2024年7月17日の感想戦


1. 空白

眠くない。布団の上で目線だけを動かして刻一刻と変わる光を見ている。ノリノリの曲を流していながら音に対しては頭が回っていない。枕に頭を置いてパスタを消化している。眠くない。まだ眠くない。

2. 自己循環するおもてなし

2人がぎりぎり入るほどの小さな部屋にいた。
真ん中にある机は真っ白で幾何学的で無機質で、触る気にはならなかったので、僕は椅子を引いて少し離れて座った。上が空っぽの机は、硬いのかふにふになのか見た目では判断できなかった。

向かい側に座っている占い師が先に口を開いた。
「あなたは子どもですか」
感情を入れずに、聞かれた質問にそのまま答えるよう努力した。
「成人したので大人という判定をもらっています。」
「しかしあなたはお酒が飲めない」
確かにそうだ、大人を構成する要素にお酒は含まれている。お酒を構成する要素に大人が入っているほどだ。
また、僕は子どもの頃の僕とも比べて、何も変わってない点について考えを広げ並べた。性格、住所、名前……
「僕は子ども、確かにそうかもしれません」
頑なに否定する理由はなかったし、子どもである可能性を捨てきれなかった。
占い師は納得したような表情で質問を続けた。
「あなたはねこですか」
僕はねこと違うところを思い浮かべた。大きさ、肉球、名前……
「ねこではないです」
占い師は用意していたかのように流暢に言葉を発した。
「ずるいですね」
「そうかもしれません」
僕が特に反論しなかったからか、沈黙の時間が続いた。

………
………
………

体感が長かっただけでなく実際に1時間半経っていたのは、何より部屋の横壁にかけてあった世界地図が根拠になる。気まずくなって席を離れようとした僕を引き止めるように、占い師はこう言った。
「占いを売らない?」

こうして君は読み進めるのを躊躇した。

3. フリー

ああ、辛かっただろう!向かい風に空気抵抗を感じるし、空気を強く読んだような流れていく文章はありふれている。決まり切った流れを持っているから知ることができるが、誰も反重力でない。
ラベリングによってはかろうじてまとまった文章として存在を保っているが、これら全ては元来バラバラだったのだ。単語が前後複数の単語に対して互いにラベリングしていて、それらにまとめて名前をつける存在も現れる。
必死に繋ぎ止めて完成したものを見れば、小綺麗な印象はあるものの値札がないから価値が分からない。おそらく、デザインを見た目だけのものだと思っていたことで解釈の間違えたものを作り上げたのだろう。

しかしこれらのことを考慮しても、あの部屋は窮屈で居心地が悪かった。結局占い師の最後の発言の後、僕はすぐに壁に腰掛けて外に出た。
その後逃げるように入った次の部屋は十分に広かったが、会話ができないほどハウリングがひどく気まずかったのでここでは省略する。
実際数分いただけでも気分が悪くなったので近づく場合は注意したほうがいい。

4. 振り出しに戻るインデント

眠くない。そろそろ閉じるまぶたに反比例して浮かんでは消えるうらめしい脳内のおばけを集めて早し最上川

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