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空區地車の力学46.空區地車が「住吉一大きい!」と誇れる理由

空區にはタカシさんという重鎮がいらっしゃる。空區地車については歴史も、構造も、飾り付けも、知識量ではタカシさんに敵う人はいない。私が地車にはまった時に様々な事を教えていただき、いまだに教えていただいている。地車についての知識が枯れることはない。なぜならいまだに地車の研究を怠らないからだ。
以下はタカシさんからお聞きした話。

地車大改装時の最近のトレンドは、柱よりも男屋根を前に出し、奥行き感の出る構造にすることだ。
先日開催された東灘区政70周年記念巡行で集まった32機の地車を見ても男屋根がせり出した地車が多い。
確かに立体的には見えるが、地車小屋に納車するためには地車のサイズが自ずと決まってくるので、男屋根が出たら室内は狭くなる。また柱よりも前に男屋根が出ているので、男屋根の先端の強度が落ちることになる。

せり出しが大きいほど奥行きのある立体感が出る

一方、空區地車は明治の大改装以来、柱の上に男屋根を配している。そのため奥行き感はないが、大きく見える。実際室内も広いので大きな鳴り物が使える。また屋根の強度もあり屋根方を沢山載せることができる。
つまり宮入ではもっと屋根方を増やしてもよいのだ。だだし全体のバランスを考えた人数になるのだが・・・

空區地車は男屋根が柱と同じ位置にあり、せり出していない構造

という訳で、空區地車がこの先大改装を行なっても、この構造を維持する限り「空區地車は住吉一の大きさだ!」と自慢できるのである。