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🎞観に行きたい映画 其の二🎞

奴隷制やアパルトヘイトと同様に貧困は自然のものではなく人間から発生したものだ。よって貧困は人類の手で克服し根絶できるのだ。
- ネルソン・マンデラ -

貧困には二種類あると思います。
経済的な貧困と精神的な貧困、どちらも拗れてしまえば国家規模…世界規模で災厄をもたらす元凶ですが人間の手でその危機を克服して未来を切り開くことは可能だと思っています。

今回取り上げる映画🎞は貧困と格差、無知と憎悪による悲劇を真正面から捉えた”観客に問う”映画でハッピーエンドな映画がお好きな方には少々キツイ内容かなぁと思います。

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『人間機械』

公式サイト

監督自らインドの繊維工場に入り労働者たちの過酷な状況を撮したドキュメンタリー映画です。監督曰くこの工場はこの地域ではまだマシな方でほかの工場は推して知るべしだそうです。
絶望感漂う労働者たちの姿、容赦なく轟く機械の音、経営者の労働者たちへの目線、何れも禍々しい。インドの繊維工場の話ではあるけど…
決して他所の国の話として観るべきではない。今の我が国の状況はどうかを考える機会にするべき映画だと思います。

Q:映画の終盤のシーンで、労働者に囲まれ、お前は自分たちに何をしてくれるのか、と問い詰められるシーンがありました。監督は労働者に対してこの映画で何ができると考えていますか?
監督:映画監督は、救世主のように思われているのでしょうか。ジャーナリストの仕事は、ある情報をAからBに伝える仕事だと皆さん知っている。なのに、映画監督は問題があれば、それに対する答えを知っている、と皆さん考えているみたいですね。この映画は、労働者階級のために作られた映画ではないです。彼らは映画を観る余裕さえないですからね。我々、中流・上流階級の人たちが、余裕のある人たちが考えて、それに従って行動を起こして行く。そのための映画だと思います。
ー 公式サイト インタビュー記事より ー

それにしても機械の爆音、映像の美しさには「吐き気がする」。。。

…どうやって取り上げるべきか迷っていたら公開時期が終わってた💦
円盤として発売されるので機会があれば観て欲しい映画です。

人間機械 Blu-ray /DVD (Amazon)


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『存在のない子供たち』

公式サイト

7月から順次公開予定の中東のスラムを舞台とした映画
不条理極まれり、予告編の映像を観て胸が締め付けられる思いでした。

人身売買(生活のために幼い娘を売る強制結婚(児童婚))、虐待、過酷な労働など子供たちをめぐる社会問題を描いた映画で、先に取り上げた『人間機械』同様決して遠い国の話ではない観た人それぞれが考えるべき映画だと思います。

子供たちへの虐待、所謂“いじめ問題”は人心の荒廃や将来の社会の不安定化を招く要因になることは今現在ニュースで報じられている事件を見れば明らかでしょう?

「何も変わらない」とニヒルを気取って言う前に考えるべきこと、出来ることは沢山ある気がしますが…

– 追記 6月11日 −

【児童労働に関する情報】

明日6月12日は児童労働反対世界デーです。この映画で取り上げられた不条理はこの世の中に現実として存在します。

国際労働機関HP
児童労働反対世界デー(6月12日):
ジュネーブにおけるイベントのお知らせ(6月4日)

日本ユニセフ協会HP
ユニセフの主な活動分野子どもの保護【児童労働】

東洋経済オンライン記事
あなたが知らない児童労働の過酷すぎる現場

【強制結婚、児童婚に関する情報】

日本ユニセフ協会HP
ユニセフの主な活動分野子どもの保護【児童婚】

AFP通信記事
「妻じゃなく奴隷だった」 内戦下のイエメン、増える児童婚

ハフポスト記事「強制結婚」

どれもかなり衝撃的な内容です。目を背けるか直視するかはご覧の方々の選択にお任せします。
今すぐに何か出来る程甘い話ではないので…
考えるためのきっかけになれば、と思い追記しました。


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『JOKER(ジョーカー)』

公式サイト

PUT ON A HAPPY FACE

🦇バットマンシリーズの悪役「ジョーカー🃏」が主人公で大道芸人として暮らしていた善良な男“アーサー・フレック”が人々に絶望し、やがて狂気の存在“ジョーカー”に変貌していく過程を描いた映画とのことです。

ジョーカーと言えばこれまでジャック・ニコルソン、ヒース・レジャーなどの個性的な俳優が怪演を魅せてくれた役どころですが、今作の主演ホアキン・フェニックスがどの様に演じてくれるか注目しています。
昨今のご陽気なハリウッド映画とはちょっと違うテイストで重ための感じが更に興味をそそります。

予告編映像から伝わって来る“アーサー・フレック”のなんとも言えない哀しみや切なさからの怒り(憎悪)は昨今の目を覆いたくなる現実とリンクしてしまって………YouTubeの予告編は約1カ月前にUPされたものですが、この数日で結構話題になってる様子。10月の公開でまだ先だけど是非映画館で観たいですね。

この予告編ではチャップリンの映画『モダン・タイムス』の名曲「スマイル」が流れていて実に印象的です。本編にどう使われるのか?それとも予告編のみの演出なのかは気になるところです。
(歌詞付きの曲はストーリーの重要な部分の鍵になることがあるので…)

Smile - Charlie Chaplin's Modern Times

Smile - Nat King Cole 


監督トッド・フィリップスのInstagram
このInstagramの写真凄くいいです!

- 追記10月5日 -

この予告編で流れている「Smile」はJames Francis Durante(ジミー・デュランテ:1893年2月10日 - 1980年1月29日アメリカ合衆国の俳優、歌手、コメディアン)版です。

彼はチャップリンと並ぶ喜劇王バスター・キートンと共演していたりします。この映画に楽曲が使われることは何か意味がありそうですね。
歌詞は同じですがNat King Cole版が優しげな感じなのに対しこちらは悲哀を感じます。



※6月11日一部修正及び追記。
※10月5日一部修正及び追記。