまなんだお!」
( ^ω^)「まあ、誰もいないけど……」トボトボ
( ^ω^)「今年のクリスマスはなんだかいつもよりカップルが恨めしかったお……」
( ^ω^)「今日も、会うことはなかったお……」
( ^ω^)「2人だと思った?残念1人でした!ハハハ……」
( ^ω^) 「思い通りには行かないんだお……」
_| ⊃/(___
/ ヽ_(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ガバッ
/⌒/ヽ-、__
/(_/____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
その夜、彼は想いを馳せた。彼女との、在りし日の記憶に。
彼はあの日と同じように、彼女に一目で恋に落ちた。その姿を見れたのは一瞬だったが、数多と見た麗しい容姿の女性の誰よりも心を惹かれた。どんな時間よりも永遠のように思えた一瞬だった。
彼は彼女に詩を贈った。貴方にどれほど心奪われたことか。貴方がどれほどに美しいか。彼は詩を詠むことに優れていたわけではなかったが、それは彼が今まで詠んだどれよりも見事な詩だった。彼女からの返事が来たときは天にも昇る気分に包まれた。
やがて二人は顔を合わせた。満月に照らされる彼女の姿はこの世の何よりも美しかった。極楽浄土はここにあったのだ。彼はすべてを理解した。
そう、これが……。
(^ω^ )_ ガバッ
/⌒とノ)ミヽ
ノ ノ \ /
/ )/
( //
く二二二二二ノ
朝が来た。
(;ω; )_ ブワッ
/⌒とノ) ヽ
ノ ノ \ /
/ )/
( //
く二二二二二ノ
その記憶が何であるかを悟り、彼は泣いた。
( ^ω^)「……」
また、日常へ戻っていく。
__コンビニ
( ^ω^)「今朝は愛が埋まりそうないいものを見れたけど、その分なんだか虚しいお……」
( ^ω^)「またどうせ振り出しに戻るんだお、埋まらないままの賽の目はきりがないお……」ブツブツ
???「すいませーん!!」
( ^ω^)「ラッシャセー」
ξ゚⊿゚)ξ「すいませんこれとこれと…これでお願いします!」バタバタ
(((;^ω^))))(!?!?!?!?!?)「ろっ680円でーす」
ξ゚⊿゚)ξ「えーっとペ〇ペイで!レシートいらないです!ありがとうございました!」ペ〇ペ〇! ドタタタ
(:^ω^)「あ、ありがとうございましたー……!」
(;^ω^)(危なかったお…ビックリしすぎて悪い人たちの格好の餌食になるところだったお……心臓が柵越えて落ちるところだったお……)
( ^ω^)(でもこんなところで出くわすなんて……バイトやめなくてよかったお……!)
( ^ω^)「……ん?」
[免許証 氏名 ツン]
( ^ω^)「!!!」
( ^ω^)「……取りに来るまで毎日シフト入れるんだお」
ここまでで話は終わり。
続きはこれから。
~完~
※この記事は個人的に執筆されたものであり、バンドの総意を表すものではありません。
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