ミルグラムライブレポ(と東京観光日記)

 ミルグラム初のライブイベント「hallucination」夜公演に現地参加した。いろいろ印象的なことがあったので書き留めておきたい。
日記というか備忘録みたいなものなのでめちゃくちゃ個人的かつ色々とっちらかっており、ミルグラム関係ないことも書いてあります。しかしインターネットに残しておきます。



・準備

 参加に至るまでにも色々な思いがあった。
そもそも私は、今に至るまでライブイベントに参加したことがなかった。有料あるいは無料の配信でライブを見た経験は数回あって、ライブの流れや魅力はなんとなくわかっていたけど、それでも私にとっては行く理由より行かない理由のほうが多い。
 そんな中で、なぜ人生初ライブ現地にミルグラムを選んだのか。理由は正直あまりよく覚えていない。思いつきだろうと思う。

 ミルグラム。ムウの二審あたりから追い始めたので新参の部類に入るだろうが、色々考えるのが面白いコンテンツなので恥ずかしげもなく色々考えている。
好きなんだけど、好きだからといって何かしているわけではない。「色々考えている」止まりである。グッズを買い込むとか、ファンアートを描くとか、好きな人同士で語り合うとか、そういう推し活然としたことはできていない。
そういう推し活ができているから好き、できていなければその程度の愛、みたいな話ではない。作品への愛は全体の尺度ではなく自分の中の尺度で測るべき…というのは分かっているんだけど、それにしても、「考えてるだけの奴がライブ現地に行っていいのかな」という葛藤はある。
 葛藤はあれども、「行ったら楽しそうかも」という可能性の大きさの前には些細なものだった。葛藤で気後れして応募申し込みの機会すら取り逃がしてしまうような人生を送るのはきっと楽しくないだろう。会場で浮いてしまったらどうしよう…というどうしようもない心理的なハードルはともかく、金銭面やスケジュールなどの現実的な問題はなんとかなりそうだった。そうした問題が手強く立ち塞がるようならまた話は別だけども。
色々ありつつ、やったれ!と気合を入れて申し込んだところ夜公演のチケットが当選した。素直に嬉しかった。

 あと与太話だけど、ミルグラムは説明がめんどくさい。視聴者参加型メディアミックスプロジェクトと一口にいうことはできても、サブカル詳しくない人には伝わりきらない。オタク文化の奥地にあるような形式のコンテンツなので。
家族にライブで遠征することを伝えないといけなかったんだけど、説明がものすごくややこしくなりそうで嫌だったので「言ってもわからんくらいマイナーなアーティストのライブがある」と濁して説明した。
今思うと声優のイベントだよくらいは言ってもよかったかもしれない。あの竈門炭治郎の声優生で見たんだぜとか言えたので。

・現地

 現地に行く。
この現地というのも(個人的には)妙で、たましんRISURUホールという要するところの市民会館で開催された。
市民会館の公式HPを見てみると、市民会館らしい文化的な催しばかりやっているっぽく、現地の情報をリサーチするたび「本当にここでミルグラムのライブをやるのか」と信じられなかった。いつ確認しても公式HPのスケジュールにミルグラムの情報がなくてそれも不安だった。
 市民会館もといライブ会場に着くまで、本当にミルグラムのライブがあるのか、最後まで妙に信じられない気持ちがあった。ライブ会場に着いたらミルグラムが好きな同士で溢れているのかと思うと緊張もあった。とにかく行かなければわからないので現地に向かうほかない。

 ライブ会場に着いたのは16時頃のことだった。夜公演が会場する18時前までには結構な余裕がある。にも関わらず、ミルグラムのライブ目当てで集っているっぽい人がちらほらいた。そこで既に軽く感動した。
物販で最低限パンフレットとTシャツだけ確保しておいて、とっくに完売しているペンライトを補うためにアニメイトに買いに行った。立川にアニメイトがあって本当に良かった。

