【鉄拳3】現行鉄拳8との差分覚書



はじめに

2024年の3月24日まで、原宿のUNIQLOにUTコラボ企画として鉄拳コーナーが展示され、期間中は無料で試遊可能な鉄拳3筐体(ブラストシティ。流石にサイバーリードではない)も常設されていた。

私本人は現地まで繰り出してその光景を目に焼き付けこそしなかったものの、本件およびそれ以外のnote記事との兼ね合いで鉄拳3当時の文献を引っ張り出して目を通す機会に恵まれたので、どうせなら現行の鉄拳8と鉄拳3とで明確に異なる点をピックアップして、いつもの備忘録にしておこうと思った次第。本腰を入れた攻略記事は他所のサイトを別途探して頂けたら幸い。

ユニクロ 原宿店

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何やかんや四半世紀も前のタイトルとはいいつつも、実のところ現行の鉄拳もこの鉄拳3で備わった仕様をベースにしたまま設計され続けている部分も決して少なくないため、初代鉄拳や鉄拳2と比べる分には別ゲー感はだいぶ薄い。それでも流石に当時リアタイで遊んでなかった層にとっては、大いに似て非なる作りであるのも事実。

ただ、実は昨年時点での最新作だった鉄拳7までは順当に踏襲されていた要素が、今回の鉄拳8で遂に変更された点も結構あり、そのへんの情報をもイーブンに取り扱うと掲載条件を満たす情報量がかなり膨らんでしまうので、「鉄拳7当時までは備わっていた仕様」との差分が薄い物は紹介の優先順位を下げて扱うものとする。記事タイトルは「鉄拳8」と銘打ったが、実質的には「鉄拳8&鉄拳7」と「鉄拳3」との差分ぐらいの感覚で各要素を扱っていく。

【横移動】

基本操作の差分でまず触れておくべき要素は、鉄拳3時点ではまだ横歩きが行使できず横移動のみ。

至近での移動距離は現行の鉄拳よりも大きく鋭く、相手の技に合わせて出せば一発で一気に背面を取れる場面もままある。仕様上、左横移動よりも右横移動のほうが相手の脇を位置取りやすく、自キャラの体型が小さい程その効力の大きさも実感が増す。ポールの横移動量は妙に小さく設定されているため、このキャラを扱う際は特に意識しておきたい。

横移動から技を出すルールは現行と異なり、横移動直後は途中でキャンセルが効かないため(横移動固有技に関しても、中には10F以上要してからようやく発動する技→鬼殺し等もある)、ごく微量の横移動を挟んでから行動する戦術はこの時点では組めない。近年の作品同様、エディのジンガに限っては移動開始後すぐにジンガ技への派生が可能。

【受け身】

横転受け身受付時間が現行よりもかなり短く、接地間際の3Fしか存在しない。今だとジャスト技扱いでもこれぐらいの入力受付のものもあるぐらいなので、この時代の横転受け身は都度ジャスト入力する意識と捉えても差し支えないかも。続編のTTT1では実に3倍以上の10F受付へと改訂される事となり、それに伴って空中やられへの確定追撃フレームも変化が生じた(後述「やられ」の項に補足有)。

横転受け身のモーションは動作開始後の20,21F目に無防備時間が設定されており、20F目は下段ガード不能、21F目は中段ガード不能(※下段はガード可能)扱いになっている。この仕様は以後鉄拳5まで末永く踏襲され、現行の鉄拳程には横転受け身の安全性が無かった時代である事を強く象徴する作りと捉えられる。

横転受け身を行使するタイミングも、本作以降のシリーズと比べて少し早めになっており、現行の鉄拳では地面スレスレ拾いであれば汎用やられで43F残せているのが一応の目安なのだが、この当時は受け身込みだと39F目安で都合4Fほど現行仕様よりも追撃時間が短い。例えば最速風神拳は現在と同じ全体フレームながらも、鉄拳3では低空拾いから次の技へ繋ぐ為のフレーム残量は14Fしか残っておらず、踵切りで拾うのが精一杯となる(当時発生12の白鷺は最速風神拳自体のヒットバックが大きい為距離的に届かない)

【風神ステップ】

広義に於ける「風神ステップ」は主人公の風間仁のほか、ファラン、キング、平八の計四名が行使できるが現行鉄拳の三島流風神ステップと同様の動きが可能なのは仁のものに限定され、同じ三島家の平八のものですら純粋には現行の三島式風神ステップとは異なる仕様となっている(簡単な具体例として、平八はステステが出せない)。

ファランの風神ステップはステステ入力こそ利かないが、ステップからの立ち途中攻撃はパンチ技なら任意のタイミングで出せる(キック技はレフトフラミンゴとライジングブレードに優先権)。ステキャン操作(6n23~4)を咬ませる事で、風ステ踵落とし(wsRKRK)も出せるには出せるが操作手順の都合上発生までの最短フレームは少なくとも10F少々必要。

キングの風神ステップはnを介さない623入力にする事で、俗にキンステと呼ばれる似て非なるステステ動作が行使可能(三島家のものと違い、入力が完璧なら背を向けてしまってる状態でも続行できる)。立ち途中技を出すにはファランと同様、ステキャンの手順を咬ませる必要はある。

【ジャンプ関連】

これまた往年の差分というよりも鉄拳8で遂に梃入れされた面が強い要素ではあるが、ジャンプの発生が早い。この跳躍はむしろ鉄拳8との比較で語るより、前作にあたる鉄拳2までの大ジャンプと鉄拳3以降に於ける中ジャンプとの変更点こそが明確な差で現れている。

跳躍技の攻撃力や命中効果は一概に鉄拳8でばかり大きく改訂されたものではないが、特段に鉄拳3たらしめてるのものをピックアップすると中ジャンプ下降LKのジャンピングソバットは、鉄拳3当時はよろけ回復不能だったので純粋なコンボ始動技として機能していた。よろけ姿勢の序盤12フレームまでは地上判定なので地上コンボも可能。

鉄拳3当時はジャンプナックルが正面向きでもダウンを奪えたり、小ジャンプLPも出すタイミングを問わずダウンを奪える性能。後者は硬直も短かったので、距離が近ければ発生の早い技で拾う芸当も一応は可能だった(似たような光景は、キングやアーマーキングの小ジャンプRP=ジャンプクロスでなら近年まで実装され続けていた)。

鉄拳7当時まで浮かせ技としても活用できた背向けジャンプRKは、この当時は打点が高く文献によっては「上段判定」と扱われていた事もある程。

【基本技(主にジャブの話)】

既に形骸化どころか設定そのものが消失してる気もするが、鉄拳3時点では立ち状態からの基本攻撃に「前進攻撃」という分類があり、固有技で被ってる割り当てがあってもなくてもレバーニュートラルで出した場合と前進時に出した場合とで、攻撃力やリーチ、フレームが変わる技が相当数存在していた。

