文スト22巻表紙のシンボル考察

※この記事はマンガ文豪ストレイドッグスの考察です。

22巻表紙の中央部分には興味深いシンボルが描かれている。このシンボルは一体何を意味しているのか。非常に気になったので考察してみた。

中央の下から順番に。

・山羊の頭蓋骨=悪魔の象徴
キリスト教では、羊は善、山羊は悪を象徴している。羊と山羊を判別するのは難しいが、宗教画に出てくる羊のほとんどは角が生えていない。
一方、山羊は角があり、後ろに向かって曲がっているのが特徴。
山羊は悪魔に捧げる生贄となることもあり、山羊の頭蓋骨は悪魔を連想させる。キリスト教で有名な悪魔の一人、バフォメットも頭が山羊。タロットカードに出てくる悪魔カードも山羊頭である。

・紫の花ハーデンベルギア=奇跡的な再会
紫の花ははっきりと描かれているわけではないので確証はないが、花言葉の関連性的にハーデンベルギアが有力候補。花言葉は奇跡的な再会。

・プロビデンスの目=万物を見通す目
目をモチーフにしたシンボルはプロビデンスの目とホルスの目があるが、ここではプロビデンスの目を採用。
理由① ホルスの目は古代エジプトのモチーフであり、聖書やキリスト教文脈が中心の文ストとの相性がイマイチ。
理由② はっきりとは見えないようになっているが、表紙絵の目の周りに実は小さな三角が6個描かれていてこれを繫ぐと三角形ができる。三角形の中心に描かれた目はプロビデンスの目と考えていい。
以下図解。著作権保護のため汚い模写で失礼。

・金色の六芒星=ソロモン王
上記の三角に逆さまの三角も繋げると六芒星になる。そして表紙中央の金色の星自体も全ての要素が六角で構成されているので、六芒星を表現していると推測。(本物の六芒星はおそらく描いてはいけないのでうまく隠したのだろう。)
六芒星が象徴しているものは色々挙げられる。聖書関連だけでも以下3つ。
①創造の星
②ダビデの星
③ソロモン王

この中で、表紙絵と一番絡みそうなのが③ソロモン王。ソロモン王は古代イスラエルの王で知恵の王と呼ばれるほどの賢人だった。
彼はその頭脳で天使や悪魔を自在に使役していたと言われている。
そして悪魔を使役するときに使用したのが、丸の中に六芒星を描いた魔法陣だそうだ。
彼が天使ミカエルにもらった指輪(ソロモンの指輪)にも六芒星が描かれており、ソロモン王は指輪をはめると悪魔を使役したり、動物と会話ができるようになったらしい。
このソロモン王の「悪魔さえも使役するほどの並外れた頭脳明晰さ」はまさに太宰とドスを象徴しているように思う。

そして表紙絵の六芒星は悪魔の象徴である山羊の頭蓋骨に突き刺さっていることからも、悪魔を支配下に置いているという風にも読み取れる。


以上を踏まえると、表紙絵の中央部分は、悪魔さえも使役する超人的な頭脳と、万物を見通す目をもった賢人2人の対決を表現しているのかなというのが個人的な結論です。

ちなみに、山羊の頭蓋骨のドス側が欠けてるのは、ドスは悪を滅ぼそうとしている側だから。一方太宰側に花が生えているのは、太宰は悪さえもこの世界の魅力だとして賛美している側だからかなと考えています。

きっと色々な解釈があって人それぞれ受け取り方は違うと思うので、この考察は参考程度にして頂けると幸いです。

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