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太巻き寿司(変わり種)のコツ。

 4年ほど前の秋に、今流行りの新宿の寿司職人養成学校に通ったことがある。魚の捌き方から、酢飯の仕込み、玉子焼き、巻物、握り寿司と一通りのカリキュラムを2ヶ月で消化し、寿司職人としての基礎知識を習得するのが目的だ。

 修了証書を受け取ってから随分と時間が経ちました。なんやかんやと色々な事がありましたが、現在、私は興味本位で寿司屋が母体の天丼専門テイクアウト店で働いております。天丼用の天麩羅を揚げまくっているのです。朝は7時からの勤務で起きるのは午前5時過ぎです。とにかく無職が長かったのでリハビリ的な社会復帰のつもりです。

 商品は天丼と単品の天麩羅だけだと思っていたら、海老天ロールがありました。そう、天麩羅が入った太巻きです。
 とりあえず、天麩羅はまだ研修中ですので、このロールに関しては必ず私にお役目が回ってきます。初日は、記憶のカナーーーータにある、太巻きの巻き方を無理くり脳みそから引きずり出して対応しました。たしかこうだったよね? たしかこうだよね? って感じです。

 もちろん今の現場でも巻き方は教えてもらったのですが、ちょっとそれだと上手く出来ませんでした。記憶だけではちょっと心許なかったので、寿司学校の教材とYou Tubeの動画なんかを帰宅してから見てみたり…。
 調理業界にも結果が出来てれば過程を気にしないという部分があります。例えば握り寿司だとすれば、基本形の握りの手順というか握り方が何種類かあるのですが、その手順から1手少なくして早く握るとか、独自のやり方を部分的に取り入れるとかです。

 巻物に関しても、シャリを海苔に広げきった時に4辺に土手を作るやり方とあまり気にしないやり方があったりします。巻く具材にもよると思いますが、最終的に綺麗な断面となるように巻ければ過程はあまり問題がありません。特にご家庭で作る場合にはやりやすく綺麗に巻くことが出来れば上等でしょう。

 プロが紹介する技は、基本的に素早く綺麗に作るために、伝統的に受け継がれてきた技法ですが時にはもっと良い方法があるのはないかと考えることも必要だと感じます。

 そして実践を繰り返すこと数日、具が真ん中に入り、綺麗な太巻きを作ることが出来るようになりました。

 そこで、今回は私が感じた実践的太巻きの作り方のコツを文章化してみようと思います。

 シャリは広げる時に上下左右の端に土手を作るというやり方が一般的だが、べつに作らなくても綺麗に巻ける。

 海苔に対して左右はギリギリまでシャリを広げるほうがいい。下側もギリギリまで広げてOK。これ、左右に関してはロール系の変わり種は海苔巻の中に収まらないで左右に具材がはみ出す巻き方が多いと思うので、ギリギリまでシャリがあった方が安定します。通常は海苔が巻き上がった後に縮むので少しだけ余白を残すのですが、飛び出てる具材があるのではみ出たシャリを最後に押し込む方が見た目が綺麗になります。

 メインの具材は海苔のかなり下側に置いた方が中心に入りやすい。

 ざっとこんな感じでしょうか? 今回は自分へのメモとして書いてる側面もありますが、誰かのお役に立てればいいかなと思ってます。

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