これに関連したところでは、そもそも当時は立ちジャブ(LP)が全員原則10F発生の横並び性能といった事もなく、発生8Fと10F、或いはジャブに相当する軽度の左パンチがそもそも出せないキャラもおり、全体硬直も8F組で共通はしておらず10F組もまた然り。相対的に一番高性能だったのはポールと吉光で、LPが発生8の硬直25、6LPが発生10の硬直26を誇っていた。後者はカウンターヒット時には+12取れていた。

+12に関しては、クマの6LPは発生8Fを据え置きつつノーマルヒットでも+12が取れる性能なのだが、この有利フレは内部ガードやしゃがみ姿勢切り替えが効く見せかけのやられ姿勢になっており、純粋にポールや吉光のLPよりも性能が上とは言い難い。クマの「前進LP」は21F以上歩いてからでないと出せず、こちらは外見上ベアパンチコンボの初段と同じ技が出るが厳密には別技の扱い。これとは逆に、ジュリアは6LPの割り当てが天砲なので21F以上歩かないとクマの6LPと同性能のジャブは出せない。

余談だが、キングのLPが発生9Fで異彩を放っていたのは鉄拳4の頃で、この鉄拳3時代に只一人発生9Fのジャブを持っていたのはシャオユウ(6LP)。ただしシャオユウのLPは+8からの地上コンボで用いる場面も多く、6LPが積極的に用いられる場面はそう多くなかったようにも思える。

【ダメージ関連】

総体力はデフォルト設定だと対CPU戦が130、対人戦が140

計算式は現行のものとの差が色々あり、特に歴代でも鉄拳3固有で設定されていたのが「部位ダメージ」。人体の急所に近い箇所だと最大1.4倍、そうでもない箇所だと0.9倍という計算式があらゆるダメージ計算の一番最初に来ており、扱いの上で同格なのはクリーンヒット。

この後にコンボ補正、カウンターヒット補正が加味される。空中コンボ補正は初段が0.8倍、二発目以降は0.5倍。カウンターヒットはシンプルに1.2倍扱いではなく、1.0倍+相手の技威力0.3倍をベースに相手の攻撃モーションの引きつけ具合で端数の計算式に変動が生じる。気合い溜め状態のカウンターヒットは引きつけ具合が一切関係なくなり常に1.5倍。

なお、前作ではダウンダメージが残ってる状態ではダウン判定への追撃が0.66倍になっていたが、鉄拳3ではこの減算式は採用されていない。部位ダメージも相まって、ダウン判定への確定追撃は他のシリーズ作品と比べても重たい一撃を与えられる場面が多い。鉄拳3を特別な目線で嗜む上では意識しておきたい要素。

現行の鉄拳で、ジャスト技の目安的に扱われている青色の泡沫エフェクトは、元をただせばこの鉄拳3時代の気合い溜め時に発生していた同様のエフェクトに基いてると思われる。PS版鉄拳3の「TEKKEN FORCE」モード内に於いては、気合い溜めは簡易メガクラッシュ的な位置付けで用いる事が可能になっており、行使時に体力を10消費しつつ全方位に攻撃判定を有した緊急回避手段として機能する。

今や形骸化したと見なせるものという話では「ダウンダメージ」も鉄拳3当時は健在で(前作よりも緩和はしており、大胆にガン無視してもそこまで支障はない)、ダウンダメージが消化しきれてない状況ではRPボタンを連打しておくと自然消化よりも早く減らす事が出来る。

ダウンダメージ:ブラインドパラメーターで、ダウン移行状態から各種起き上がり動作に移行可能になるにはこのダメージを一旦ゼロにしてからでないと応じない。ダウンダメージは時間経過でも減るがRP連打を仕込む事でその時間の短縮が図れる。ダウンダメージ自体は地上や空中で技を喰らった際に溜まる他、投げ技は技毎に固有の数値が設定されている模様。こと投げ技のダウンダメージはRPボタン連打による回復が効果を成さない?

現行のヒートの仕様とはまた異なる形で、基板設定如何でガード時の削りダメージも実装可能だった。削れるダメージの計算式は気合い溜めの時と同様、文献上は1/16となっていたのだが、リアタイ当時にPS版のプラクティスで洗ってた限りではこの計算式に合致してない例もあったため、一応参考程度までに。

【投げ関連】

投げ抜け操作は通常投げが相手でもしっかり左右で分かれており、掴み手に準じた抜けコマンドを15F以内に押しておかないと投げ抜けは機能しない。投げ抜けモーションは現行鉄拳と比べるとシンプルかつ短時間で終了し、双方が正面向きで五分の状態からの仕切り直しとなる(WP抜けは抜けた側が6F有利)。鉄拳7時代までの、投げ相打ち時のモーションに近いかも。

側面投げの投げ抜けは以降のシリーズ作品と比べてかなりシビアで、受け付けはたったの5Fしかない。2D格ゲーの投げ抜けのように、投げられたのを画面上で見てから反応するというよりは前後の状況も踏まえた読みも伴っていないと中々難しい。

しゃがみ投げはキングのみが行使可能だったものの、残念な事に当時のキングのしゃがみ投げはRP→WPの両方入力によるファジー抜けが可能であり、前もって知っていれば二択が機能していなかった。

両オーガの残月(33RP+RK)は、正面投げとしては作品中唯一の投げ抜け不能扱い。しかも魔神拳(wsRP)クリーンヒットから地上コンボで掴む事も可能であり、本シリーズに於ける残月(Waning moon)の特別扱いぶりを語る上でも欠かせない光景のひとつ。鉄拳3当時のうっかり設定などでなく、続編でも仕様がそっくり踏襲されてた辺りもなかなか狂気じみている。

ゴン(PS版限定キャラ)に対してはあらゆる投げ掴みが成立せず、フラッシュマークが完全に届いていようともダウン投げも一切通じない。例外的に、ゴン同士の対戦であれば両者が互いを投げで掴む事は可能。

背を向けた状態から相手方向にレバーを倒して振り向く動作は、現行の鉄拳と比べてガード可能な時間になるまでの所要時間が長く(20F以上掛かる)、投げ掴みが被カウンター扱いではなかった仕様でもあった為、背を向けた状態から比較的安全に振り向く手段として投げ掴みで振り向くのも当時はそこそこ常套手段でもあった。

気合い溜め状態なら、相手のダウン状態に対してグランドスマッシュを当てた場合でも、相手が横転受け身かアナザーディメンション(トゥルーオーガ)を行使した場合であっても強引に派生投げで掴む事が可能。後者は投げが終わった後も相手の立ち位置座標が空中の高さまでずれた状態になる。初期のバージョンではこれよりも条件が緩かったため、トゥルーオーガ以外のキャラでも外見上の浮遊判定が実現していた。

※投げ抜けのシリーズ変遷はこちらの外部記事も一読推奨。
見てから投げ抜けを頑張る記事 - 土龍屋本舗:再

【返し技、さばき関連】

返し技返しが搭載されたのはこの鉄拳3からで、以降の作品でも踏襲されていたポールの崩拳の返しコマンドが9RP+RKなのも当初の頃より。

鉄拳3に限り、三島以外のキャラは右キック技で返し技返しが成功した際に13Fもの完全有利が取れる上、この時地上コンボで追撃が間に合うと見た目に反して背中方向への追撃となり、更には座標とのギャップも生じて画面上よりも少し遠い位置関係で追撃が成立した扱いになる。投げ技で掴むと掴んだ後の一連のモーションにも座標のズレが反映され続け、これが俗に「チキン投げ」と称されたテクニックである。

