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ねこ屋敷解散・・ 女性芸人がお笑いの世界で生きてく事の難しさ


昨日、ねこ屋敷が解散を発表されましたね・・。

(※ねこ屋敷 河野菜摘さん(写真左)、山崎愛子さん(写真右)の吉本女性お笑いコンビ)

端から見れば順風満帆に活躍していたかのように見えた「ねこ屋敷」の解散は、ねこ屋敷ファンではない私にとっても青天の霹靂でした。

全国メディアにも何度も出演し、印象的なフレーズの歌ネタや「美女芸人」としてファンも多いねこ屋敷の今回のニュースは、きっと多くの人々を驚かせた事だと思います。マンゲキの公式アナウンスでは、山崎さんのほうは芸人を続行するという事が発表されていますが、河野さんの今後についてはこの記事を書いている段階では分かっておりません。

解散理由や詳細が分からないので軽はずみに適当な事を言えませんが、ねこ屋敷に限らず女性コンビの早すぎる解散や引退のケースが目立つ事について前々から思う事があったので、今回のテーマは「女性コンビの解散・引退」について書かせていただきます(ねこ屋敷解散の理由に関連付けるものではございません)


女性芸人は現実主義


そもそも女性コンビの大半はNSCほか養成所の在学中に辞めていくのだそうです。その理由は分かりませんが、なんとなくの想像はつきます。

まず、授業中の他の生徒の前でのネタ見せや、講師からのダメ出し、クラス分けによるランク付けなどで心をくじかれる人が多いのではないでしょうか

ネタ見せ授業は、講師によっては「おもろない」「意味わからない」など、ストレートに辛辣な言葉を浴びせる方もいるそうです。

そんな中でも、「君たちおもろい」と誉められるなど、ネタ見せでも常に評価されているコンビはいるそうなので、そういった面白い人達を目の当たりにして段々と自信を失ってしまうパターンです

脳の性質的に女性のほうが男性に比べて現実的と言われてますし、ネタ見せ授業や課外活動(ライブ)、クラス分け(という名目のふるい分け)などを経ていくうちに「あ、私は無理だ・・」という事に早い段階で気付いてしまうのだと思います。
男性芸人でもこれらの過程で辞めていく人は多いですが、男の場合はロマンチスト、悪くいえば現実逃避しがちなので「俺らはいつか売れるやろ」と踏ん切りをつけられずにダラダラと続けてしまうパターンもまた多いのかなという印象です。(それが報われるかどうかは、才能とその後の努力次第です)


本当にお笑いが好きでなければ続けられない


無事に養成所を卒業できて、晴れてプロデビューできたとしても、そこからすぐに辞めてしまうケースもままあるようです

そもそもお笑いが好きでこの世界に入ったはずなのに、何故すぐ辞めてしまうのでしょうか? 考えてみます

一般的にお笑いファン人口は男性より女性のほうが多いと言われていますが、一概にお笑い好きといってもテレビやライブでネタを見るなど、ただただ「自分が笑う事」が好きな場合と、「人を笑わせる」事が好きな場合とでは、意味合いが全く変わってきます。

女性の場合は前者(笑う事が好き)が圧倒的に多いかと思います。芸人になる以前は当然自分が笑う側ですが、いざ芸人になったら人を笑わせる立場に180℃変わります。おそらく多くの「お笑い好き」の女性芸人が、この急激な変化に苦しめられて辞めていくケースが多いかと思われます

某女性芸人が語っていましたが、元々劇場に通っていたような(いわゆる芸人オッカケ系)お笑いファンの女性芸人ほどすぐ辞めていくそうです。確かにな~、と頷けます

仕事の合間の息抜き、休日の趣味やリフレッシュとしてお笑いを見る事と、プロとして1日の大半お笑いの事を考え、ネタ作りなどに時間を注げる事とでは、「お笑い」への向き合いかた、労力の費やしかたが全く異なります。

なんとなくお笑いが好きだからという動機でお笑いの世界に飛び込む前に、自分は本当にお笑いが好きなのか、常にお笑いの事を考えられるか、「笑いたい」側なのか、「笑わせたい」側なのか、まず自分自身をよく理解する事が大事なのかな、と感じますね。


