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同期の秘め事vol.76(落語鑑賞覚書)

新宿無何有

狸の札 花ごめ
四段目 始

仲入り

短命 朝之助
夢金 志ん松

(敬称略)

ここんとこちょっとご無沙汰だった新宿無何有での四人勉強会に久しぶりに伺いました。この会、なんか堪らなく好きなんですよねー。

花ごめさん、最近は公開稽古を配信されてるそうで、色んな入れ事をしたりサゲを変えてみたいと実験してるそう。今回の「狸の札」もその一環で、なるほど確かに色々と工夫されてました。ネタバレになるといけないので詳しくは避けますが、動物の動物らしい佇まいと、サゲの発想が好きです。

始さん、前回は師匠の会に出席のため、欠席されたそう。本編の四段目は変幻自在の表情筋。定吉が何役も演じる(2階層の演技)だけでも難しいのに、各々の形が決まってる。師匠譲りのアクションと明るさに全編通して惹きつけられました。一箇所、珍しく言葉に詰まるシーンがあったけど、当人が一番悔しそうなので何も言う事はなし。

朝之助さんの短命は、じれてる御隠居と察しの悪い八公のやりとりも勿論、面白かったですが、帰ってきた八公とそのカミさんのやりとりが良かったナァ。あー、この夫婦、とことん口が悪くてシャイなだけで、伊勢屋の夫婦に負けないくらいすげえ仲良しじゃん、と思えたのは初めてかも。サゲの台詞も古典のままですが、皮肉や自虐を感じさせない無邪気な笑顔で後味よかったです。

志ん松さんの夢金はネタ出し。ここの所この噺ばかりされてるそう。仕草や目配せで船宿や屋形舟が非常に立体的に見えたのが凄い。フェチズムな見方として、侍に勧められて船頭が屋形舟の中に入る際、羽織を抜いてバサっと雪を落とす仕草をされるのですが、あれ満点です。侍と交渉してる船頭がイマイチ肝が据わってないように見えますが、志ん松さん自身が線の細い方なのでその方が無理のない演技なのかもなー。

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