 アニメイトとライブ会場を行き来しているうちにもうそろそろ開場という時間になっていた。空は暗くなっていて、会場の周辺は夜公演待ちの人でぎっしりとしていた。
一人で来てるっぽい人も、集ってる人もいる。そこに性差はない。ミルグラムみたいな形式をとるコンテンツ(クロケスタ、パラライ、カラソニとか)は女性向けのものが体感多いので、女性客が多いのかなと思っていたけど、男女どっちかに偏ってる印象とかはなかった。男女どちらの話し声も聞こえてきて愉快だった。
痛バッグだったり推しコーデだったりはしっかりいたものの、グッズを一切つけてない人もいる。同じような人もいるなと思って少し安心した。そういう推し装備をしている人よりかは、自作の応援うちわを持ってきている人のほうが目についたし多かった印象がある。
ムウのコスプレをしていたり、ユノの痛バッグを持ってたり、コトコTを着ていたり、色んな人がいてまんべんなく推されているなと思った。特にコトコなんかは、展開的に恨まれやすそうな立ち位置にいるのにコトコ推しっぽい人がしっかりいてなんか嬉しかった。体感コトコの応援うちわが一番多かったような気がする。
 私は心ばかりの推し活として髪の一部分をフータカラーの赤にしたんだけど、似たような感じで髪を赤くしてる人がちらほらいて良かった。髪を全頭青にしてるハルカ推しっぽい人もいて良かった。

 ミルグラムを好きな人がいるなーと思いつつ入場する。物販のときもそうだけど、ライブって客もスタッフもまるで全員経験者のように立ち回っている。ミルグラム初のライブイベントなのに。スタッフ側にも日雇いバイトとかいっぱいいるだろうのに。変に浮かないように経験者かのような素振りで入場した。
 ホール前には囚人ごとにキービジュのパネルが置かれてあった。ものすごく並んでいたので撮影は諦めた。フラスタもあった。実物を見るのは初めてなので感慨深い気持ちがあった。
 二階席の前から二列目だった。HPで確認していたときから感じていたがやはりめちゃくちゃいい席を引き当てていた。ちょうどよく舞台全体を見通せるいい席だった。
早いうちから座って開幕を待つ。ペンライト(キンブレ)の設定に四苦八苦しつつジャッカロープの促販を聞いていると、前の席の大人たちが何やらビジネスな感じで話しているのが見える。あまり聞き取れたわけじゃないが単なる観客ではなさそうな雰囲気があり、もしかして権力者か…?山中拓也プロデューサーかも…と思ったりもして緊張した(後から確認したところ違かった)。前の席の人々は公演中もペンライトを振ったりせず見ており、やはり関係者なのでは…とも思ったが与太話である。

・ライブ本編

 ペンライトの設定にギリギリまで準備がかかりめちゃくちゃ焦った。キンブレってわけわかんなすぎる。なんにせよいよいよ公演が始まる。
 まずマヒル役の岡咲美保さんのビデオレターから始まる。自然と客席がオレンジ色になって行ったのが印象的だった。欠席者のビデオレターが流れているときはその人の役のイメージカラーにする、というのは私が知らないだけで一般的な慣例になのかもしれないけど、いい光景だなと思った。
マヒルの曲は一審二審ともに生歌がはちゃめちゃに難しそうだけど聞きたかった。次があれば…。


 ビデオレターが終わり、エス役の天海由莉奈さんがアンダーカバーを披露する。天海さんの容姿がちゃんとエスで物凄く度肝を抜かれた。服装だけじゃなくて、髪色も限りなくエスに寄っている。めちゃくちゃ気合いが入っている。今更ながら本当にミルグラムのライブが始まったのだという確信があった。
あと普通に歌うますぎてびっくりする。ペンライトを振るのに忙しくてちゃんと集中して聞けなかった感もややあったが、記念すべき人生初の声優生歌唱というのもあり感慨深かった。


 そのまま何時間か生歌唱アンダーカバーの余韻に浸っても良かったが、すぐにハルカ役の堀江瞬さんが登場する。登場しただけで歓声が上がっていた。堀江さんも髪を青に染めていてもうほとんどハルカみたいな感じになっていたのだから、歓声が上がるのも無理はない。
第二審ボイドラをなぞった内容の朗読劇が始まる。天海さんと堀江さんの髪色までも本人に寄せたビジュアルも相まって、完全にエスとハルカの尋問だった。幻覚とはこの光景のことだったのかという納得がじんわりとあった。
堀江さんは朗読劇でも歌唱でもハルカとしての迫力がすごかった。朗読劇での絶妙な気持ち悪さも、全知全悩の音源とはまた雰囲気の違う烈しさも生で体感できて良かったなと思う。もちろん配信アーカイブでも一見の価値がある。


