見出し画像

きみは宇宙

(前略)彪太郎くんのお芝居を観ることができて嬉しかった。次はいつになるかな?来年の夏かな?楽しみだな。はやく彪太郎くんに会いたいな。

こう言っていた9月はじめの自分へ。
12月に彪太郎くんのお芝居、観られます。しかも主演で。

リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』
よかっっっっっっっっっっっっっった……………

まさかこんなに早く彪太郎くんのお芝居が観られるなんて!しかも!!主演で!!!
こんなに嬉しいことある!?ないよ!?!?
嬉しくて嬉しくて堪らなかった!休みをどうにかねじ込んで、東京公演最終日の2公演を観劇することができた。

あらかじめ原作本を読んで予習して行ったんだけど、もう死ぬほど泣いた。原作本読んでるときから意味わからんくらい泣いてたけど、同じくらい泣いた。この日草月ホールにいた人の中で1番泣いた自信があるくらい泣いた。この歳になって触れる家族もののストーリーはあかん。

彪太郎くんが演じる主人公の「ぼく」は想像していたよりも喜怒哀楽がはっきりしてて、そしてまっすぐな男の子だった。

「夢で牛っぽい茄子と喋る富士山に出会って、もちを焦がさんようにしてくれって頼んだんや」って元旦から話す「おとん」に突っ込む姿も、受験勉強でイライラして「おかん」と少し離れて歩く姿も、「おかん」が亡くなって、あのときああしていればって後悔する姿も、切なくなるくらい等身大の男の子だった。

中学に入学したものの、友達もつくれずにひとりで静かにいた「ぼく」に、「お前ほんまは歌上手いやろ?」って話しかけた同じクラスの「ケン」。少しずつ仲良くなって、2人でバカ笑いできるような関係にまでなれたのに、両親が離婚した関係で引越しをしなくちゃいけなくなった「ケン」。
何でやねん!!!切なすぎるやろ!!!もう「おかん」を生き返らせて抱きしめてもらえ!!!メリケンが再会して何かしらの機会でスリーピースバンド組むスピンオフくれ!!!(話ちゃんと聞いてた?)

「ケン」が引越しをしなくちゃいけない理由を「ぼく」に直前まで言わなかったこと、辛く悲しい気持ちを「ぼく」やクラスメイトの前では出さず、大きな声で笑っていた「ケン」のことを、「ぼく」は"強い"と表現して、羨ましいと言っていたけど、わたしは「ぼく」のこともとっても強い人だなと思った。「おかん」も言ってたけどね。どうにもできないやるせない気持ちと向き合って、自分の中で少しずつでも消化できるって、とっても強いことだと思う。強さにはいろんな種類がある。

「もっとほめてくれや」「入学式の後、ご飯も一緒に食べたかったんや」って泣いて叫びながら「おかん」に言う「ぼく」のまっすぐさに涙が止まらなかった。まっすぐな「おとん」と「おかん」の元で育って、この2人が大好きからこそ、こんなまっすぐに「おかん」に愛を伝えられるのかなって思うともうダメだった。わたしなんか、実家にいる母親に「さみしい」の一言も言えたことがないのに。
昼公演のときは前方席に座っていたんだけど、「おかん」が「ぼく」に話しかけている間、「ぼく」がマイクにも乗らないくらいの小さな声でずうっと泣いているのが聞こえてきて、胸が苦しかった。こういう緩急が好きなの〜〜〜彪太郎くんの緩急があるお芝居がすきなの〜〜〜わたしは〜〜〜!!!!!(そうですか)

昼公演、「ぼく」が『蛍の光』を歌っている時、ちょうど「おかん」の表情が隠れる席に座っていて、どんな表情で聴いてくれてるのかなって「ぼく」の気持ちになりながら観ていた。夜公演、涙ぐみながら「ぼく」の歌声に大きく頷く「おかん」を見てまた泣いた。

「おかん」が亡くなったのも「ケン」が引っ越したのも冬の季節で、その度に「ぼく」の景色は色を失っていったけど、最後の最後、後ろのスクリーンに手を繋いでいる家族3人の後ろ姿と、めいっぱいに広がる桜が綺麗に色づいて、とっても美しかった!
ここから「ぼく」の世界は少しずつ色を取り戻して、より鮮やかになっていくんだろうな。

「ぼく」が最高なのは言わずもがな、「おとん」と「おかん」もあったかくて、めちゃくちゃ素敵な人たちだったな。「おかん」の関西弁は結構オーバーめなんだけど、それが逆に安心感をくれたり……「おとん」の根底にある真面目さも、「ぼく」がまっすぐ育った理由のひとつなんだろうなと思ったり……好きだな……

てかさ〜たぶんこの親子、兵庫県もしくはその付近で暮らしてると思うんですけどどうですか?劇中で王子動物園が出てきてるし、えべっさんは西宮神社のほうなんじゃないかなーって勝手に思ってるんだけどね!何か随所随所に現れるリアルさが余計に涙を誘うんですよね……兵庫県に住んでる人なら誰でも幼少期に王子動物園行ってパンダ見て、動物園にパンダいることが当たり前みたいな気持ちになるし……十日戎の福男チャレンジにもしかしたら知り合い映ってんじゃないかとか思いながら朝のワイドショー見るし……
「おかん」が1/9に事故に合ってるってことは、十日戎に合わせて参拝に行こうとしたんだな〜とか。そういうこと考えてたら、この3人が自分の身近にいるような気がして。(ここまで言って1/9に亡くなったってことだったらほんと恥ずかしい 「おかんは(中略)亡くなった。(中略)正確には1/9、車にはねられた」って、1/9に亡くなったのか、1/9にはねられたのか、どっちなんだ……読み取る能力が足りない……)

という感じで、本当に素敵な年末を過ごすことが出来た!なによりも、彪太郎くんの初主演舞台をこの目で見届けることができて本当にうれしい!素敵な2023年の締めくくりをありがとう。そしてお疲れ様でした。

彪太郎くんが明日も幸せにわらっていられますように。


以下、個人的好きなシーン
・「おとんの餅っぽいものを探す能力」
・「美味いし」⬅️かっこいい
・「家出でもしちゃいなよ〜ぅ!」
・第5場、机に座る「ぼく」の左足の指が時折ぎゅっとなるところ
・「まめ〜?」「あれ〜?」
・「おとんかな?…どっちやっけ」
・「火口で何か起こってるんやろか」⬅️かっこいい
・「ぼくはいっしょにいたかったんや。ずっといっしょに。それだけが幸せやったのに」
(随時追加)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?