※命名の由来は、当時の返し技は成功時に「Chicken」という音声アナウンスが挿入されていた事に因る。

返し技で返せない技の法則は現行の肘・膝・肩・頭、みたいな条件に当て嵌まっている技ばかりに限らず、ハナから返せない設計になっている技も混じっている。一覧の掲載は文献からのまるまる転載と見分けがつかなくなるので流石に控えるが、跳躍を伴う技や攻撃モーション時に捻りが作用しているタイプのものが該当する傾向が見て取れる。直線的なモーションでも、ギガトンパンチのように取れないケースも含まれる。

一方で、例外的に投げ掴みなのに返し技で取れる技も混じっていた。これは該当技もごく少ないので具体例を出してしまうがニーナの首狩り投げとキングの横移動版リバースゴリースペシャルボム

上中段さばきの話は割愛。ロウのフェイクステップ技はキャラ別の項で多少触れている。

下段さばきは現行の「全キャラ、下段攻撃に合わせてレバー3入れ」ではなく、特定のキャラのみ1or2LP+LKないしRP+RKで専用の往なしモーションが出せて、そこに下段攻撃が来ればさばけるという形式。前作でアーマーキングが有していた固有技の下段さばきと比べても全体モーションが短く、短いなりにモーション中ほぼ全ての時間が受付時間になっている。

さばいた後の状況もバリエーションがあり、現行のような誰が何を捌いてもバウンドやトルネードで統一という形ではない。左右どちらの手足をさばくかで相手の軸がずれる方向がそもそも異なり、概ねパンチを捌くと16F、キックを捌くと26F有利の傾向はあるが、一部の技はパンチでも26F有利が取れたり、キックを捌いた後のモーションが軸をずらさずに尻餅(後の尻もちやられとは別)、腹ばい、うつ伏せ体勢を経由するパターンもある。それらの内部判定は概ねしゃがみ状態であり、有利フレーム内に上段判定の技で追撃を試みても基本的に命中しない。

先に触れたように、下段さばきのモーション自体が短いのでこれをしゃがみ移行操作の代行に充てたり(生でしゃがむよりは流石に所要フレームは長くつくが)、コンボの途中にスカりモーションを挟んで組み込む事も一応可能。シャオユウの背向け下段さばきなどは有意義な姿勢遷移としても十分認められる性能。

【やられ関連】

類似要素を分類して纏めきれず、一旦箇条書きにて乱雑に書き出したままのを掲載しておく。

  • 正面カウンターヒットと背面カウンターヒットで同じやられモーションが割り当てられてる技が多く、結果として倒れる方向や勢い(ベクトル)が不自然な技も当然含まれるが、本作および格ゲー黎明期の傾向として許容しておこう

  • 地上でカウンターヒットした後、次の技を当てるまでの間は向き修正が強めに作用する。よって、空中コンボでも始動技がノーマルヒットの時とカウンターヒットの時では技構成にもよるが進入角度が同一にならないし、浮かせた後に横移動して軸をずらす形式のコンボは相当に勝手が変わってくる。即ち、崩れやよろけ誘発技もノーマルヒットで可能なものとカウンターヒット必須のものでは相手の横を取る感覚がだいぶ食い違うのでそこも要注意

  • 上記の向き修正(向き補正)は作用中に少しだけヒットバックの発生を据え置く為、密着限定始動のコンボ等をこのギミックである程度置き換える使い方も可能

  • 以降の作品と比べ、所謂空斬ガード時の有利フレームが長くて内部処理も純粋扱いなため、地上コンボの入り口として機能するものが多い。先行入力で済み、追加の追撃も楽に足せるベアシザースが先ず優れるが、マッハパンチもトータルのダメージと難易度的には上々の性能。仁と平八の風神拳は熟練の技と見なせる域で、イーブンな評価は下し難い

  • 今の鉄拳でも表現として用いる「重量級」という区分は、この当時は浮かせ技等を当てた時のやられ方の違いなどにも反映されており、クマとジャック、両オーガは特定の技に対しては浮く高さが低くなったり、そもそも浮かなくなったりといった恩恵(時にはデメリット)が得られる

  • 喰らい判定のキャラ差分は現行の感覚と近めだが、ニーナがキング並の位置付けにあるのは大きな違い。エディも近年の作品よりも木偶キャラとして重要な位置付けになる(立ちポーズのジンガは軸合わせで面倒な要素になるが)。トゥルーオーガの被弾判定は鉄拳6当時のアザゼルにも決して引けを取らない

  • よろけダウン(後ずさりして、技如何ではレバー下でダウン選択可能なやられ区分)はこの時代だと硬直がさほど重くない右アッパーにも誘発技が多く含まれており、ダウン選択しようがしまいが結局追撃が確定する技も混じっている。倒れ込んだ瞬間は見た目に反して地上判定が続行しており、例えばジンで右アッパーを当てた後、ダウン選択の有無に拘らずクリーン奈落が地上コンボ扱いで確定するフレームもある(キング、オーガ相手推奨)

  • 前転、後転中のステータスは「ダウン判定」ではなく「空中判定」になっており、狙い撃ちされた際の被害は現行の作品よりも高くつく。実は鉄拳シリーズ全体でも、これらの動作がダウン判定なのは初代鉄拳と鉄拳7以降に限られており、相対的には空中判定扱いだった期間のほうが長い

  • 空中やられの特殊区分は「叩きつけ」しか存在せず、この時代にはきりもみ関連や吹き飛ばし関連、ストマックブローの類のやられも一切なし

  • 空中ヒットバックの係数は流石に現代の鉄拳よりもだいぶ強く、標準的なコンボは概ね空中5~6発までで終えざるを得ない形となる。後述するうつ伏せ空中やられは相対的に浮力が弱いが、そのぶん吹き飛び量は仰向けの汎用やられよりも少なめ

  • 空中の相手を仰向けからうつ伏せにひっくり返すには、現行と同様に浮かせた相手の側面から攻撃を当てるか、浮いてる相手の腰辺りに直に攻撃を当てる事で成立する。ただし鉄拳3の場合はうつ伏せ空中やられになった相手は地面落下時の横転受け身が取れなくなり、叩きつけ属性の技を喰らった際にも地面へ叩きつけず普通に浮かせ直す形に置き換わる。うつ伏せ空中やられは次の追撃で再び仰向けに戻るのが標準設計ながら、相手の高度等の条件次第でうつ伏せのまま浮き直す姿も取る。当時愛好家から称された「フライパンコンボ」という言い回しも、この仕様が元手になっているものと考えられる

  • PS版限定で、うつ伏せ空中やられ時に低空で叩きつけ判定の技を当てると、モーションが飛んで一瞬で少し上の高度まで戻ってから落下する姿になる場合がある。単に外見上のトラブルだけでなく、この現象を起こした時にしか成立しない空中繋ぎも実際あったりする(一時的にだが、横ベクトルが無視された扱いになってる為?)

