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青梅市立吉川英治記念館に行ってきました

皆さんこんにちは。比文一年の棗です。本日12月9日のアドベントカレンダーを担当させていただきます。

突然ですが、私の趣味は文学館巡りです。幸いにも関東圏に住む権利を得たため、興味のある展示があればPASMO片手に関東圏の色んなところに出没しています。本日はそのなかでも夏休みに青梅市立吉川英治記念館に行ったときの話をしようかと思います。
去る9月3日、私は中央線快速青梅行に乗って二俣尾駅に行ってきました。
早速話は脱線しますが、実は8月に一度二俣尾駅に行こうとしたんですよね。そしたらうっかり間違えて二俣川駅(神奈川県)に行ってしまって……。二俣尾駅に着いた後に「ここから青梅市立吉川英治記念館まで」ってググったときに所要時間2時間と出たときの絶望感といったらなかったですよね。そういうときに限って所持金はギリギリしか持ってないんですよ。帰ってこられて良かったです。
さて、電車から降りたときに私が撮った写真がこちら。


……ここホントに東京!?
いや、東海の某雪なし県からやってきた私の中の東京のイメージって、もっとこうビル! 人! デデン! 的な感じだったので、東京にこんな自然豊かなところってあったんだ……というのが正直な感想でした。
そんな感じで陸橋を降りて改札を出てトコトコと記念館へと向かいました。その途中で撮ったのがこちらの写真。


まさに夏だぜ。うぇい。
そういうわけで着きました、青梅市立吉川英治記念館。ほとんど道なりに行くだけだったのでかなり行きやすかったです。


青梅市立吉川英治記念館は『宮本武蔵』『私本太平記』などを執筆した文豪・吉川英治が実際に暮らした場所に建てられました。公式サイトによると、この記念館は昭和52年から吉川英治国民文化振興会によって運営されていましたが、令和2年4月に青梅市に寄付され、 同年9月7日に市の施設としてオープンしたそうです(参照元:https://ome-yoshikawaeiji.net/about.html )。
さて、今回私が青梅市立吉川英治記念館に言った理由は見たい展示があったからです。2023年7月8日から9月24日にかけて行われていた「夏季展示『吉川英治と市所蔵の文豪たち~青梅市吉川英治記念館×文豪とアルケミストPARTⅢ~』」。展示名からも分かるように今回の展示はDMM GAMESの人気ゲーム「文豪とアルケミスト」とのタイアップでした。2日に投稿した文章にも書いたんですが私文アル大好きなんですよ。そりゃあもう行くしかないじゃないですか。せっかく比較的近くに住んでるわけだし。本当にありがたいことです。

先ほどの写真に挙げた門をくぐり、入館チケットを購入したら早速入館。公式サイトにも地図が掲載されているようにメインの展示室の他にも英治が暮らしていた母屋や洋館などがあり、史料のみならず建物からも英治を感じられる造りになっています。
緑豊かな道を歩き大自然のエネルギーをたっぷり浴びながら展示室へ。展示室に入ると英治の似顔絵がありました。笑顔が素敵でした。


こちらは文アルタイアップ企画として置かれていた文アル登場文豪としての直木三十五、吉川英治、中里介山のパネルです。今回は英治を始めこの文豪たちがメインになっていました。介山は近隣にゆかりの地があったためそちらともタッグを組んだ企画をやっていたようです。私は体力と時間の都合でそちらまで回れませんでした……。

展示室のなかには英治の著作や直筆原稿、書簡や遺愛品などがショーケースにずらりと並んでいました。知らなかった英治の作品、知らなかった英治の小説原作の作品がたくさんありました。個人的には「刀剣乱舞」も好きなので『菊一文字』が気になりましたね……。年明けて余裕が出来たら読みたいです。また展示室中ほどの壁には『宮本武蔵』を原作とした漫画『バガボンド』の作者・井上雄彦の描いた宮本武蔵の絵が飾ってありました。
文アルとのタイアップ展示は展示室の奥のほうにありました。文アル内の直木と英治の宮本武蔵論争を基にした回想のテキスト、文アル実装作家との英治の書簡などが展示されていました。英治の人となりが知れる良い展示でした。

展示室近くで一休みし、次に向かったのは母屋。母屋内は写真撮影が自由だったのでたくさん写真を撮らせていただきました。


こちらは英治の書斎です。展示の説明によれば『新・平家物語』もここで生まれたそう。この写真には写っていないのですが、この写真の撮影者の右手後ろには本棚もあり、夏風と程よい明るさも相まってとても居心地の良い書斎でした。


こちらは母屋の入り口横にあった縁側です。上のところに風鈴がつけてあるんですが、風鈴の音が耳に心地よく、周囲の緑と共にここにいるだけで癒されました。この縁側に座ってキンキンに冷えた緑茶でも飲んだら絶対に良い気分なんだろうなぁ。


その他にも居間や裏庭など英治たちの生活していた空気感がそのまま令和の今まで伝わっているような空間がたくさんありました。特に居間は流しや黒電話、椅子やテーブルなどがあり、今まさに英治一家がここに帰って来そうな雰囲気がありました。
また母屋の奥には英治の著作や関連本が読めるスペースがあり、休憩がてら少し読書させていただきました。文アル回想のテキストを見た後だったこともあり、英治の回想録のうち直木との宮本武蔵論争のところを読んだんですが、実際に英治が生きた空間にいながら英治が自らの想い出を書き残した文章を読むことがあまりにも贅沢で貴重で忘れがたい経験になりました。あと夏風に撫でられながらの読書は最高。


こちらは特典の栞です。本当に楽しかったです。青梅市立吉川英治記念館さん、本当にありがとうございました。また行きたいです。
さて、このように記念館にはその人物ゆかりの地に建てられたもの、その人物の旧家につくられたものも数多くあります。そのような記念館の良いところはその人物たちが生きた軌跡や空気感をダイレクトに浴びられることですね。あの人はここで生きて、この道を歩いて、今日みたいな天気の日はこんな日差しを受けていたのだなぁと。またその土地やその人物の新たな一面を知ることが出来るということも聖地巡礼旅の醍醐味でしょうか。皆さんも好きな人物が出来たら是非ともその人のゆかりの地を巡る旅に出てみてはいかがでしょうか。
私も期末が終わったらまた旅に出たいですね。出来れば小樽とか青森にも行ってみたいけど流石にそれは春になってからかな……。


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