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Photo by
inagakijunya
幸せを夢見て
2018年11月25日、2018年も終盤に差し掛かる日、僕はバスの車内から東京の夜景を眺めていた。
今日東京に行ったのは、高専ロボコンを見に行ったからだった。
心動かされる競技を見せてくれた国技館を後にし、バスに乗り込む。そんな僕の目に映る東京の夜景はどこか不思議な眺めだった。その日は月が大きくて、スカイツリーの後ろに映った時はいい画になっていると思った。
イヤホンでお気に入りの曲を聴きながらしばらくすると、首都高に乗り、高架橋から見えてきたのは東京一面の夜景。長野とは違い、至るところに灯りがあり、煌々としていて、眠らない街のようだった。しかし、なにか大切なものが抜けているような、そんな感覚。それは単純に東京に思い出がないからのような気がするような、しないような、どこか煮え切らない不思議な気持ちだった。
長野に帰ってくると、灯りの数は少ないし暗い所ばっかりだけれど、そこかしこに色々な話の数々が眠っているのがわかった。今は長野にいるのが案外幸せなのかもしれないと思った瞬間だった。
長野のほうが不便だし、あるものは少ない。けれど、生まれ育った街にしかない温かさが確かにそこにあった。
東京の夜は東京の夜、長野の夜は長野の夜。どちらも同じ夜だけど、違う夜。
東京にも幸せは眠っているのだろうか。
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