  • 上記の「モーションが飛ぶ空中やられ」は、同じくPS版で予め一ラウンドの制限時間を無制限にしておくか、さもなくばプラクティスモードであれば、壁コンボ(16発目以降)でも似たような光景を生み出せる

  • トゥルーオーガは空中コンボ被弾時、うつ伏せ空中やられになってなければ1シーケンス中一度だけ空中制御を取る事が可能。ただし即時無敵判定になるとかではないため、空中制御がかえってマズい結果になる事も当然ある。PS版限定だがゴンも空中制御が行使可能でこちらはトゥルーオーガと違い回数の制約はなく、行使時の浮力も大きい為これを用いる事で回避できる追撃の範囲は決して馬鹿にならない

  • 裏疾風、鰓斬り、スウェー&スマッシュ等の「相手を浮かせた後、途中でうつ伏せ体勢に体を捻って落下する」タイプの浮かせ技は、鉄拳3に於いては追撃を一切入れずにそのまま地面に落としても相手は横転受け身を取る事が出来ない

  • 鉄拳3当時の起き上がりクロスチョップはポール&吉光のスプリングクロスチョップだけでなく、他のキャラの前転クロスチョップでもガードさせれば最低でも+11F取れる作りになっており、皆が平等に狙える要素のひとつだった。鉄拳8では起き上がりクロスチョップは綺麗さっぱり無くなってしまったが……

  • フラッシュジャブchからの追撃や吉光の地雷刃掘り起こし時など、一部の状況では拾い直しが成立した際のヒットバックが本来の設計よりも大きく鋭く作用する場面がある。以降の作品では有効だった無敵タックルch始動のコンボルートも、本作では最初の一発を当てた段階で大きく吹っ飛んでしまい、複数発構成の追撃が困難

【その他】

今となっては当然の仕様に昇華した先行入力も、現行の形に程近い姿となったのはこの鉄拳3から。前作鉄拳2まではステップイン/バックステップの頭2コマ分、投げコマンドの最後の1コマ分以外の入力ぐらいにしか適用されてなかったが、この鉄拳3でほぼ現在の鉄拳と同じ仕様に置き換わった。打撃技の先行入力受付は5Fで、最新作の鉄拳8と比べる分には若干だが短い。

走りからの固有技類は鉄拳3で備わってたものが前作鉄拳7までほぼそのまま踏襲されてたものも多かった。3歩分で出る投げ判定のタックル、4歩以上で出るショルダータックル(※鉄拳8はもう一声走る距離が必要になった)、ほかランチョップやダッシュスライディング、666入力のみでは発生条件を満たさない走りLKといったところも。

うつ伏せ起きからの、所謂韓国式と呼ばれていたwsLKやwsRKを起き上がり切るよりも前に発生させる技法は鉄拳3時点ではまだ行使不能。牽制キック命中時の自動後転はなく、普通にその場で起き上がる姿勢を取る。因みに、当時の牽制キックはキングのドラゴンスクリューで取られる判定を有していた。

現行で特殊下段になっているしゃがみパンチは鉄拳3時点で特殊中段であり、これ自体が先ず鉄拳3から新たに追加された区分。そのため、しゃがみパンチ以外の該当技はこの時点ではまだまだ僅かにとどまっている(白鷺初段、パラフーゾ、銅閃華など)。

業務用とPS版は全く同一のモデリングでは設計されていないため、いずれか片方でのみ成立する連係やコンボが存在する。これも単純に鉄拳3開発の落ち度とかではなく、当時の格ゲーでは割とありふれた話。こと鉄拳では続編のTTT1も業務用とPS2版とで、両対応していない戦術やコンボが依然として存在していた。

近年の鉄拳ではほぼ聞かれなくなったが、この時代は一部キャラは選択カラーで微妙に体型の作りが異なる場合があり、本作ではジュリアの1P/2Pがその問題に該当していた。こと本件に関しては業務用でもPS版でも平等に搭載されている。

今でこそ当たり前になってる、スライド入力コマンドの【】表記がこの時代のインストや文献にはまだ採用されておらず、エアファングやローリングライトキックのコマンド表記も単純にLKRK、RKLKなので今の感覚だとニュアンスを酌みにくい。

キャラ別

鉄拳3に参戦しているキャラのうち、鉄拳8にも本人か系譜の人物が存在しているケースのみ選択。

風間仁

※鉄拳3目線では、デビルジンもこちらに含むものとする

  • 鬼キャン(業務用限定)

  • 風神拳(6n23RP)はノーマル版だとカウンターヒット時に雷神拳のような放物線起動になってしまい、そこからの追撃は何も間に合わない。ノーマル版のノーマルヒット、最速版のカウンターヒットは普通に真上に浮く

  • ノーマル風神拳も、最速版と比較して発生が1F遅い+硬直が1F重い=都合2Fしか全体硬直が変わらず、攻撃力が30→25と安くなるのもヒットバック量の減少を考えるとこれはこれで十分に使い勝手が良い技となっている

  • ノーマル風神拳は攻撃判定中にRPかRKを二度以上押すと硬直時間が4F余分に重くなる作りになっており、返し技返しの仕込みをみだりに入れ込みすぎる事への牽制となっている

  • 風神ステップを長く伸ばしてから出す「最遅風神拳」はコマンド完成のタイミングから数えて発生13だが硬直は最速風神拳よりも更に2F軽くなる。こちらはノーマルヒットはもちろんカウンターヒットでも浮かない作り

  • 現行の鉄拳のような、低空やられをダッシュ最速風神拳で繰り返し拾い直していく刻み方はこの時点では難題(うつ伏せ空中判定のトゥルーオーガに対してなら、どうにか可能)。風神拳自体の攻撃力が高いためヒットバックも大きく、打点で見てもド低空を拾える程には厚みがない。当時は3風コンボですらそれなりに尊いとされたのもそのへんが理由となる

  • 羅刹門一発目(4n6RP)は親父である一八の魔神拳がベースになっており、ch時は回復不能やられで15F地上判定付

  • 初段chの羅刹門(4n6RPLP)は腹よろけが二発目ヒット時にも続行するが、こちらはよろけ回復可能。背面からchで当てた場合は二発目の命中効果が浮かせ技に置き換わる

  • 奈落払い(6n23RKRK)の2発目は踵落としモーションではなく螺旋幻魔脚(9RKRKRKRK)4発目と似た中段蹴り。この時代は仁自身も螺旋幻魔脚が出せる

  • 奈落払い初段(6n23RK)は最速目掛けて出した場合と、そうでない場合とで硬直や攻撃力に差があり拾える追撃も変わってくる。前者は頑張れば入力開始部分から20Fで発生。いずれも現行のものほどにはダウン攻撃としての安定感がない

