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Hi,how are you?原田 ✖️ KiliKiliVilla安孫子 「Shy,how are you?」リリース記念対談

共に山形出身であり、若き頃は安孫子がやっていたバンドも多分に漏れず聴いて育った原田と、安孫子がKiliKiliVillaを発足した際のコンピに参加しているHi,how are you?。世代は違えど同じように音楽や漫画などのカルチャーをとことん愛し、これまでも幾度となく交流を深めてきた両者だが、表に出る話ような話はこれまでそんなに多くはなかったように思う。

2019年にシャムキャッツが主宰するTETRA RECORDSから通算5作目となるニュー・アルバム『Shy,how are you?』を発表したHi,how are you?。取材時から現在までその活動はマイペースかつハイペースにリリースとライブを重ね、年末には馬渕リーダーによる作詞作曲の甘酸っぱいクリスマス・ソング「あわゆき」、2020年元日には、「エンタの神様」から着想を得たキャリア初の打ち込み曲を公開。さらに新曲を加えフィジカル化した「NEU year's Hi!」CDやアルバムのアナログも発売する状況の中、来たる2/8には「Hi,how are you? one man show "I'm fine thank you!" in武蔵野公会堂」が控えている。グランドピアノが設置されているホール公演。想像するだけで彼らの世界観にぴったりの舞台だ。

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今回は『Shy,how are you?』を発売した彼らに対し、安孫子がどんなことを感じているのか。これまでに溜め込んでいたルーツへの疑問と未来への展望を独特の視線でぶつけてもらった。

お互いの好きなものを興奮気味に確かめ合う時間は何物にも代え難く、いつもの通り、気の合う友人同士のファミレスでの終わらない時間のように少々盛り上がりすぎてしまいバカみたいだが、これから先の未来の話をこんなに純粋に楽しみに笑ってできることはどれだけ尊いことだろう。「―歌なんて歌ってる場合じゃない―」とハイハワユーの曲が流れてくる。あれをどんな風に受け取るかは人それぞれだが、2020年になって早々、馬鹿げた人たちの意地の張り合いのような争いで暮らしが脅かされるこの世の中で、用もないのに好きな人へ電話をかけたり、確証のない未来をバカみたいにふざけて想像したり、そんな堂々巡りをしながら、僕はハイハワユーの音楽でちょっと切ない淡い気持ちを抱きしめて、たくさん笑って楽しく生活していきたい。できれば音楽のそばで。みなさんもそんな気持ちでどうかいれますように。

2019年、某日。グループ通話にて「原田×安孫子」対談。少しばかりの司会と構成は森尾由美似のインディーインタビュアーがお送りします。

「あ、やっぱりニルヴァーナって聴いちゃダメなんだ」って思った実家の夕飯時 

安孫子:あれ?これでいいのかな?もしもーし聞こえてる?

ー聞こえてますよー。みなさんおつかれさまですー。ではやっていきましょうか。

原田:(通話の画面を見て)おぉーなんかこれ、SUPERGRASSのジャケみたいっすね。

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安孫子:これ(画面に映ってるの)原田くんの部屋?本当にイメージ通りだね。お!シザーハンズあるね。京都時代より全然広いの?

原田:そうっすね。倉庫だった部屋をもらったんですよ。離れみたいな感じで。

安孫子:最高だね!京都時代の部屋って雑誌とか動画でしか見たことはないんだけど、今の部屋に荷物はほとんど持ってきたの?

原田:あー、40袋くらい引っ越しのときに処分したはずなんですけど、主要なものは減ってないっすね。

(ここでインスタのストーリーなどでおなじみの部屋の様子をぐるっとカメラに映す原田)

安孫子:いいねー(笑)!ザ・男の城って感じ。

原田:所さん目指していこうかなって思ってます。

安孫子:七日町ベースになるじゃん!

ーそろそろ始めますよ!きっと長くなりそうだし。

安孫子:そうだね!お願いします。京都から山形に帰るってなった時はさ、音楽活動も含めて今の生活は想像できてたの?
(原田は2017年にHi,how are you?で活動の拠点としていた京都を離れ、実家の仏像関係の仕事をしながら、山形はもちろん東京をはじめ全国を駆け回る、より活発な活動スタイルとなった)

原田:想像はある程度はしてましたね。(京都に住んでいた頃の)物とかをそこまで捨てなかったのも、最終的にはこの家に戻ってくるんだろうなっていう予感があったんで、極力レコードとかも売らないでおこうって決めてました。