 続いてユノ役の相坂優歌さんが登場する。改めて生でユノを演じる相坂さんを見ていると、色々な大変さを感じる。
どう言うべきか難しい話なんだけど、ユノの取り扱う問題ってダントツで「赦す」「赦さない」の判断が分かれやすそうだし、その上ユノ自身の人格が厄介なので。ユノをどう演じるかってものすごく大変だろうなと思う。思うんだけど、めちゃくちゃサラッとユノをやっているので杞憂かもしれない。相坂さんがすごすぎるだけかもしれない。

 他にも、相坂さんはTwitterで昼と夜の間の休憩時間中セーラー服で過ごしていたとか、ほくろを描いていたとかそういう裏話をしていた。ぱっと見で気付けないようなところまで再現してるのすごいよ。


 フータ役のランズベリー・アーサーさんが眼帯姿で登場したときは物凄くテンション上がった。嬉しすぎたな…。
フータの二審ボイドラはミルグラムに心掴まれたきっかけでもあるので、生で朗読劇見れて本当に本当に良かった。フータの悲痛な叫びもエスが覚悟を決める流れも全部良い。良いという再確認があった。
バックドラフトはペンライト振るのがめちゃくちゃ楽しかった。特別好きな曲というのもあるし、赤のペンライトに囲まれる光景に「火の手人の目の包囲網」の文脈が乗っかっている良さもある。

あと、ランズベリー・アーサーさんの明るい髪色と赤の照明演出がうまく噛み合って赤髪っぽくなっていて、そこに勝手にフータっぽさを見出して楽しくなっていた。嬉しいね。


 ムウ役の香里有佐さん。囚人服が再現されることでムウってめちゃくちゃ肩出てるなと改めて気付かされる。いったい下に何を着てるんだ。
朗読劇も当たり前のように良かったけど、昼公演を見てたらまた何か違う感想があったのかなとも思う。ムウの魅力はやはり一審から二審にかけての豹変ぶりなので…。
しかしそれにしても悪くないもんは良かった。超絶可愛こぶってるんだけど振りが激しいわけではない塩梅が良い。調子乗りの殺人犯女子高生なのであってアイドルではないからねという塩梅。心なしか音源よりもあざとい雰囲気があって、それだけに「どうなるかわかってたでしょ?」の落差が大きくなっていた。

 シドウ役の仲村宗悟さんが登場する。個人的に仲村さんはSideMでの印象が強くて、シドウとはあまり結びついていない。他の役から極端に声色を変えているわけでもないのに、仲村さんからシドウの声が出ているな…と不思議な感覚を覚えていた。
トリアージは思っていたよりも振り付けがあった。私が持っていたシドウのイメージとはやや外れる感じがあったけど、赦された側の楽曲だと捉えるとこのくらいウキウキしてるのも納得感あるなとも思う。単に仲村さんの自我かなという感じもあってウケていた。
あと仲村さんも当然のように歌がうまい。出演者全員総じて色々な意味で歌がうまいのはもう言うまでもない話なんだけど、やはり生歌で裏声とかビブラートとかの単純な技術力の高さを見せつけらるとうお〜!歌がうまい〜!となる。全知全悩の綺麗すぎる裏声とかもそう。


 カズイ役の竹内良太さん。マンバンヘアとカズイの囚人服が妙にマッチして胡散くさい雰囲気が出ていてよかった。カズイとはまた別ベクトルのペテン師になっている。そんでもってめちゃくちゃいい声を生で聞けて嬉しい。
catが本当にね〜〜良かった。catの洒落た色気が竹内さんの立ち振る舞いからも存分に滲み出ていたというか。どうしても形容しがたさがあるんだけども。catという楽曲と、カズイのことをすごく把握しきっているんだなと思わされる。
特にラスサビ前の数秒の間。歓声も含めてすごく…よかったな。御託はいい、見たら全部わかるから見てくれ、というようなパフォーマンスだった。