  • 追い突き(wsRP)は現行の羅刹門・弐(4n6RPLP3RP)の3発目部分。同作吉光の右アッパー並に軽く、最速風神拳で浮かせた時よりも追撃のレパートリーは広い

  • 鬼風門(LPRPRK)は3発目の膝鋼の判定が発生する寸前ぐらいでLPを追加入力するとキャンセルして白鷺派生に移行。所謂ワンツー白鷺

  • 白鷺(LP+RK)は初段発生が12。本家の準がベースになっており4発目の中段蹴りも霞蹴り(RK)のモーションに近い

  • 3RPは固有技ではなく汎用右アッパーが割り当てられており、ノーマルヒット時は後方のけぞりを誘発。相手がダウン選択しなければ+30取れてダッシュ最速風神拳などが繋がる他、キングとオーガはダウン選択の有無に関係なく奈落払いが地上コンボで繋がるフレームもある

  • 鉄拳8に至っては縮小傾向がだいぶ顕著になった10連コンボだが、鉄拳3当時の仁は後の連撃五打(4RPRKRPLPRP)も含めてカウントすると計10ルート(!)も存在する。位置付けの重要性でここまで温度差が出る事になろうとは

リン・シャオユウ

  • 蕩肩(wsRP)がノーマルヒットでも浮く。溜め蕩肩はない

  • 擺歩(4WP)は左横方向のみで、2,3段階目の擺歩砕壁(擺歩WP)は瞬時に2ヒットする作りになっている

  • 弓歩盤肘(鳳凰WPなど)が早・遅・超遅の三段階に分かれている。現行の弓歩盤肘はこのうちの超遅に相当し、早はしゃがみ姿勢の相手を浮かせられず、遅だとしゃがみ相手にも対応、超遅で浮く高さが増すという棲み分け

  • 蒼空砲(wsRK)地上ヒット時の縦回転やられは受け身不能。里合腿で拾って虎尾脚に繋ぐところまで確定

  • 前壁加横架推掌(8WPRPLP)初段ch時3発目吹き飛びやられ化。chと関係なく、RP部分の入力タイミングによって、初段部分が3ヒットになったり、3ヒット扱いであるところの1,3発目部分だけが発生したりといった微々たる違いが生まれる

  • 双壁掌一発目(66WP)はカウンターヒット時に攻撃判定が2発に増え、この初段部分だけ当たった場合は後方のけぞりやられを誘発

  • 掃腿背身撃(FC2LKRPLPRK)は初段chで4発目の虎尾脚まで連続ヒットし、3発で止めた場合も+8取れるのでそこから雀連砲に繋ぐ地上コンボも可能

  • 挑発2に攻撃判定有

  • 鳳凰RKは発生20攻撃力23の中段蹴り。技名も見たまんまで「中段蹴り」

  • 左さばき(4LP)の右手版に相当する、右さばき(4RP)がある。発生とフレームは一緒

  • 雀連砲(LP2RP)は背向け選択がなく、常に正面向き帰着

  • 里合腿(66LK)ch時は相手横向きで+12の状況となり、背向けLKがほぼ確定

  • 浮身謄腿(66RK)ch時は+13。背中からでも同じなのでこの場合は背後投げがそのまま繋がる

  • 鳳凰旋脚(鳳凰9nLK)に鳳凰派生帰着がなく、現行と比べてだいぶ使い勝手が悪い

ファラン

  • エアファング([LKRK])が現行のものより重い。そのぶん攻撃力が15,28とだいぶ高め

  • 右構えからの基本投げは発生が18と遅く設定されている

  • 4RPで「ハイバックブロー」。当時の三島が持ってた右裏拳準拠で、師匠ペクからの踏襲扱い

  • 右半月蹴り(4RK)、業務用はこれと投げ掴みが相打ちしつつK.O.になると……

  • 3RPの汎用右アッパーはノーマルヒットでは浮かず、後方のけぞりを誘発。相手がダウン選択しなければバズーカーキックが繋がり、中距離ヒットになる関係でこの後は相手の背面を取れつつ+8以上の状況となる

  • 3RPが素直に浮かない設計の為、当時は6n23のステップ経由で立ち途中右アッパーを始動技にする立ち回りもよく見られた

  • ラウンドキック(RPRKなど)にクリーンヒット判定が備わっており、RPchのパンチラウンドキックは部位ダメージが絡むとこれだけで半分取れる事もあった

  • カットバック(右構え66RKLK)2発目はガード時+14、セットアップ(右構え6LK)が確定。当時のセットアップは攻撃力25で部位ダメージも伴いやすく、侮れないネタではあった

  • 1RKは現行のカットローではなく「前足刈り」。chで+12。背後chも同様なのでこの時は背後投げ確定

  • 1RKRKはクイックラウンドキックではなく、前足刈りを途中でキャンセルして踵落としに移行する「フェイント踵落とし」が出る

  • 両フラミンゴのジャブはchで+14取れるが、実はこの時代だと右構えRPchのほうが更に有利フレが取れて+15

  • ライジングブレード(6n23RK)はノーマル版のみ。最速版は先ず続編TTTでペクが「最速ウイングブレード」を引っ提げて(?)参戦しており、そこを経てからファランも後追いする形

  • ライトサイドキック(RF中RK)はカウンターヒットで前方に倒れ込むよろけを誘発。シンプルにローリングライトキックを当てるだけでも例によって半分

フォレスト・ロウ

  • 現行のアイデンティティであるチャージドラゴンはこの時点では未実装

  • ドラゴンストームは4LPRPLPコマンド。初段chで繋がり三発目で高く浮く

  • ドラゴンバックブロー(BTLPなど)はLPでもRPでも出せて相手背向けやられの+18。色々繋がる

  • RP6RPRPルートのナックルコンボはヒットしてても3発目をしゃがみガード操作で回避可能

  • 2RPLKは「シットストレートレフトサマー」。ここも数多の派生サマーの仲間扱いだった。硬直は他のものよりやや短いが、代わりに立ち帰着なので反撃技如何では一概にメリットとも言い切れないか

  • 236LPRKでフラッシュPK。見た目は生LP~生RKの繋ぎで、RKはドラゴンサマーやスピンキックコンボにも派生可能。カウンターヒット時はダウンを奪える

  • オーバーヘッドキック(1WKなど)の攻撃回数が三回。判定さえ届けば蹴り上がりの部分は瞬時に2ヒット

  • トラップライトブロー(フェイクステップ成立後RP)が+22、ちょいステップインしてからのハイキックライトサマー(LKRK)が一応最適解とされた。トラップライトローキック(フェイクステップ成立後RK)も+19だがこちらは当時だと4RPぐらいが精一杯

  • 目突き(気合い溜め中にLP)は気合い溜めルートの出し方しか存在しないが、故に必ずch扱いで+11。RKLKが繋がる

ポール・フェニックス

  • ウィークポイントとしての設定なのか、横移動の性能が相対的にかなり悪い

  • 9RKは他のキャラなら背向けジャンプRKが出るぐらいの角度になっていても背を向けたまま出てしまいがち

  • 卍党の文献では9LKを「左天脚」、9RKを「右天脚」と表記する傾向があったが、ナムコ公認の正式名称であるかは際どいところ。9LKRKが「双飛天脚」なので確かに妥当性はあるのだが。それ以前のソフトバンク刊行の文献では「飛天脚」表記もある

