教科書

断捨離というが、本当は過去の清算なのだろう。

先日、部屋の物を大量に捨てた。私は烈火の如く怠惰だから、受験生という期間を存分に活かしきって部屋に物を貯め、貯めては貯め、貯めていた。果てには机の上には予備校の教材やら参考書やらがうずたかく積みあがり峰々を形成していたし、床にも教材の入った段ボールが幾つか、引っ越し前でもないのに並ぶ始末。さすがにこのままではあかんとなって断捨離に踏み切ったという寸法だ。

さて、一行目に大それたことを書いているが受験期なんてただのおもんない歴史なのでもう目もくれず捨て散らかした。捨ててるのに散らかるとはこれいかに。一日目は机の上を片付けたら用紙のサイズもバラバラだったので整理する時間もなく、それだけでベッドの上を占領してしまい仕方なく床に毛布を敷いて寝たのだが、如何せん床が硬くて寝付けない。というか廃棄物のために私が寝床を譲るのも意味が分からない。彼らにとっての臨終の床だと思えば安いものだろうか。そうでもないな。

8時間うっすら寝た私は朝になりまた活動を開始する。今度は教材を紙のサイズごとに分けて紐をこれでもかというほどに縛るのだ。昨晩の恨みも込めて心なしかきつく縛ってみる。どうだ、痛いか?あれでも紙紐だと私の手も痛いな。もしかしたらこのゴミたちは私に何かを教えてくれているはずもない。そうして苦闘の末ゴミたちをまとめたが、資源回収がしばらく先のため数日間部屋に置いておくことに。

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