見出し画像

【#孤高の書】其の十二:第六感

 年輪、それは長い年月と共に、バウムクーヘンのように、一枚、また一枚と重ねていき、巨大な樹へと成長していく過程でできる模様。

 切り株は、サルノコシカケとも呼ばれる。この画像をなぜ描くに至ったのか。それは、前々回の「波紋」からなんとなく思い付きで描いたに過ぎないんだけど、共通している気がしてね。

 中心から外側に向かって広がっていく波紋は、樹木の年輪にも共通している部分がある。年輪も中心から外側に作られていく。真逆なのは、時間の経過スピード。

 波紋は秒速で広がっていくのに対し、年輪は字の如く「年速」で作られていく。

 地球も中心から外側に向けて重力を発している。

 銀河系も中心には太陽が外側に向けて光を放っている。

 円もしくは球体は、万物の共通項なんだと思う。

 人が視覚で捉える情報も自分という中心から外側に向けて色や形を捉えている。

 人は毎日、同じ景色を見過ぎている。

 同じ場所に居過ぎている。

 元々人間は飽きる生き物だ。

 毎日代わり映えのない生活をしていると、感覚はボケていく。

 規則正しい生活と健康状態に相関があるようなことが言われているけれども、本当にそうなのだろうかと思えてならない。

 時間を守る、同じ時間に食事を摂り、同じ時間に電車に乗って、同じ時間に寝て同じ時間に起きる、本当に健康と相関があるのか?

 人は時間に追われて生活している。

 時間という縛りが、人にとってストレスになっているのではないか。

 睡眠時間6時間、朝起きる時には太陽の光を浴びることでバイオリズム(生活習慣)が保たれるのは科学的根拠から証明されるもの。これに異論はない。

 問題なのは、教育や労働が納税のための義務として定義されていること。この、一見当たり前過ぎる常識?を疑えば、非常識な人間として揶揄されることになり、「社会人として」とか「人間として」とか、誰もが言いそうな口ぶりで、その枠を外れる人間たちが悪者扱いされているのが現代社会だ。

 中には、ホームレスをいたぶって面白がっている未成年者もいる。一体、どういう神経でそういう愚行に及ぶのだろうか。

 第六感は本来誰にでも備わっているもので、人によってその感度が異なるのかもしれないが、人の発言や行動から、相手の第六感の感度の強弱は、自分の第六感により感じ取ることができる。

 人間のすることではないような愚行に及ぶ者たちには、自身の行いがどういう結果を招くのかといった当然のように想像できそうな未来へのアンテナがブッ壊れてしまっているのかもしれない。

 コロナに感染したことによる後遺症として、味覚が失われるという症状を聞くようになった。人間の感覚は、一度失われると元通りには戻ることがない。特に、味覚は、食べる物の味を記憶していたとしても、舌で味を認識することができなくなる。

 果たしてこれは味覚だけの話なのだろうか。第六感も、一度失うと元通りには戻らないのではないか。

 直感力は、言葉では説明しにくいような偶然を生むことがある。卓球や野球などの球技をしている時、視界には入っていないけれども、誰かの「危ない!」という叫び声が聞こえた瞬間に、「あー、自分の頭部にボールが飛んできてるんだろうな」という直感から、瞬時にボールを避けたことがある。

 どの方向から飛んできているか、どれくらいのスピードで飛んできているのか、どう避ければいいか、そんな情報もない中、誰かの「危ない!」という叫び声が聞こえた瞬間に咄嗟に動く身体。そして、どうして避けられたのかは本人にもわかっていない。

 直感と瞬時に聴覚や視覚が捉える情報は、感覚器官から脳へ電気信号が行き渡るよりも直感のほうがわずかに早いかもしれない。

 テーブルの上に置いているコップに腕が当たった瞬間、今にも床に落ちそうなコップを、さらにその下でサッと構えてキャッチする、これも直感から起こる動作ではないかな。

 「このままだとコップが床に落ちて割れてしまう」と考えるよりも前に腕が先に動き、落ちてくるコップをキャッチする。

 直感と身体の動きはハイスピードの連携。周りの状況を見ていて、自身の直感から「何かしらの違和感」を感じ取ったなら、おそらくその直感に従って動いたほうが間違いないんだろうなとボクは思っている。

 直感を普段から意識して年月を過ごしていくうちに、きっと磨かれていくのかもしれない。そして、ちょっとした違和感も見過ごすことのない鋭い直感は、大樹で言うところの何重にも重なった年輪なのだ。

 一年前と比べて、二年前と比べて、確実に状況は変化しているにもかかわらず、ルールや規則を変えようとしないまま縛り続けるような在り方には、違和感しかない。

 加速的に変化している今だからこそ、個人の直感や意思や思考が重要なのかもしれない。

【次回予告】其の十三:予定は未定

お楽しみに!(・∀・)ノ

いただいたサポートは、今後のnoteライフ向上のために活用させていただきます!