見出し画像

第7回 馬と桃

約2年ぶりに開催された馬と桃に伺ってきました。この会は、桃月庵白酒師匠門下のこはくさん、白浪さん、金原亭馬生師匠門下の小駒くん、馬太郎くんの4人(どちらもルーツは先代馬生、古今亭志ん生を元にします)が集まった会で、初回は確かコロナの一年前、白波さんが当時ひしもちから二つ目に昇進する直前くらいだったかと。その時は今回と同じく落語協会2階が会場だったのですが、一時期本所ビックシップに移り、それから2年ほどのブランクを置いてから、再び落語協会2階に移った今回は原点回帰の会なのです。オープニングトークはそんな経緯を踏まえて。

オープニングトーク時にじゃんけんで出演順を決めてた回もありましたが、今回は前もって決めた形に。開口一番は白浪さんで「猫と金魚」一時期、やる人が少なくなってしまった噺ですが、甚語楼師匠(たぶん)、志ん陽師匠あたりがやり始めたくすぐりで息を吹き返した印象。白浪さんは更に自分のくすぐりを加えてサゲまで変えて工夫をされてました。

二席目は馬太郎くんで「へっつい幽霊」今回スイミングスクールのマクラがめちゃくちゃ面白かったです。構成と言い台詞と言い、こんなにマクラ面白い人だっけ?(失礼)と関心しきり。本編のへっつい幽霊の最後の博打シーンは実に堂に入っておりました。手の動きで訴えかける幽霊が楽しい。

中入り後、こはくさんで「一目上がり」マクラでは他のメンバーに比べてキャラが薄いとぼやいてましたが、こんなに濃い連中に囲まれていながらプレーンな印象を保ち続けるのは、それはそれで一つの個性じゃなかろうかと思います。今回ネタ下ろしで、言い立ての難しさに苦戦してましたが、でも爽やか口跡で、その心意気や良しだよなあ。

トリは小駒くんで「佃祭」個人的には何年越しになるんだろう、それこそこの根多を教わる為に馬生師匠に電話をかけてる時から見てたくらいの因縁のある噺なのに、色んな間の悪さが重なりチャンスを逃し続けてからの今日で、マクラで佃祭とわかった時点でちょっと感動してました。中身も見応えバッチリで、小間物屋で祭り好きの次郎兵衛さん、やきもち焼きの女将さん、佃島の漁師夫婦、町内の若い衆に与太郎と演じ分けが見事。佃や佃祭にまつわる解説も存分に散りばめられていて、大変に楽しませていただきました。たまたま求められて教わったネタですが、世界観がすごくニンに合ってると思いました。

てか、この高座はくやしいなあ(いや、プロと本気で比べるような愚かな思想は持たないのだけど、二つ目なりたての頃から応援してて、ここ最近は一緒に勉強会を頑張ってきた小駒くんにはちょっとムキになるのです。だって兄貴風吹かせたいじゃーん笑)

間が空いてしまったからこそ、色んな成長を思う会でした。また定期的に続いて欲しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?