大好きだった祖父が教えてくれたこと
祖父が孫を愛するのと、恋愛で相手を愛するのと、「愛する」の中身が少し違うかもしれないけど、究極の「愛」という点では同じだと思う。
僕は母方の祖父が一番好きだった。4人いた祖父母は皆が孫の僕を可愛がってくれたが、母方の祖父が断トツだった。子どもの頃に祖父の家に遊びに行って、いよいよ帰らなくてはならなくなると、必ず号泣していたものだ。
なぜこの祖父が大好きだったのだろう、振り返ってみると祖父だけは必ず僕を守ってくれる、と実感できる思い出が沢山あったからだと思う。公園に遊びに行ったときに具合悪くなったのを、公園のベンチで気分が楽になるまでずっと一緒にいてくれたこと、それに類する思い出が沢山あった。世界中が敵に回っても、祖父だけは自分の味方でいてくれる、そう確信できた。
恋愛で相手を愛することも同様だと思う、世界中が敵に回っても、自分だけは相方の味方でい続ける、相方のことを全面的に肯定する、そうすることで相手も真の愛を実感できるのではないだろうか。
愛が成就し成熟するまでは、自分が幸せになりたい気持ちが一番にあるため、相手を食事に誘って断られて、つっけんどんな対応をしてしまう気持ちは分かる。ただ長い目で見たときに、一度食事を断られたことなど、取るに足らないことだと思うことができるだろう、それよりも相手への愛が断絶して相手を傷つけてしまうことがよろしくない。自暴自棄になって「自分は幸せになれない」と嘆くのではなく、相手を愛し、相手と一緒に幸せになることを考えよう。
そんなことを祖父との思い出は僕に教えてくれた。将来自分が誰かの祖父になるとき、その祖母が今の相方だと思うと、それもまた感慨深い。孫には孫の祖母がいかに素晴らしい女性であるかを伝えるつもりでいる。
「おばあさんは長年恋人のいなかった私の彼女になってくれたんだ、彼女には感謝してもしきれない、彼女と出会えただけでも幸せなのに、お前みたいな孫まで生まれてくれて、私は幸せだ。」
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