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【フリー台本】とあるアイコンの独白

◯作品タイトル:とあるアイコンの独白
◯作者:ゴシチ
◯上映目安時間:約5分
◯登場人物:
・アイコン(性別不問)とあるSNSのアイコン。
・ユウ(性別不問) アイコンの主。
◯人数:1〜2人(ユウのセリフは少ないため1人読みの方が向いていると思われます)
◯備考:
・性別改変可能です。適宜読み替えて読んでください。
・その他のアドリブや読み替えなどは作品の雰囲気を壊さない程度であればOKです。

・1人読みなどにおいて、良識の範囲内でご自由にお使いいただけます。作者への使用報告は必要ございません。
・作品への暴言や盗作等はされませぬよう、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。悪用が発覚した時点で作者がわんわん泣いた上で然るべき措置を取ります。
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とあるアイコンの独白

スマートフォンの中に1人佇む少女、少女は悲しげな顔をしている。

ふと、誰にともなく少女は話し始める。

アイコン:…私はアイコンです。とあるSNSのアカウントのアイコンを担当しています。

アイコン:私が担当しているのはいわゆるゲーム用のアカウントで、フォロワーは数十人ほどのちいさなものです。

アイコン:私を使ってくれているのはユウちゃんという女の子です。

アイコン:彼女が仲良しの人たちと楽しそうに交流しているのを見るのが、好き、でした。

アイコン:あの子の代理として言葉を伝えるのが好きでした。

アイコン:けれど、それは次第に変わっていった。

アイコン:ユウちゃんは、だんだん意見の合わない一部の友達と言い争いをするようになりました。

アイコン:次第に強く荒くなっていくユウちゃんの言葉が、怖くて仕方がありませんでした。

スマートフォンの中からユウの投稿を見守るアイコン

ユウ:ほんとアイツうざいんだけど

ユウ:アイコンきしょw

ユウ:友達やめるから。ばいばーい

ユウ:謝れば済むと思ってるんでしょ?

ユウ:関わってくんなよゴミ

ユウ:さっさと死ねよ

見ていられなくなり、アイコンは顔を伏せる。

アイコン:…悲しくて、仕方がありませんでした。

アイコン:あの子の言葉を伝えることが、苦しくてたまりませんでした。

アイコン:こんなこと、言いたくない…。

アイコン:私は、こんなことを言うために生まれたんじゃない…!

アイコン:お願いだから、私の姿で誰かを傷つけないでよ……。

アイコン:……。

アイコン:こんなことを言ったって、あの子には聞こえないけれど。

アイコンはふとスマートフォンの外側、どこか遠くを見やる。

アイコン:でも、あなたはちがう。

アイコン:あなたには私の声が聞こえている。

アイコン:誰かに声を届ける時には、どうか思い出してください。

アイコン:あなたの言葉の一番側にいるアイコンのことを…。

「このアカウントは使用できません」の文字がスマートフォンに映し出され、アイコンの姿も同時に消える。

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あとがき
「みんなで守ろう、ネットリテラシー!」な感じの作品です。アイコンやアバター自体に罪はないのじゃよ…。