 アマネ役の田中美海さんもすごかった。ハルカの時にも感じた底知れぬ迫力があった。声優ってすごい。
そもそもが第三の壁を認識しているような内容なので、朗読劇との噛み合いがものすごかった。「あなたたちを赦さないと言ったんです。真っ向勝負です。あなたたちが手を汚さないことなんて、赦されない」をはっきりと観客に向けて言う。言わば我々はアマネから直に真っ向勝負を叩きつけられたんだ、と思うと物凄く良い体験をした。現地行ってよかった。まあ幻覚なんだけども。
粛清マーチもペンライト振るの楽しかった。振りもだけど朗読劇と歌の合間の準備の動作にもアマネらしさが垣間見えてよかった。

アマネは食べたことなさそうですね。

 ミコト役の花江夏樹さんが登場したときもにわかに歓声が上がっていた(ような気がする)。相場を知ってるわけではないけどやはり人気なんだなと感じる。
ムウもそうだけどミコトも昼公演見たかったな…。一審のあの展開どうなってたんだろう。まだアーカイブ確認していないけど生で見る良さもあっただろうな。
 ダブルもよかった。よかったけど正直あまり詳しく覚えていない。シンプルに激しい曲が好きなので爆音でメタル流れる中でペンライト振りまくる楽しさに呑まれていた。

 ただ、「もしもしお母さん?久しぶり…」の一連を聞きながら、生のセリフパート聞けるのもこれで最後か…としみじみ思う気持ちがあったのを覚えている。ディープカバーにはセリフないので。
ハルカの「ぼくをだきしめてほしい」もシドウの「はい、桐崎です…」もカズイの「もしお前のこと好きって言ったら…」もアマネの宣誓も全部生歌唱だからこその良さがあった。


 コトコ役の愛美さんが登場する。これまでの出演者ももちろんそうなんだけど愛美さんもコトコとしての風格がすごい。
やはりコトコの二審ボイドラ好きだな…。フータ然りアマネ然りエスが看守としての在り方を問われる話が好き。アマネなんかは看守との対峙に観客を巻き込むような流れが朗読劇の面白さになっていたけど、コトコの二審はコトコとエスとの対峙に終始しているので、単純な朗読劇としての見応えがめちゃくちゃある。
ディープカバーも難しいはずなのにめちゃくちゃかっこよく歌い上げていた。朗読劇の展開も含め大トリとしての格を存分に味わった感がある。

 
 ディープカバーが終わると、出演者が揃って登場する。軽くMCをしたあとに、全員でアンダーカバーを歌唱する。
これはもう本当に幻覚だった。アンダーカバーの囚人を表した歌詞をそれに対応した囚人が歌う。全看守の願望であり幻覚というほかない。なんか細々したパート分けもあったけど正直覚えていない。ヤバすぎるとだけ思っていた。
ペンライト振るだけ振っていたら歌が終わって、そのまま公演も終了した。結構あっけなく終わった。


・終了

 誘導されるがままに会場を出る。どれこれがよかったねと話す相手はいないけども余韻が抜けきらなかったので、しばらく会場の近くでぼーっとしていた。会場の周辺では観客だった人が写真を撮ったり感想を言い合ったり帰ったりしていて、それを眺めていた。何を言ってるのかはわからないけど楽しそうでいいなと思った。
スタッフがたむろしている人々に帰るよう誘導して、会場から人が散っていったのに合わせて私も帰ることにした。

 そうして帰る頃には20時になっていた。夜公演しか参加できなかった都合上、日帰りは難しく、宿泊するほかなかった。
チェックイン予定時間を22時に設定していたので微妙に余裕があった。ライブの余韻が冷めきらないのもあり、カラオケに行くことにした。
食事やら移動やらでいろいろグダついてしまい、結局22時を過ぎてのチェックインになってしまったが、まあカラオケも楽しかったので万事解決ということにした。

