M-1の3回戦を見ろ

 なんと今、Gyao(登録不要かつ無料)でM-1の3回戦が見られる。しかもダイジェストではない。全組の全ネタが。

 えっそれだけなどと思うかもしれないがこれはものすごい、大体3分半から4分ほどのネタが172本も見られるのだ。しかも3回戦まではきているのである程度の面白さは保証されている。何より賞レースは3回戦が1番面白いとも言われている。
 というのもこの手の賞レースは勝ち上がるごとに洗練されていく。各組の昨年までの出来や、時間内に収めるテクニックなど、会場の熱量に加えてネタの巧さを比べることになる。しかし1、2回戦は本当にウケだけを重視する(傾向にある)ため、飛び道具を持ったキワモノたちも勝ち上がるのが3回戦なのだ。
 大体この手のパンチ力の高い芸人は3回戦か準々決勝で落とされる。準決勝に進んだ場合、そこで敗者復活が行われる。テレビに出れるか出れないかの瀬戸際は準々決勝にあるが、このへんまでくるともう「上手いんだけどいまいち売れてない」ぐらいの芸人がすし詰めになっているため、結果的に3回戦でキワモノたちがふるいにかけられてしまう。
 またいわゆるシード枠も3回戦からの参加になることが多い。したがってテレビでよく見るところもあれば、奇妙奇天烈なネタをひっさげてきた者もある。いつも見ているあのネタが賞レース用に短くカットされ、全然見たことないネタがだだスベりして地獄を味わう。本気で優勝を狙う者と、ただ爆発しにきた者たちとのぶつかりあい、ケオス、それが3回戦なのだ。

 ちなみにどれもこれも全然ツボに入らなくてもおかしくない。シュッとしたコントが好きな人もいるだろうし、時間制限があったり、芸人がM-1っぽさを意識していたりするからだ。
 ただこれは創作発表の舞台であると思うと、クリエイターのパッション……メイクマネー……そういう気持ちになるかもしれない。ならないかもしれない。
 自動再生になっているので本当に時間が潰れる。あなたがたはソーシャルゲームの周回のBGMにするが良い。