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【#にゃむの全力推奨書籍】私が初めて読んだ本で泣いた本のレビュー

 冒頭の掴みから一気に惹き込まれたほどの作品であり、終盤では、泣きながら読んだ。2008年にリーマンショックが起こる2年前だった。その頃は、社会人成りたてで、厳しい洗礼を浴びている時、ある日の帰り際、駅近くににあった本屋にフラっと入ってなんとなく本棚を眺めていると、この本が目に入った。

 本の帯に書かれていた、今は亡き児玉清さんの一言コメントに意識が向かった。

「こんな恋愛小説を待ち焦がれていた。私は飛行機のなかで、涙がとまらなくなった…」

【産経デジタルの記事】(2006年)

 「あのアタック25の司会者だった児玉清さんが、飛行機の中でこの本を読み、涙が止まらなくなったほどの本とは一体どんな本なんだろう」と、純粋に疑問に思い、手に取った時にはすでに買うことを決めていた。そこからレジに向かい、会計を済ませて店の外に出た私は、家に向かって歩いている時にさらに思った。「本を買った。今まで全く本を買って読んだことがなかった自分が本を買った。」と。

 その時の心境を今思い返すと、自分の意思でこの本を買ったとは思えないような、不思議な感覚がする。帰宅して、食事をするのも忘れ、貪るように本を読んだ。読み始めてから3時間ほどで自分が涙を流すことになるとは想定していなくて、数時間、かつて体感したことのないような感覚が続き、眠りに就いた。

 実を言うと、内容はまったく覚えていないのだけれども、今もこの本を読んだという過去の事実は、私の脳裏から消え去ることがない。14年前の自分にとってはかなりインパクトのある本だったことは、あれから14年後の自分が読んでも、同じくらいのインパクトを与えてくれるのだろうか。今はそう思っている。自分が初めて買い、初めて読破し、初めて泣いたこの本を、私は今も大切に本棚に仕舞っている。

 何度読んでも泣けるのか、試してみようかと思う。14年前にタイムスリップするような感覚を体感できるのかを、試してみようかと思う。

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