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村上春樹新刊読了


いくはずのない本屋さんの前を通りかかったら小さく平積みされていたので、久しぶりにすっと購入してしまったからには読むよね。で、すぐ読み切りました。
正直、パラパラとチェックもせずに買ってしまったことは後悔です。活字のサイズと細さが不吉なように、黒い表紙も不吉なように、死の匂いでいっぱいな作品でした。ノルウェイの森のトーンがさらに深く暗くなったような。かつ、最晩年の石原慎太郎が、彼自身が心酔していた人が最晩年断言していた、死とは無なのだ、という考えを家族に断言していたことをざらり、と引き出されたように感じ。
孤独と無を極める物語の中に、ユーモアが全くなくて、村上春樹作品の中ではマイナーな、ちょっと呆れて笑ってしまうようなユーモアのある作品が好きな自分には、闇の中に置き去りにされたような読後感で心が不味い感じにがたがたにされました、いや本当につらいわ。本書をお焚き上げしたいぐらい、勘弁して。

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