 宿泊する宿は駅から少し離れた住宅街の中にあった。駅周辺の繁栄ぶりは都会のようだったが、少し離れただけで地元でも見たことあるような住宅街になる。立川って不思議な街だなと思った。
この宿というのがめちゃくちゃ良かった。24時間いつでも入れる大浴場がかなり最高だった。履き慣れないブーツで移動していてかなり疲れていたんだけど充分に癒された。また口コミにも書いておかなければいけない。
またミルグラムのイベントするときも同じ市民会館でやってくれないかな。同じ宿に泊まりたいので…。


・2日目

 翌日になればもう帰るだけではあったが、せっかく東京に来たのだからどこかに行きたかった。しかし予定を決めてはいなかった。ミルグラムのことで頭がいっぱいで東京観光を計画するほどの余裕がなかった。
無計画とはいえせっかくの東京観光の機会を逃したくはない。意地汚いだけではあるが行動力があるとも言えそっちのほうが聞こえがいい。なんにせよ思いつきであちこち向かうことになった。

・上野
 漠然と上野の森美術館に行きたいと思っていたのでとりあえず上野に向かった。
向かったものの、月曜だからなのか上野周辺の美術館・博物館が休館になっていた。上野の森美術館もやってはいるものの、時間が早すぎてまだ開館していなかったし、そもそもめちゃくちゃ混んでいるらしかった。
もう少し余裕を持って見れると思っていた慢心とリサーチ不足を反省した。また機会があれば見に行こう…と反省を心に刻み次に移動した。
 上野公園の雰囲気がよさを味わえたので損はしてないと思うことにした。都会の自然もいいですね。

・本所(墨田区)
 本所は東京に行くなら行きたいスポットだった。
 パラノマサイトというゲームがある。

本所七不思議をモチーフとしていて、墨田区と協力して「本所七不思議探索地図」を配布したりもしている。ものすごく入れ込んでいるというわけではないものの、面白いゲームなので聖地巡礼的なことができたらいいなとは思っていた。
実際に聖地巡礼してみるとこれがものすごく大変だった。いくら宿で疲れを癒したといえどブーツで歩き続けるのは辛い。全部巡ろうと思うとざっと4kmくらいはある。
4kmはさすがにしんどいぞ。突発的に決めたものだから何かパラノマサイトのグッズを持ってこれているわけでもない。どうせ写真を撮るなら呪詛行使クリアカードとかと一緒に撮りたいな。とはいえ中途半端に終わるのはなんか嫌だ。
様々な思いが交錯した結果、数スポット巡って引き返すことにした。全部巡れたらいい思い出にもなっただろうけど、さすがに…。この後行きたいところもあるのにここで疲れ果てるのは愚策という理性が押し勝った。
結局、両国駅から錦糸町駅に迎うような形をとり、行けたのは両国橋、旧安田庭園、緑町公園と原作にはないけど江東橋(送り拍子木スポット)くらいのものだった。
 またリベンジしたい。今度はスニーカーで…。

・神保町
 2日目はここがメインと言っても差し支えない。
古本屋の街を散策できたら最高だろうなとは思っていた。一日中散策してもよかったが実際は3時間くらいのものである。
古本屋に入るのは心理的なハードルが高い。正直いってよくわからんものばかり並んでいるので。興味ある分野や時代の本もあるにはあるだろうが、全然ない可能性もある。というかそもそもウィンドウショッピングなんてしてもいいのか。そういう葛藤もありつつ、二度行くかもわからないような場所なのでずかずか入っていった。
色々あった。大きい本屋に行って詳しくない分野の本棚をボヤ〜と見ているときに感じる「この世には本が多すぎる…」という漠然とした気持ちが小さな本屋で湧き起こった。こんなにも本があるのなら自分でも本が出せるんじゃないかと気が大きくなる。本当になんの実績もないのに。本出せるような人間になるべく頑張りたいなという気にもなる。
 古本屋という割に色々置いてある。階段の壁が額縁だらけの店がざらにある。単純に絵画が好きなので階段だというのに足を止めて見てしまった。ブロマイドやポストカードなども置いてあった。写真、浮世絵、古地図など、古いものならなんでも置いてよさそうな感じがある。昭和時代の何がしかのパンフレットなども売っていてものすごく惹かれたが、その歴史深さに相応しい値段を見て購入は断念した。
どの店にも人がそこそこいた。月曜の昼だと思うといすぎる気もするが東京はこんなものだろうかとも思う。
 最終的に書泉に寄って漫画を数冊買った。格調高いハイカルチャーといった感じの古本屋ばかり寄ったので、サブカル系統の本屋が居心地よく感じた。古本屋も雰囲気がよくて居心地いいことに変わりはないが、悲しいことに漫画のほうが馴染み深い。
書泉はさすが都心のサブカル本屋といった感じの商品が揃っている。マグメル深海水族館のグッズを見つけたときは虚をつかれる思いだった。迷ったけどこれを逃せばもう二度と買えないような気がして、買える限りを買った。椙下聖海先生の筆致がめちゃくちゃ好きなんですよね。買えてよかった。

