2023/10/11 駅で。

仕事帰り。
自宅最寄り駅の改札で前の人の踵に自分つま先が当たった。
咄嗟に会釈したつもりだったけど、向こうには見えてなかったかもしれない。(多分ちょっと睨まれたし。)

改札を抜けて、その人は左へ、自分は右へ。
2、3歩行ったとこで、右足の甲を後ろから踏まれた(?)、というか払われた(?)。

転びかけて振り返るとさっきの人で、「てめえ俺の足蹴っといて一言も無ぇのどういうつもりだ?」「一言『申し訳ございません』ってのが礼儀だろ」「なめてんのか!?謝れ!!!」

「はい、すみません」って3回くらい言ってたら解放された。

「やっぱ勝負は先制しなきゃいけないな」とか「眉毛なかったな」とか考えながら地上に出て、家に帰るまでの5分くらいドッドッドッとしていた。

帰宅してから、久しぶりに靴を磨いた。

硬くなっていたクリームを延ばしながら考えていた。
まず、相手を許そうとした(というより、理解しようとしたのかもしれない)。
「何か嫌な事があって気が立ってたのかもしれない。」「会釈で済ますのも褒められたものではないし、怒る人もいるだろう。」「会釈に気付いてなかったみたいだし、ああなったのは色んな要素が重なったんだろう。」とか。

次に腹が立った。
「蹴ったこと謝れって言うけど、呼び止める時に相手の足を払うのはどうなんだ。」「ぜってぇ相手選んでやってるわ」「そもそも、混雑した改札で足当たるのなんかお互い様だろ。」
クリームがうまく延びないことも私を苛つかせた。

「言い返してやればよかった」とまで思った所で、それは違うと思い返した。

彼は、怒りの原因である私を傷付ける事で自身の不愉快を解消した。それに張り合えなかった事は、自分の考える「良い人間らしい行動」だったなと感じた。

こうして自分の考えや行動を好意的に受け止め、消化することで、自分を慰めている。
これも格好がつかなくて、自分では気に入った。
ボロ布で仕上げた靴はピカピカではないが、まあいっか、とそこでやめた。

適当にカレーうどんを作り、古漬けを添え、それをあてに焼酎のソーダ割りを二杯飲んだ。
つゆの残りに白飯を入れたのも食べた。

普段食べない量を食べたり、書きなれない文章を書いてみたり。
段々と忘れるだろうから、忘れないうちに書いた。

おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?