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俳句ポスト——蒸鰈

だいたい、今も「蒸鰈」がどういうものかわかっていないのですが…
元々あ〜んまりお魚食べないしなぁ。
でも、一番美味しい魚の食べ方は一夜干し、らしいのでいつか出逢うことを夢みて、いつものように掲載順。


地選

月の道馨子

蒸鰈五枚で女仏くれまいか

おめでとうございます!地選ですよ!
組長のコメントを載せておきます。
私は「女仏」は実際の女と読みます。笑
さぞかしええ女なのか、え?それっぽち?なのかはどんな蒸鰈を想像するかによりますね。
でも五枚か…笑
おめでとうございます!

こちらも森澄雄を本歌取りしているのでしょうが、アプローチが全く違う。その発想が実に面白い作品です。
皇室にも献上する「蒸鰈」だぞ。これを「五枚」やるから、その「女仏」をくれないだろうかと持ちかけているのです。惚れ込んだ骨董品なのか、宿を借りた貧乏寺での会話か。はたまた「女仏」は実際の女を意味するか。読めば読むほど、面白くなってきます。

亀田荒太
蒸鰈帰路は京都へ廻らむと

おお〜ええですね〜遠回り。
こう日本海側からいわゆる京都の街の方へ。
ついでに琵琶湖とお伊勢参りして帰りましょう!
太陽足りぬか蒸鰈裏は白
お〜これもそうか、ずっと海底に居ますもんねぇ〜上しか陽が当たりませんもんねぇ!確かに、それで裏が美白なんですね!
ももたもも
蒸鰈からげた尻へ錆びた風

尻からげして、何をしようとしてるんでしょうかねぇ。ただ走るのかな?何か急ぎの用…あ、蒸鰈を食べに帰るのかも。
江口小春
美術部員描いてから喰う蒸鰈

美術部員だったので。そして、一度だけ行った合宿が伊根だったので、それくらいしか思い出がない、蒸鰈。いや、蒸鰈が出たのかはわからないけど。日本海側の思い出がそれくらいしか。笑
深草あやめ
常連となりて三年蒸鰈

「田舎から送って来たんだけど…」て女将が出してくれるんですよ。常連になって三年経たないとこの蒸鰈は出てこないんですよ、真の常連の証。
ラーラ
登美子想ふ若狭の夜よ蒸鰈

注釈を読まないと私などにはわかりません。あ、記しておきますね。
「小浜市出身の歌人、山川登美子。与謝野鉄幹を師と仰ぎ鳳晶子(後の与謝野晶子)とは親友で、歌に恋にライバルであった。」
となると、なんと艶めかしい蒸鰈。

パッキンマン
じゃんけんに負け裏を取る蒸鰈

これは…鰈の裏か表かをじゃんけんで決めてるのでしょうか?それはあまりにも差があるような…笑
むにむにちゃん
料亭の明かりほのかや蒸鰈

料亭で出てくる蒸鰈はさぞかし美味しいんでしょうね〜魚は(まぁ野菜もそう言われてますが)軽く干した方が美味しいらしいですからねぇ。食べたくなります。
真宮マミ
蒸鰈考似の孫と酌み交わす

…「考」たかしって誰や?と本気で思ってました。笑「考」これ一文字で亡くなった父を表します。って忘れてた!すみません。これは自分の父に似てる自分の孫ってことですよね?なかなかおじいちゃん思いのええ孫ですね。
瀬波秋鮭
厚き手の婆婆の商う蒸鰈

「婆婆」これもなんて読むのかと調べたら「しゃば」だそうですよ。笑 でもきっと「ばば」でしょうか?でしょうね音数的に。画は浮かんでくるんだけどもうちょっと表現の工夫が出来そうですよね、良い感じなのに。笑 あ、あれか、いつものツメが…笑
福良ちどり
蒸鰈の群れは海風吐き出せり

こう、浜辺で吊されてるたくさんの鰈の画が浮かびます。空も海も青く。「は」の処理かなぁ…なくても私は好きです。

なんか珍しく、干物を食べたくなってきました。笑

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