  • クイックPDKコンボ(6RP2LK)は初段ガード時2発目ヒット確定。下段蹴りの攻撃力が17もあるので中々嫌らしいが、喰らった側が+12取れる程の硬直なので基本はトドメ用途

  • 裏疾風(236LP)はch時に相手が浮かず、回復可能よろけとなるので実質的にchだと効果が弱体化とも取れる。236+LPがジャスト入力だと出ない

  • あびせ蹴り(66RK)はしゃがみヒット時のみダウンを奪える

  • 鉞打ち(6WP)はしゃがみヒット時+13。6RKを地上コンボで繋げれば部位ダメージ込みにより二発でほぼ半分

  • 瓦割り落葉(2LPRKRP)の二発目発生が現行のものよりだいぶ遅く、崩拳派生との見分けは容易

  • 飄瓦(214nLP)のモーションがほぼ瓦割り準拠でフレームも瓦と大差なし=強い

  • 旋桜(214LKRP)は技名の「桜」が元々葉桜(FC3RP)からの由来なので、2発目はほぼ葉桜と同等の性能。派生LPも左手崩拳を出し、派生RPは鉄騎を出す技構成

キング

  • エルボーフック(3LPRP)未実装。結構古くからある技だが鉄拳3時点ではまだ

  • エルボースマッシュ(3LP)しゃがみヒットで+14。3LK確定で部位ダメージも付きやすい

  • ライトストレート+レフトアッパー(RPLP)がヒット時+14。地上コンボ色々繋がる

  • 6入れRPLPはそのまま10連コンボへ派生可能。本来のRPLPと比べるとフレームはイマイチ

  • 6RPLPを背面側から当てると、あまり該当技が思い付かない珍しい飛びこみやられを起こす

  • アローストレートchで地上判定付きの回復不能よろけ

  • グランドスマッシュchのよろけも回復不能で地上判定付。トータルの与ダメージで比較する分には派生投げの選択は完全に趣味の粋か

  • ナックルボム(9WP)はその場ダウンでなく汎用吹っ飛び。コンボ始動技には成らず

  • 66RPでスマッシュアッパー。現行のスピニングスマッシュの発祥元

  • ドロップキック(66WK)が中段判定。打点が高い為実感を得ないが

  • サテライトドロップキック(666WK)は上段判定、と文献には記載されているがこっちは疑似上段だったような……

  • ガード崩し(66nWP)はこの当時だと、相手が空中判定の時は化けて出せなかった憶え。記憶の誤りかもだが

  • レッグラリアット(ssWK)の攻撃力が60。ガード不能技以外では鉄拳3では最大クラス

ニーナ・ウィリアムズ

  • 「ジェイルクラッシュ」「セメタリークラッシュ」はワンツーからシットスピンキックへの派生ルート。LPを省いたり3LP始動への置き換えも可能

  • 3LPはノーマルヒットでも+10取れる性能を誇り、確定でLPやらRKやらと言ってる場合ですらない圧力

  • ディバインキャノンのコマンドが1WKだけではなく、前作準拠の21LKでも出せる。RKが効かない時でも突破可能!

  • 66RPで「鰓速突き」、66RPホールドで「鰓突き」。文献によって判定が中段だったり上段だったりと表記揺れが見受けられるが、相手がしゃがみ前進中だと命中する特殊な中段という扱いだった

  • 66LPで「首刈り打ち」。こちらは完全な上段で鰓突きよりも発生が遅く、命中時のリターンもいまひとつ

  • ファールキック(66LK)とニールキック(66RK)は掌握ステップからボタン押しのみでも出せる。発生タイミングは236経由のほうが遅め

  • リフトショット(ssRP)は側面ヒットだと鰓斬りと同様の命中効果で浮き、正面ヒットの場合はch時のみ汎用の浮かせモーションにて浮くという違いがある。背面に当てた際のやられモーションは汎用ガード姿勢のそれが充当されており、流石に外見上の不自然さは否めず

  • クリークアタック&ライトハイキック(3LKRPRK)は発生14の初段サイドキックが当たれば最後まで連続ヒットでダウンも奪える高性能連係。ヒット確認もラク

  • サイドステップスタッブ(1RP)はクリーンヒットで回復不能よろけ誘発。地上判定付

  • エンプレスヒール(相手ダウン時2WK)は側面から狙う場合、相手にギリギリ届いてない距離でもグリグリモーションに派生してしまう事があり、もちろん甚大な隙を生む結果となる

  • 業務用稼働当時は、ライトローキック&バックスピンチョップ(2RKLP)が大変な猛威を振るっていた覚えがあるものの、今のものと比較してどのあたりが顕著に尖っていたのかがすんなり思い出せない。キャンセル横移動が軽かったような気はする

吉光

  • 最新作の鉄拳8では多くの斬撃技がガード不能判定ではなくなったが、この当時は斬哭剣(1LP)も吉光ブレード(4LP+RK)も堂々ガード不能判定

  • 鉄拳3時点では無刀ノ極、卍蜻蛉、金打の構えは未実装

  • 草薙砲(66WKWPWK)の攻撃力配分が40,40,30とかなり高め。その代わり、初段chでも二発目は繋がらない

  • 卍葛(4LPLP...)は回転数が増えても攻撃力は一定のまま

  • 卍菊(1RPRP...)は回転数が増えると攻撃力が徐々に増す。卍葛とセットで、現行とは逆

  • 吹雪(66RK)は前作で州光が行使してたタイプに基いており、発生が7+1と非常に早い。出始めの部分はLKを追加入力する事で少し身体を浮かせたからの日向砲キャンセルという形を取る

  • 稲妻(LKRK)の二発目は鋭い突き蹴りで、こちらも現行の吹雪には準拠していない

  • 三散華(RKRKRK)は6入れで出しても発生は据え置きの14で、ch時は相手がダウンするようになる。逆に言えば、生RKはchでもダウンを奪えずリーチも多少ながら短い

  • 露払い(FC3LK)は現行での露薙払いに相当し、FC3RKはただのしゃがみ前進ローキック

  • 華輪(4WK)は入力ボタンでの移動方向使い分けがなく、常に左方向

  • 無想は横移動中にしか出せない。剣を振る動作が4回を越えると一転して体力が減り始めてしまう他、当時は無想モーション中に1Fだけレバー後ろ入れで瞬時にその場背向け帰着も可能だった

  • 鬼薊(3LPLPLPLP)は現行の立ち途中ではなく、この時代は立ちから直に出せる

  • 卍裏拳・壱(6RP)はヒット時相手向き反転で+17。近ければ卍葛1~風塵が繋がる。3RPが安定選択肢

  • 黄泉駆け(66RP)はカウンターヒット時のみ、今で云う黄泉駆け抜けへの派生となり追加コマンド式ではない

  • 弾割り(66LKLP)は今のものよりも命中間隔は長いが、二発目がしっかりガード不能判定なので相手としては気が抜けない。初段が部位ダメージを取りやすく、トータルの攻撃力も案外高め

