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漫画だから伝わること② 明日、私は誰かのカノジョ

こんばんは。昨日は尾石さんの配信から漫画の持つ「物語の力」を着想し、『ハコヅメ』という警察官の漫画を紹介しました。
今日はをのひなおさん作の『明日、私は誰かのカノジョ』という漫画について軽く触れたいと思います。

明日、私は誰かのカノジョ について

一週間に一回、私は【誰か】の彼女になる
彼女代行として日々お金を稼ぐ女子大生と彼女に魅せられた男達の、恋愛のリアルを描くビターラブストーリー。

作品紹介より

そんなキャッチコピーに興味を持って本作を読むようになりました。
作品は7章まであり、章ごとに主人公の女性も交代し、それぞれ彼女代行やパパ活や整形など色々な事情を持っていて、美しい絵柄とは裏腹に結構ダークです。
こういう黒い感情あるある…という共感と、どうにもできないもどかしさを抱えながら前に進んでいく姿に惹かれて、最終回まで読んだ漫画です。

ちきりんさんの配信からの着想

昨日のちきりんさんの配信を聞いて、「あ、これ『明カノ』の萌ちゃんの話だ」と思ったのです。

第4章の萌ちゃん

大学生の萌ちゃんは自分の外見にコンプレックスを抱えつつ、「私は流されない」としっかりと自分を持っている女の子。ひょんなことがきっかけでホストクラブに行くようになり、小さい出来事が積み重なりホストにハマり、風俗で働くようになる・・・というのが4章です。
(リンク先の表紙は優愛ちゃんというホス狂の少女です)

ホストというと、金持ちのマダムが行くものだと思っていたので、こんなに若い子たちがホストに貢ぐために風俗にまで行くことが衝撃でした。
けれど、現実に大久保公園で立ちんぼをしている少女たちがいること、ホストを刺す事件が多発していることからもこういう現実が本当にあるのだと気付かされ、その背景に恐ろしい沼があるのだと漫画のシーンを思い出しながら考えていました。

例えば、何百万円のツケが出来る
    ホストを応援するために風俗で稼ぐようになる
    同じホストを推している女性同士競わせて更に貢がせる
    ツケを支払うために地方に出張してまでデリヘルで稼ぐなど…

作者のをのひなおさんが社会派という印象は私にはないのですが、スピンオフで優愛ちゃん(ホス狂いの少女)がヤングケアラーで毒親に育てられた過去を描いているのを見て、背景にあるものの深さになんとも言えない気持ちになりました。

中村淳彦さんの配信

先日のVoicyでも「教育虐待を受けてきた女の子たちが、自分と両親を傷つけるために売春をしている」ということをおっしゃっていましたが、ホス狂い問題はホストクラブだけの問題ではなく、家庭環境に恵まれないということも現実なのだと思い知らされました。

私はこども家庭庁に「家庭に恵まれなくても子供に手を差し伸べてくれる場所」だったり、問題がある親と引き離せる法律など、将来の不幸を断つ支援制度を作ってほしいのが第一ですが、負の連鎖が重すぎてどこからメスを入れたら良いのか、答えが出ずにいます。

『明日カノ』を読んで考えたことなどありましたら、コメントで教えていただけると嬉しいです。

このシリーズは今日で最後になります。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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