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俳句ポスト——鰻

鰻、どうですか?
私はね、本当のこというと、匂いだけでもいいです。笑
一番好きなのはひつまぶしです。
熱田神宮のとこの一度食べてみたいです。めちゃ並んでるらしい。
初詣には毎年のように行ってるんですけどね。
ますます高級食材になっていくんでしょうか?
精進料理の山芋で作ったうなぎもどきも食べてみたいです。
もしかしたらこっちのが好みかもしれません。
とはいえ、やはり身近な兼題ではなかったでしょうか?
一度くらいは食べたことあるでしょうし。
あと、やっぱり、銀シャリは鰻のがかわいい。笑


地選
月の道馨子
中核派てふ過去とほし鰻喰う

「中核派」という「過去」があるのです。学生運動に没頭し、デモに参加し、警官に立ち向かった若き日の自分。そんな「過去」を懐かしんでいるのか、思い出したくないものとしているのか。「過去とほし」に複雑な感情が見えます。下五「鰻喰う」は、真っ当な社会人となっている自分を肯定しつつ納得はしてない、そんな思いを匂わせます。

江口小春
寄席跳ねて上野で鰻なんてどう?

誰かの話し言葉をそのまま書いても俳句になるのです。有名なのが、母親の言葉をそのまま書いた正岡子規の一句「毎年よ彼岸の入りに寒いのは」。
先ほどの寄席ネタの句とはまた味わいが違います。「寄席」を楽しんだ後、「上野で鰻なんてどう?」と誘いかけているのか、誘われているのか。どちら側に自分を置いて読むかによって、味わいもまた微妙に変わります。最後の「?」の敢えての選択も、利いてますね。

ラーラ
夫とゐる離れ座敷や鰻食ぶ

大人〜ええですね。なんか着物着てる感じがします。高級うなぎ店。
男ぶり良き背と食ぶる鰻かな
これも上の句の夫かな?また別の人かな?笑 ああ、なんか鰻食べてる男女女って…ねぇ。笑
ももたもも
父さんが好きだったねと鰻買う

これ私はお父さん亡くなってるのかと思ったんですけど、そうでもないか。笑 母と娘が買い物に行って晩ご飯何しよ?言うて、もうおとうさん好きやからまた鰻でええかって。手抜きの言い訳?笑
亀田荒太
鰻切る包丁の背の鈍光(どんびかり)

鰻が光ってるんじゃなくて、包丁の背が光ってるんですね…新しい。笑
鰻切る、のか。裂くのではなく。どんびかりって初めて知りました。
深草あやめ
問題は山積みなれど鰻食ふ

あはは。ええですね。こういう時ありますね。とりあえず、鰻食べてあとでがんばろって。食べたらなんかええ案浮かぶかも、ですし。
福良ちどり
黒潮の色を賜る大鰻

おお〜なんかめちゃめちゃ大きな鰻っぽい。こう、妖怪的な。黒潮がそう思わせるんでしょうね。

パッキンマン
上鰻子会社行きを口説かれる

これ、口説かれるより諭されるのがぴったりくるような…子会社のが魅力的なのかな?
むにむにちゃん
鰻焼く匂いばらまく換気扇

むにむにちゃん!お元気ですか?
そうですよねぇ鰻っていうと匂いですよね、あれだけでご飯食べられますよね…それはないか。笑
真宮マミ
鰻食う夫は名古屋が良いと言う

そうか、関西風か江戸前かばかり思ってたけど名古屋ね。書いたのにひつまぶしって。笑 美味しいですよね、名古屋。
瀬波秋鮭
勝ち負けのこだわり放って鰻食う

放っては、ほうってと読むのかな?ほって?大阪弁?あ、名古屋の人。笑
音数からいくとほってかな。美味しいもの前にするとそうなりますね。
豆闌
元始おんなは太陽おとこは鰻

え〜なんか〜エロい。笑
もしくはあれを思い出しました、ブリキの太鼓。…女の人を称えてくれてるのかな?ならいいか。笑

えーと。ないですね…
数少ない投句兼題なのに。
あの、そんなに悪くなかったんですよ、没になる程には。
金曜に入るほどかは、わかんないんですけど。笑
ひとつ寝たらわかりますね。

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