自己啓発役に立たない

自己啓発本のカラクリを大公開~どうして自己啓発本は役に立たないのか?

「自己啓発本」というキーサードに引っかかってこのコラムを読んでいるそこのあなた!

残念ながら、あなたは成功できません。

本当に成功する人は、自己啓発本など読まないからです。


 なぜなら、成功する人というのは自ら立てた目標に向かって着実に努力を積み重ね、失敗を恐れずにトライし続ける人のことだからです。

そういう人に「自己啓発」なんて必要ありません。常に、具体的な問題を考えているから、「どうすればがんばれるか」なんていう抽象的で内容空疎な問題には興味がないのです。

それでは、世にいう「成功者」はどうして、自らの「成功法」を人に教えたり、書いたりするのでしょうか。

3つの理由が考えられます。

①自分の実績や体験を言葉にすることで自分自身の確信や存在意義を正当化したい。
②自分の存在を崇めて目標とする「ファン=信者」を獲得したい。
③獲得した「ファン=信者」から不労所得を回収したい。


 これだけの理由があれば、所謂「成功者」が各々の「成功理論」を説法したくなるのもやむなしでしょう。

 他方で「ファン=信者」予備軍にとっては、自分で自分を導くというのはとても骨が折れる作業ですから、誰か目標となる「憧れの人」が存在して、それに近づけるように頑張るという方法が、一番手っ取り早くてインスタントですよね?

 こうして「持ちつ持たれつ」の関係が出来上がります。これが自己啓発本が存在するカラクリです。

 だから、自己啓発本は存在するし、これからも存在するでしょう。

 このカラクリは社会を成り立たせている原理といっても言い過ぎではないほどまでに浸透しているので、多く人が容易に気づけないのではないでしょうか。

なので、簡単に要約して暴露してみました。気持ちいいですね。


 ところで、自己啓発本はそれに見合った内容があるのでしょうか? それは極めて薄く、現実にはほとんど役に立たないと言っても過言ではありません。

 なぜ、役に立たないか?

その理由は二つです。

理由1:「成功する」という動機の具体的内容が人によって様々で、曖昧だから。
理由2:所謂「成功者」が自ら考える「ノウハウ」は自分の体験の一般化に過ぎず、動機、能力、境遇がすべて異なる他者に適用可能なものか、吟味はまったくなされていないから。

 成功する人というのは、結局強い動機を持っている人がほとんどです。強烈に「お金持ちになりたい」とか「目立ちたい」とか、「プロ野球選手になりたい」とか思っている人たちのことです。この動機がなければ彼らは能力を発揮できないし、艱難辛苦にも耐えられないでしょう。この動機があなたにないのに、方法だけを知っても意味がありません。「ノウハウ」だけでは何の役にも立たないのです。自らの胸に手を当てて、あなたにはそうした成功の元手となる強い動機が全くないことをまず、悟るべきです。

 また、仮にそうした何らかの動機があったとしても、いわゆる「成功者」の形式的な猿真似をするだけでは、あなたは決して成功できないでしょう。「ノウハウ」というのは、結局「成功者の体験談の一般化」に過ぎず、まともな理論と呼べるものではないからです。要は、そうした「ノウハウ」の本当の意味は、厳密には当人だけが知っているのであって、有象無象がそれを読んで何かわかったような気になっても、「成功者」という偶像の周りをチョロチョロしているだけのことです。そうして自分は成功する見込みがないのにいつの間にかオンラインサロンなどでお金を取られていて、「努力が足りない」と罪悪感まで植え付けられてしまいます。これでは根本的にダメなのだ、ということを悟る必要があります。


 それでは、成功するための何らの手がかりもないのでしょうか?

 あります!

 これまでの自己啓発本は主に「ノウハウ」を提供することに眼目がありました。しかし、これが「役に立たない」理由は上に述べた通りです。ほんとうに考えなければならないのは、「動機」の部分です。自分がどんな人間でどういう状況にあるのか、このことを知ることからすべてが始まります。そして、そのことを知るためのヒントは言葉によって共有し、批判し合うことができます。

 ここまで読まれて、興味を持たれた方は、このマガジンの購読を強くお勧めします。

 

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