「森を見て決めよう」北陸新幹線建設予定地フィールドワーク

10月23日の日曜日、北陸新幹線京都延伸を考える市民の会で南丹市美山地区の建設予定地をめぐるフィールドワークを企画しました。

北陸新幹線を京都市の地下を通って小浜から新大阪まで延伸する計画は現在、環境影響調査中でまだ本格的に決定はしていませんが、私たちがフィールドワークをした翌日、関西8府県から成る関西広域連合が東京で促進大会を開催し、国会議員も多数参加して2023年の着工を目指し、必要な整備財源の確保を政府・与党に求める決議を採択した。

今回のフィールドワークは、この環境影響調査の立ち入りを拒否されている美山の田歌地区、国連世界観光機関の「ベストツーリズムビレッジ」に選ばれた茅葺き古民家の里、北村集落の方々にご協力をいただきました。

まず最初に美山在住の長野さんから工事が始まった時に大きな環境破壊が引き起こされる可能性のある場所を地図でご説明いただきレクチャーを受けました。トンネルは地下で掘られるから地上に余る影響がないかのように思いがちですが、掘った土を地上に出す斜坑を3〜5キロおきに作り、その周辺の広大な土地が残土の仮置き場になります。一体、どんな状況になりどんな環境汚染が予想されるか、今現在、建設工事中の北海道新幹線の現場で地道に活動を続けてらっしゃる地元の市民有志の皆さんのご報告を長野さんが動画でご紹介くださいました。トンネル掘削で出た残土の仮置き場の管理がずさんで防水シートなどを敷かずに直置きされたことで残土に含まれるヒ素などの有害物質が周辺の土壌に染み出し、地下水や河川の汚染が確認されたこと、工事現場から出る汚濁水をろ過する装置はすぐに土が目詰まりしてほとんど機能していないことなど、地元の市民の皆さんが地道に現場を見学し、付近の川の水を採取し検査された結果、わかってきたことがたくさんあります。美しかったであろう土地に広がる残土の仮置き場の想像を超える大きさなども写真で拝見することで「本当に大変なことになる」と実感します。「市民が無関心だと工事現場はずさんになります。しっかり監視していないと大変な環境汚染が起きてしまいます」とお話ししてくださった北海道の方の言葉は、「もう他の土地で同じようなことを繰り返してほしくない」というお気持ちがこもっていました。

レクチャーを受けてから地元のガイドをされている鹿取さんにレクチャーいただきながら山や川、田園地帯を車で回りポイントごとに車を降りて歩きました。この森に斜坑が掘られたらどうなるか、このきれいな川はどうなるか、毎日10tトラックが200台近く行き交うようになったら静かな里はどうなるか、、、。

美山川の上流は本当に美しく巨大な陸橋やトンネルが掘られたり残土が盛られたりすることなど想像もできないのですが、冒頭で述べたように関西広域連合は2023年着工を目指しています。今、できることは何か。美山や京北の環境を破壊し、京都市内の地下をトンネルで貫くというこの無謀な計画をさらに多くの市民のみなさんに知っていただき、「そんなんあかんわ」という声を広げていきたい。

今回の企画には共産党、立憲民主党、社民党、無所属市民派の議員の皆さんもご参加くださいました。今後は議員のみなさんにももっと現場を知っていただき、自治体の議会で、そして国会でしっかりと反対の声を上げてくださる議員さんを増やしたい

森や川を見たら答えは明らかです。

この計画の白紙撤回を求める署名はオンライン、ペーパーとも継続中です。


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