  • 日向砲([RKLK])からの追撃は、ノーマルヒット時なら真下から吉光ブレードを当てて裏返し、そこに鋼閃華か鬼薊で追撃する構成がダメージ状況共に良好。鉄拳3時代の吉光といえばコレである

  • 連獄剣(1LP,1ホールド)は最大まで溜めても攻撃力107止まり。一撃死までは上昇しない

  • 卍血桜(不憂後4LPLPLPLPLP)は当時完全にネタ技扱いで、攻撃力は3,3,3,3,3しかない

  • 毒霧(4WP~LP他)の判定が純粋な「ガード不能」表記。鉄拳3当時はしゃがみ回避は無理だった

  • 御霊削りor返しは純粋な正面向きから出す方法はなく、オフィシャルなコマンドは「忍法陽炎・裏中または無想中にLP+RK」。アンオフィシャルなコマンドとして、「背を向けて4~RP+LK」でも出せる

  • 地雷走り(地雷刃中66)は地雷猛馬を経由する形ではなく、地雷刃から直に出る。攻撃回数は計3発で初段ヒットでもダウンを奪え、地雷刃に帰着せず立ち状態へと戻る

  • 吉光ブレード(4LP+RK)は今よりも前方の判定がだいぶ弱いが、発生は4だか5だかで攻撃力が35と当時なりの強みも十分。追撃は再度吉光ブレードを当てるだけのシンプルなものでも半分程度の減りに達する(部位ダメージが上手く絡む為)

  • 公式技表からの記載は漏れていたが、従来の汎用アホキックからモーションが一新された3RKのミドルキックが主役級の性能を誇っていた時代である。発生は今と同様の12だがとにかくリーチと判定が鬼で、上手い事部位ダメージが絡む当たり方にもなりやすかった為、当時のゲーメスト誌でもこの技ばかりを乱用する吉光使いを「猿」呼ばわりして警鐘を鳴らしてた(?)号もあった程である

クマ&パンダ

  • ベアヘブンキャノン(6LPLPLP)はこの時代だと3発目は純粋な浮かせ技。元々はミシェールの通天砲準拠

  • RPLP、所謂ストエルの攻撃力が以降の作品と比べるとだいぶ高めの12,21。ただし6入れで出してしまうとノーマル連続ではなくなる上に発生が10→12で攻撃力も低くなるので入力にはある程度の慎重さも求められる

  • 6LPchが+12、6RPchが+10、これらからストエルに繋ぐのが常套

  • 熊空斬脚(666LK)はガードさせて+17取れるスラッシュキックの中では特にリーチが短いが、そのぶん追撃候補となるベアシザース(6WP)は大安定で届いてダウン+確定追撃(熊鬼神拳推奨だが、ベアナックルでも可)まで取れるので、その観点で見れば相対的には高性能の側と取れる。木人クマパンの時はシザースからの追撃に支障が出るが、代わりにベアナックル~ダブルハンマーがしっかり2発当たりやすくなるのでそちらで置き換え。空斬脚自体は木人クマパンのほうが遥かに判定が向上するので、差し引きゼロかそれ以上という考えでもいいと思う

  • チアフルボールアップ(63214n6WP)はこの当時も簡略コマンドが存在し、卍党の後発文献などはもう最初からそっちのコマンドのみで掲載してしまっていた程→214n6WP

  • 本作から登場した熊鬼神拳(66RP)は、この時点では相手の押し合いに対して非常に押し負けやすく、棒立ちの相手には目一杯66入力を引っ張っても当たらない場合もしばしば。木人クマパンの時はある程度解消する

  • ポリコレも遥かに縁遠かった時代でもあり、打倒ポールの代名詞である紅返し(44RP+WK)が堂々採用されたのがこの鉄拳3。攻撃力は業務用ハンデ+2設定なら空中ヒットでも一発KOに届く200

  • 9RKも打倒ポールを意識してか、鉄拳3当時は汎用のライジングトーキックが割り当てられているが肝心のリーチのほうは御察し。これに関しても木人クマパンの場合は大きく勝手が変わり、一転して有意義な始動技と見なせる

  • デッドリーステップ(相手ダウン中2RK)は相手のダウン判定に出した場合、一発目ヒット後の二発目も悶えやられを継続して誘発するのでトータルのダメージは凄まじい。この頃は2RKというシンプルなコマンドで出てしまう為、暴発への注意も必要だった(背を向けた直後の追加入力によるキャンセルはこの時代でも機能する)

  • ヒッププレス(9WK)も、この頃はダウン判定ヒット時に汎用よりやや行動不能時間の長い特殊やられを誘発できていた。ただしヒッププレスが当たった場合にはブラッドファンに移行できない、という別の問題もあった

  • ワイルドスイングの4発目はヒット時相手向き反転で+14、ガードされても+21の性能を誇るが、技設計的になかなか実戦では狙いにくい。ワイルドスイング3発目ヒット時の倒れ込むダウンは、ダウン判定に移行する寸前に地上判定の時間があるため重量級かつ背面方向からならそこを3RPで地上コンボにする事も可能

ガン・ジャック

  • メガトンストライク(FC2LPRP)は空中コンボで扱おうとすると、初段で叩きつけになってしまいがち。前作の鉄拳2では性能の高いコンボ追撃だったが、こと鉄拳3では追撃用途での信頼は預け切れない。木人ガンジャックの際は概ね叩きつけずに命中するようになる

  • ライトニングハンド(3RP+LK)は巌竜の雷張り手をモチーフにした技。鉄拳3のジャックの名に「ガン」が付与されてるのは、大いに巌竜要素が介在している事にも基いているのを意識してほしい。チェルノ(FCWP)やストンピングクエイク(2RK)、ジゾークラッシュ(LP+LK)やジョーブレーカー(66RP+LK)も巌竜由来である

  • クマパンと同様、ジャックのストエル(RPLP)も攻撃力が12,21と当時は大きめの設定値

  • クマパンと同様、ジャックのヒッププレス(9WK)もこの時代だとヒット時にはブラッドファンへの移行が不能扱いだった

  • パワーシザース(6WP)を空中で当てた際の属性が「叩きつけ」になっているため、仰向けコンボでの刻みでは派生のメガトンパンチは基本的に命中しない。メルトダウン派生のほうは重量級キャラへの空中コンボで有効となる

  • パワーシザースが発生した直後にシザースメガトン(6WP3RP)のコマンドを追加入力すると、パワーシザースの後に一発目の威力が高い状態に化けたメガトンストライクへと無理矢理派生するネタがあった、らしい(俗称シザースメガトンストライク)。PS版では再現できず、PS2版鉄拳5では確認作業自体を怠ったので実物がどんな挙動か知らない