 神保町に行ったのはどこにも在庫がないけど欲しい本を探す目的もあった。古本屋の街というからにはあるんじゃないかとたかをくくっていたけど、リサーチが甘かったのか特に見つからなかった。
もうちょっと本腰を入れて探せば見つけられるかもしれないが、そこまで猛烈に必要としてるわけじゃないし、本棚から探すのが楽しいのもあるしまあいいか…。という感じで古本屋巡りは終わった。

 雨が降ってきて困ったり、汁なし坦々麺を食べたり、電車の行き先ミスを2回したりして帰路についた。帰宅が異常にグダつき、東京なんてもう懲り懲りだよ〜!泣と思いながら寝た。

・総括

 帰宅時は疲れまくってそれどころではなかったが、振り返ってみると東京にはまだまだ行きたいところがある。具体的な目的地があるというよりかは、また有名な場所を散歩したい気持ちがある。その時は青春18きっぷとか使おう。
 人生初のライブということで色々な初体験があった。もしかしたら他のコンテンツのライブ・リアルイベントでも同じような初体験がしたのかもしれないが、ミルグラムを選んだのでこういうことになった。

 不思議な気持ちになり続けている。
ミルグラムは「ライブのために遠征する」ほどに好きなコンテンツなんだろうかという疑問があるのかもしれない。好きではあるけども。
思い入れの強い作品やアーティストは他にも色々あるけど、思い入れがあるからといってイベントに赴いたりと特別な行動はしない。だからといって、それらの作品よりもライブ遠征をしたミルグラムのほうが好きで愛着があるのかと言われると、それは何か違う。

 何かしているから好き、というのはわかりやすい。わかりやすいから「推し活」が流行っているんだろうとも思う。
何かしら行動をとって作品への愛を表明するのはわかりやすいけど、言い換えればその作品のために身を削っている、ということでもある。グッズ購入のためには身銭を切るし、創作には時間と体力を使う。やってわかったけどイベントごとにはいろんなものを消耗する。それでも、身を削ってでも愛を伝えたい人が推し活をやっているんだろうと思う。あるいは、自分の身が削れているのも気にならないくらい夢中になって愛している人が。
好きだから色々する、というのは自然な心の動きだけど、だからといって色々しないなら大して好きじゃないんだね、というわけではない。好きだけど色々したりはしないこともある。
具体的な話だと、特典ペーパーを必死こいてかき集めたりはしなかったけど大好きな漫画があったし、グッズを買ったりはしないけど中学の頃からずっと思い入れの強い小説シリーズがある。一周しかしてないけどものすごく刺さったゲームもあれば、めちゃくちゃな課金はしないし特別やり込んでもないけど大好きなソシャゲもあるし、ライブに行ったことはないけど一生追いかけたいと思うようなアーティストもいる。
ライブ遠征したからといって、そういった作品たちよりも群を抜いてミルグラムが好きだなんていうことはない。作品愛に優劣がつくわけではない。そういうふうに勘違いしないようにしたいね。

 難しい。難しいけど、人生初ライブを捧げてもいいと思うくらいにはその面白さに信頼があって、好きだと言えるようなコンテンツであることには間違いない。
まあグッズ買ったりはしてないんだけども。ライブ行くくらいには好きだけどグッズ買いまくるわけではない、というのも変な話だなと思う。

 とっちらかった文章だけどそういう感じでした。またあれば行きたい。今度は痛バッグを用意して…

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