銀杏通り

歩いていたら大学生の集団とすれ違った。1人は巨大なカメラを持って、1人は画材を抱えていた。(なにかあるのだろうか)そんなことを思いながら自転車に乗ってすれ違った瞬間、集団のひとりに声をかけられた「サタケさんですよね?」僕はとっさに頷いてしまった。頷いてから後悔した。僕はこの集団のことなどなに一人として知らないのだ。集団のうちの一人は眼鏡を掛けていて、なおも僕に話しかけてくる。「サタケさん。あなたに渡したいものがあります」そういうと僕に封筒のようなものを手渡して来た。僕は思わず受け取ってしまった。受け取るとき50円切手が見えたのできっと手紙なんだと思った。