  • ギガトンパンチ(41236LP)の一回転目はガードさせれば+21。ただし前作と違い姿勢変更が取れる扱い

  • ワイルドスイングの4発目はヒット時相手向き反転で+14、ガードされても+21の性能を誇るが、技設計的になかなか実戦では狙いにくい

ブライアン・フューリー

  • この頃は登場したばかりという事もあり、まだブルースの影がだいぶ強めの技設定

  • 今やブライアンの代名詞にも等しい挑発(LP+WK)は、この当時はガード不能ではなく中段判定で、文献によっては技名も「フェイントニー」として扱われていた。ヒット時の有利は+19で今よりも長く、挑発から挑発へ直接キャンセルする操作も受け付けていた

  • マッハパンチ(66RP)は当時の文献ではガードされても軽いとの論調も強めだったが、距離こそ離れるものの決して硬直差的には軽いとも言えない-20。それでも当時はヒット時の後転受け身がシステム上存在してないためダッシュからのスネークエッジが確定となり、これ自体もスネークスラッシュガードの+17から積極的に狙える代物なのでリターンは現行のそれよりも大きいと見なせる

  • スナイパーソバット(9LK)の全体フレームは鉄拳8のものよりも僅かに重いが、攻撃力は25が設定されており刻み技としては当時も十分に高性能。ちなみに前作鉄拳7の頃が特に全体フレームが軽く設計されていた

  • スネークエッジ(3LK)はこの時点だとクリーンヒット判定付の技で、結構至近で出さないと派手な足払いダウンを奪えなかった。それでもガード時は-22としっかり重めであり、立ち合いでの出番は始動技としてよりも確定追撃のほうが優位だったかも

  • アトミックブロー(wsRP正面立ちヒット時4RP)は投げ属性としての扱いが基準だったためか、技後の先行入力が効かず追撃を安定させるには一定の慣れが必要だった。そのぶん、順当にスラッシュコンビネーションB(4RPLPRK)を決め切ればそれだけで7割コンボが成立していた程

  • ニークラッシュ(wsLK)は全体フレームで見れば四半世紀経った今でも据え置かれてるが、これ自体の威力が22と大きめの設定だった関係もあって、これを空コンの初段で当てた場合でも以降の繋ぎはなかなか安定しにくかった。地上ch時のよろけは回復可能だったものの、展開の早さもあり最速気味のデスメッセンジャー(FC323WP)はよろけ回復をこなしてても回避が難しかった(よろけ回復をしてなくても結果的に投げ掴みが成立する両対応連係)

  • スウェー&スマッシュは現行の中段ブローではなく上段判定の浮かせ技。打点が高い為この技自体を空中コンボで当てるのは、発生の早さの割には案外難しい

  • スウェーはRPホールドのWP入力でショートアッパー(wsWP)も出す事が可能だったのだが(但しシビア)、これを活かしたリフトアッパー~スウェキャンショートアッパー~スライサーのコンボは一部界隈では評判の男前コンボとして存在感を放っていた

  • 前述ショートアッパーは発生10Fだが、11F目が当たった場合は+8でLPRKが地上コンボで繋がるようになる

  • 横移動からの固有技はLPがデビルクロー、RPがサイドハンマー、【LPRP】がファントムクローと見事にどれも現存していない。デビルクローは威力が33とこれ自体もそれなりに取れる上、左横移動から出せばレフトローキック(2LK)で追撃した際に相手が裏返ってうつ伏せやられになりやすく、スネークエッジでのダウン確定で整えれば一応総ダメージで7割弱ぐらいは取れるので悪くはない性能。ファントムクローはch時に回復可能よろけを誘発し、上段デビルクローをしゃがんで反撃を試みる相手の癖に対する選択肢にはなる

  • 鉄拳3当時のブライアンの目玉、スラッシュコンビネーションB(4RPLPRK)はとにかく与ダメの大きさが魅力。元々の攻撃値設定も21,21,26と贅沢な数字であり、1,2発目は部位ダメージも伴いやすい攻撃判定。初段カウンター時の2発止め~スラッシュBの超シンプルな追撃は現行のブライアンで同じことをした場合では到底考えられない火力を誇示し、めでたく次回作では一気に攻撃力が下方修正されてしまった(笑)

  • フライングニールキック(44RK)は解禁当初からビッタビタに地表まで達する攻撃判定ながら、なぜか攻撃判定が「上段」扱いになっていたため平時のダウン追撃ではその機能を果たせなかった。立ち合いで徐に出す分の使い勝手は決して悪くなかった


エディ・ゴルド
まだ参戦前なので保留

レイ・ウーロン

ジュリア・チャン

三島平八
麗奈が間接的な踏襲者と見なせるものの、操作体系には食い違いも多く一旦作業は保留扱いにしておく

オーガ、トゥルーオーガ

木人

アンナ・ウィリアムズ

ゴン

ドクター・ボスコノビッチ

鉄拳衆
イレギュラー度が強め。万が一今後鉄拳8にプレイアブルで出てきたとしてもココを書き足すかは微妙なライン

令和の世で鉄拳3を嗜む方法

2024年3月時点、家の中で鉄拳3を嗜む手段としてはホンモノの業務用筐体を購入するという大袈裟な方法以外だと、一番現実的かつ原作に忠実なのはPS2版鉄拳5に収録されている「アーケードヒストリー」モード内の鉄拳3。ただしこれはPS2本体の型番が"SCPH-75000"の場合に限り、起動に支障が出る不具合が当時公式にも発表されていたのでその点は注意されたし。業務用ベースなのでトレモ機能なども未搭載。

次点でPS1版の鉄拳3。次点というか、記事中でも触れたように鉄拳3はAC版とPS版でそこそこ差分があるのと、このPS1版もこれはこれで国内販売だけでもミリオンセラーを達成している実績もあるため、一概に原作に忠実であるものを選択するのが大正解とも言い切れず、これこそを本命視できるプレイヤーも相当数いるものと思われる。当時の出荷本数も多く、中古のレトロゲームを扱ってる店ならまだ入手はそう難しくない領域。

ほか、PlayStation Classic(所謂「プレステミニ」)にもPS版鉄拳3が収録されてはいるが、コレ専用のUSBコントローラーの遅延が大きい&画質の問題も相まってか、当時賑わったコンパクト化復刻ゲーム機の中ではユーザーの評判が極めてネガティブな代物なので、近場ですんなり確保できたとかHDMIでカンタンに繋げたい等の理由が勝らない限りは推奨優先順は低くせざるを得ない。

参考文献

  • ソフトバンク(株)刊 『TEKKEN3, THE MASTER'S GUIDE』

  • ソフトバンク(株)刊 『SOFT BANK MOOK 鉄拳3 ザ・マスターズ』

  • ソフトバンク(株)刊 『THE PLAYSTATION MOOK 鉄拳3 ザ・マスターズ2nd.』

  • (株)新声社刊 『GAMESTMOOK Vol.84 TEKKEN3 ACT.2』

  • (株)新声社刊 『GAMESTMOOK Vol.97 TEKKEN3 ACT.3』

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