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アポロ杯・夏の宿題 ㈠

俳句大会を終えて。
肩肘張らずのろのろ書きます。
ぼくならこうするのだ〜という気持ちで、例をお付けしたりしなかったりします。
あくまでも作品に対する、個人の感想です😂 

※応募着順(大会役員・かっちーさんDATA)
※詠人の敬称・肩書は省略(投稿時の名前)
※句中の絵文字等は省略
※五七五の文字間はあけずで統一
※入選句は発表済み記事の感想を転載

末っ子に追い抜かされた夏の朝 nekota

子どもの成長が喜ばしい表現です。少しの寂しさが伝わります。素直な親御さん。
このままでも素敵な詩です。

何を追い抜かされたか、それを書き込む方法もあります。ポイントは、

背丈ですか?
走る速さですか?
それとも、もっと心理的な何か?

思いを具体的な風景や現象、特に季語に「託す」と俳句としてもっとよくなります。

例 末っ子がわれを追い越す夏の道
例 末っ子に背たけ抜かされ夏の朝

夏の月消ゆる街の灯八時過ぎ かっちー

夏の月、綺麗な季語です。単に 月 といえば秋の季語になりますが、 春、夏、冬、それぞれ少しずつ詩感がちがいます。

消えるのは街の灯ですが、読み方によっては夏の月が消えるようにとれます。誤読を避けるため、読み手に読みやすく伝えるためには、語順や接続詞の変更余地がないか推敲するといいでしょう。

八時過ぎ、の 過ぎ これは不要です。街の灯りが消える時間の説明をしすぎている。
説明にならない、シンプルな詩を書くつもりでレッツ575です。

極限まで削り、空いた所をさらに活用する作業が得意そうなかっちーさん。
アポロがぐうの音も出ない作品をそのうち発表される、はず(笑)

例 街が灯を消してニ十時夏の月
例 夏の月はやばや鎮む街の上

風呂上がりラムネでいなす休肝日 かっちー

とても生活感があると思います。このままでもすごく良い感じです。でもせっかくだから俳句らしく、詩感ある形に整えてみましょう。
休肝日 を引っ張ってきたのは◎です。ポイントは、 ラムネ という季語を立たせる工夫ができる点です。

ラストを体言止めにするとその語がもっとも際立ちますので、語順変更をおすすめ。

接続詞 で の使用はけっこうむずかしいところ。特に思い入れや狙いがないようでしたら、ほかの言葉遣いも検討してください。

例 休肝日いなす風呂あがりのラムネ

夏五輪スケボに光るわが子の瞳 かっちー

少し材料を詰め込みすぎました。情報が多くなると読み手の心に落ち着きません。

夏五輪 という言葉が、かっちーさんの非凡な文才にしてはスタイリッシュに感じられません。 光るわが子の瞳 にオリジナリティーはあるかどうか、ここにも引っかかります。
厳しい目で見るようですが、ここはもっとハイレベルな作品を出せたはずだと思いました。

潔くシンプルにオリンピック、と書くと、スマートなイメージ。音数は英語読みすると 4音 ですので、例のように直せます。
※2021/08/29訂正
〜オリンピックは英語読みしても6音だそうです。まちがえました😅あらためまして。
オリンピックの で7音の字余り!で勢いがでました(後付だけど事実だよ笑)

また、たぎる この三音でお子さんの興奮が表せます。わが子 は あこ で字数節約しました。

例 オリンピックのスケボに滾る夏の吾子

夏休み得意料理は素麺よ えりんぎ

これは分かりやすいけれど説明文です。
小さじ1杯の詩ごころがほしいと思いました。

夏休み と 素麺 で、季語が二つあります。うまく作るには一つのテーマに注力してください。どっち使うか悩むね(笑)
二つの句に分解して作り直すのも面白い改善方法です。

だれも思いつかないようなキーワードをひとつ探しだせると、俳句はがぜん楽しくなりますね。

また、簡単な材料でも工夫によって自分なりの世界観や実感を書き表せます。

例 手抜きせん料理上手の夏休み
例 今晩もさうめん得意料理とす

〜せん は、〜しよう・〜するぞ。少し気取った古語を使ってみました。
素麺を旧仮名では さうめん と書きます。
〜とす は、〜とする の略です。

漢字・ひらがなの使い分けは、考えるより勘で出来るようになるのが理想です。

古語を勉強すると武器が増えます。ぼくは苦手だけど。

染み渡る夏のビールと冷奴 えりんぎ

メーカーの広告みたいっす(笑)
noteのスーパー応援団長、えりんぎ節が炸裂しました。
個人的にはこういう作品が届いて、めっちゃ嬉しかったです。
嬉しかったのに高く評価しなかったこと、この場を借りて謝ります。

夏、ビール、冷奴、季語が3つも盛り込まれております。ゴージャス……✨(ビールが夏の季語だと知って驚いた人、いるでしょ〜?)

言いたいことは100パーセント伝わります。だけど俳句としてはもっと改良すべきだと思います。

ひとつの句に季語はひとつ、が得策。
なぜかといいますと、主役となるべき季語が一句の中に複数あることで、メリハリがなくなっちゃうからです。

音楽でたとえると、AメロBメロそしてサビ、というような構成が心地よく沁みますでしょ〜👍
サビ・サビ・サビ で成功するとしたら、その作者は大変な達人にちがいありません。

夏の句、ビールの句、冷奴の句、それぞれに分けて再検討よろしく、作り直してみてくださいまし。m(_ _)m

集合だ夏より暑いnote村 えりんぎ

note村に集合だー! 
思わず叫びたくなる一句を、ありがとうございました。
これ、鳥山明さんの漫画思い出します。ドクタースランプアラレちゃんの、ペンギン村です。

みんなみんな集まれ、ペンギン村へ〜♪

郷愁の連想を共有しよう(ここはラップ調で読むべし)

川柳として力がありますから、この句にはここで特別優秀川柳賞を差し上げます。
えりんぎさん受賞おめでとう🎉

直す必要はありません(プレバトの夏井先生調で読むべし)。

※特別賞はもっと華やかに発表したかったんだけど、本職のスケジュール都合でどうしても間に合いませんでした。
予定を変更して、今後の俳句感想マラソンの中でミニサプライズ的にしれっと書きます。
※参考資料である俳句大会エントリー時の記事を、本記事末に添付させて頂きます。

〜参考資料〜



🌟秋の俳句大会への参加準備も、
よろしくお願いしますm(_ _)m

応援よろしくお願いします😆🙌