【人間の飢えに巣食う鬼】有罪か、無罪か

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 我が子を殺意を以って殺害したか。当時の母親の精神状態が争点になりそうだが。育児ノイローゼで心神耗弱状態だったとする弁護側に対し、検察側はその点については争わないと主張した上で、母親の強い殺意が認められる二度に亘りマンションから娘を落下させたとして有罪を求刑している。

 さて、母親(37)は有罪か、無罪か。まず、判決による社会的な影響を考えれば、これで無罪が確定してしまうことで更なる事件を誘発する可能性を高めることになるのは言うまでもない。

 被告は、検察の起訴状を認めているため、弁護側の心神耗弱状態か否かの主張の枠を超え、起訴内容はそのまま有罪判決に足る証明だと考えられる。

 殺害動機がどうであるかというよりも、「何かに飢えていた」ことは間違いないのではなかろうか。子がいることで自由が制限され、生後7か月と言えば夜泣きもするだろうし病気もするだろうから、付きっ切りの日々が続いていたのかもしれないし、そのことで疲労やストレスが溜まっていたのかもしれないし、明確な殺意があったかどうかも不透明性をぬぐえないのではないかと思う。

 被告はどんな心境なんだろう。まさか自分が我が子を殺すことになるとは思っていなかった・・・なのか、何らかの事情から耐えきれずに起こした行動だったのか、そういう自覚があったかどうかも本人がわかっていない可能性もある。

 つまり、何かに飢えている状態で、その上に鬼が寄生することで精神と肉体は支配され、思いもよらぬ行動を起こしてしまった・・・、本当にこの母親本人が悪なのか、そんなに簡単に答えが出るようなものではない、非常に複雑な問題なのだと思う。

 理性が働いていれば起きなかった事件だったかもしれない。心神耗弱状態だったからというのは、事件を起こす原因とは限らないんだよね。

 頼る人もいない状態で、どうにもならなくなって、耐えられなくて、そういう苦しい生活環境だったのかもしれないということは薄っすらとは窺える。

 これって少なからずコロナの影響もあってのことだと思うんだよね。コロナ禍で起こる事件は、そのような観点で捉えることが必要ではないかと思うんだ。

 おそらく、母親は自分も後を追うつもりだったんじゃないかな。だいぶ憔悴し切っている様子だったし。100%無罪ということはないかもしれないけれども、執行猶予とか不起訴保護観察処分とかになるかもね。

 ほんと、コロナはいつまで奪い続けるんだろうか。。。

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