タフな男社会であるお笑い界で女性芸人が生きていく事の大変さ・・


そして女性芸人が直面する壁はまだあります・・お笑いという社会は、男が牛耳る社会です

統計を取ったわけではありませんが、お笑い界は8:2ぐらいで男性芸人の比率が多い印象です。

そして大物と呼ばれる芸人、テレビで冠番組を持つような力のある芸人もそのほとんどが男です。女性芸人は男性芸人の価値観、ルールの中で生きていく必要があります。

テレビなどで女性芸人が暴露してたりしますが、男性芸人による女性芸人へのセクハラなどは普段から当たり前にあると言います。(ブスやデブいじりといったような類が多いと思いますが)また、男性同士の下品な下ネタや体育会系のノリなどに慣れてない女性芸人はストレスや精神的な負荷が想像以上に多いでしょう。これは一般的な職場でも同様な環境はあると思いますが。

あとは単純に体力面でのキツさでしょうか。

売れてない時代は、殆んどの芸人はバイトをしながら生活を凌いでいると思いますが

ネタ作りやネタ合わせの練習、月に何本かの安いギャラでのライブ出演(本当に売れてない芸人はオーディションライブに自費での出演)・・その傍ら足りない生活費を稼ぐ為にバイトというルーティンが場合によっては何年も続くわけですから、ことに女性芸人にとっては中々にしてハードな期間だと思います。勿論、肉体面だけでなく精神面的にもかなり疲弊していくと思います。

売れてる女性芸人の場合も、バイトの部分が本業の仕事に変わるだけでスケジュールが休みなくびっしり埋まるわけですから、ハードさは結局一緒だと思います。そこに「メディアからの注目」や「アンチの存在」という新たなストレスも加わってくるので、売れたら売れたでしんどい事からは逃げられない過酷な職業である事は間違いないでしょうね。


恋愛と、結婚適齢期と、女性芸人


そして女性芸人が直面する一番の問題はこれではないでしょうか

女性としての幸せを取るか、芸人としての成功を取るか、または両方を取るか・・

女性芸人としての駆け出しの時代(20代前半~後半)はまさに女性として恋愛盛りの時期と重なり、今後の人生を左右する決断の時期でもあります。

周りの近しい一般女性は次々と結婚していき、焦りや不安から「私だけいつまでもこんな事(売れないお笑い)を続けていいんだろうか・・」と、ここでお笑い熱が一気に冷めてしまい、辞めていく女性芸人も多いかと思われます

よく女性芸人はお笑いの為に「女を捨てる」といいますが、これは昔から男や恋愛にかまけた女性芸人は終わるという風習?がお笑い界に残っているからです。

女性は恋愛脳の生き物なので、恋をしたら頭がその事で一杯になり、お笑いの事はどうしても二の次、三の次になりやすいです。ましてや結婚して子供や家庭ができたら、人前でふざけた事や、時にはヨゴレ系のような仕事をするに対しての引け目も生まれてくるでしょうし、相手の彼氏や旦那がそういう仕事をする事を嫌がるという話もよく聞かれます。

あの非モテ女性芸人のレジェンド・光浦靖子さんは「女芸人は股を閉じれば閉じるほど面白くなるのよ」という名言(?)も残されています。

ただし、彼氏と交際中宣言をしていたり既に結婚しながら活躍されている女性芸人も沢山いるので一概にどうとは言えませんが、男性芸人と比べると恋愛や結婚がマイナスに傾きやすいのが女性芸人であると感じられます



以上、女性芸人が解散・引退する事例を、私なりに考察してきました。

既に申し上げましたが、これが「ねこ屋敷」の解散理由に当てはまるということではありません。

既にお笑いファンの間では知名度も人気もあり、芸人仲間やファンからも愛されていた「ねこ屋敷」の場合はまた違う理由があったのかな、と思われます。。

ねこ屋敷としての活動はもう見れなくなるのは寂しくなりますが、才能も人気もあるお二人なのでそれぞれがまた新たな場所で活躍してくれるでしょうし、ねこ屋敷の時よりも更なる飛躍とご健闘を、心より願っています!


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