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今日の鉄道の色(2)京王線の色


「今日の鉄道の色」第2回はまた関東私鉄より京王電鉄の色を紹介していこうと思う。
京王線系統の色については「鉄道ピクトリアル」通巻893号にマンセル記号を示したデータが掲載されていたが、
趣味で買い求めた(←ここ重要)日塗工の色見本で調べてみるとやはり測色の仕方に違いがあるのか乖離はあるようで……。
よって本記事掲載のマンセル記号は当方での測色値を掲載していくこととするのでご容赦いただきたい。

スタンリットライトグリーン

いわゆる「グリーン車輛」と呼ばれた旧型通勤電車の色である。
鉄道ピクトリアル誌上でのマンセル記号は7.5GY 5/6(日塗工37-50L)となっているが当時はまだ旧番号だったはずで、
近い色を探り当てたところ7.5GY 5/5.5(旧日塗工446)という色が存在しているそうである。

日塗工旧番446(7.5GY 5/5.5)
日塗工37-50L(7.5GY 5/6)

……ただ、「京王れーるランド」に展示されている2010系の車体で調べたところヒュー、バリューを同程度としてみてもどうもクロマが高いように感じた。
日塗工にはない京王独自の特色を練っていたのか?気になるところである。

アイボリー

俗に京王アイボリーと呼ばれるアイボリー色である。小田急のケープアイボリーに比べて赤みがわずかにあり、少し明るめの色といえる。
当方の日塗工色見本で調べたところ22-85D(2.5Y 8.5/2)よりはクロマがはっきりしていて、かといって22-85F(2.5Y 8.5/3)ほど強くはない……と、旧番号では394(2.5Y 8.5/2.5)が一番近い値ではなかろうかという結論に達したのでここに挙げておく。

日塗工旧番394(2.5Y 8.5/2.5)

えんじ色

さて一昔前の京王線電車といえば、初代5000系以来このアイボリーの車体にえんじ色の帯を締めだ電車がおなじみであった。

初代5000系。パノラミックウィンドウと貫通扉周りの造形が美しい

こちらも「京王れーるランド」での測色結果になるのだが、日塗工旧番109(5R 2.5/7.5)が最も近い色ではなかろうかと思う。
京急のKHK赤(5R 3.5/11)よりは暗く、またクロマも低いため暗い赤色といった感じである。

日塗工旧番109(5R 2.5/7.5)

京王レッドと京王ブルー

現行の京王線車両に用いられている帯の色は「京王レッド(チェリーレッド)」と「京王ブルー(インディゴー)」であるが、京王電鉄公式ではそれぞれ「PANTONE 227C」「PANTONE 281C」という色である。
ただしPANTONEの色は色見本にマンセル記号を併記していないはずである。「鉄ピク」の資料によればマンセル記号はそれぞれ「7.5RP 4.3/15.9」「6.6PB 2.7/5.7」であるそうだ。
……ここで渋谷区の公共サインガイドラインを見てみたところ、この二つの色についてDICのカラー番号が書かれていた。
それぞれ「DIC-195」「DIC-256」だそうであり、現行の第21版によればマンセル記号はそれぞれ「8.4RP 3.8/16.5」「7.8PB 2.5/6.8」となっている。強い赤紫色と濃い青紫色の組み合わせといえる。

DIC-195(8.4RP 3.8/16.5)


DIC-256(7.5PB 3.5/6.8)


9000系。京王レッドと京王ブルーの帯を巻いている

なお、今回は京王線旅客車の色についてのみ取り上げることとし、井の頭線などについてはまた追って紹介させていただきたい。

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