安孫子:なるほどね。じゃあ山形に帰ってきて久々に再会するレコードもあったりしたのか。

原田:あーなんていうか、当時まだ少なかった私物は実際ほとんど京都に持って行ってたんですよ。なので、実家にあった父のレコードとかCDに今になって音楽の趣味や知識が広がって再会した感じです。あ、こんなものあったんだっていう驚きがありました。

安孫子:そういうことね。おれは山形から東京に出ていく時はレコードやCDは9割持って行って、漫画は2割くらいしか持っていかなかったな。結局帰省のたびに見繕っては東京にほとんどの荷物は持っていったけど。ちょっと話がそれるけど、覚えてるのは、当時、宝島っていう雑誌が自分より上の世代の人たちにとってはインディーズの音楽情報を知るのには欠かせないものだったらしいんだけど、でもおれが高校生の時って宝島は思いっきりヘアヌードを見れる雑誌と化してたんだよね。だから山形時代は完全にそれはそれで欠かせないものとして隔週楽しみにしてたんだけど、実家の押し入れの奥の方に隠していたそれがいつの日か見事に全部捨てられてたね。

原田:それショックっすね。

安孫子:もうダブルショックよ!保管しておきたかったのもあるけど、完全に家族にバレてたんだってこともね。

ー再会できなかったんですね、当時の宝島に。

安孫子:そうそう、原田くんの暮らしでいえばお父さんの正体も気になるんだけど、今何歳くらいなの?

原田:50代中盤くらいっすかね。

安孫子:若いね~。どういう音楽の趣味してたんだろう。

原田:ニール・ヤング、サイモン&ガーファンクル、あとはローリング・ストーンズとハードロックっていう感じですかね。プリファブ・スプラウトの「Jordan: The Comeback」っていうアルバムとか、トーキング・ヘッズのチンパンジーがジャケのやつ(「Naked」)とかギリギリ80年代の作品もなんでか家にあるんですよね。

安孫子:へぇー!アツイね!。お父さんとはけっこう仲良い?

原田:えー、めっちゃ仲良いとかではないですね(笑)。

ーそれは昔からずっと関係性は変わらず?年取ると次第に仲良くなったりするものだけど。

原田:そうですね。ずっと一定の距離で変わらず平行線みたいな感じ。仕事の出張は父とふたりで行くんですけどね。その時にカーステで僕がかけている音楽に対して父がコメントしてくるんですよ。オレンジ・ジュースをかけている時も、「これはスタイル・カウンシルより前なのか?それとも後か?」なんて言ってくるんでおもしろいっすよ。

安孫子:まじ(笑)?おもろー!

原田:一番印象的だったのは中1の時に部屋でニルヴァーナを聴いてたら、その日の夕飯の食卓で父が突然「ニルヴァーナのやつは自殺してるからなぁ・・・」なんて言ってくるんですよ。父はニール・ヤング好きなので、カート・コバーンが自殺を図った時に残した遺書に、ニール・ヤングの("ヘイ・ヘイ、マイ・マイ(イントゥ・ザ・ブラック)"の)歌詞を引用してたことも気になったんですかね。「自殺はだめだよねー」って父が。自分も「あ、やっぱりニルヴァーナって聴いちゃダメなんだ」って思って、実際しばらくの間聴かなかったっすね。

安孫子:なるほど。おもしろいね。お父さんは邦楽も聴く人だった?

原田:RC(サクセション)とかすかんちとか好きでしたね。

安孫子:かーなり英才教育じゃん!今も新たに何か聴いてたりするのかな?

原田:最近は逆に僕が聴いてる音楽を父がShazamしてますね。

一同:(笑)

安孫子:原田くんはそれくらい音楽が身近にある暮らしの感じあるもんね~。

原田:いやいやいや。そんなことないっすよ。

シリアスな今の時代で葛藤しがちな場面を、自分自身のトーンで突き抜ける。置いてきた子供心と潔さ。 

ーお父さんはハイハワも聴いてくれてるの?

原田:あ、一応聴いてくれてますね。

安孫子:うぃーーーー(おそらく、「やるねぇ!すごいじゃん」の意)

原田:8月にリリースした『Shy,how are you?』の最後に入ってる「夢でバッタリ」は聴いてくれた時、「これって...イントロってスタイル・カウンシルでしょ?今までで一番いいんじゃない?」って言ってましたね。謎の関係です。

安孫子:うぇーーーーい!(祝福を込めて)やったね。「夢でバッタリ」には僕もかなりやられてますよ。

原田:ははは。ほんとですか?恐縮です。

安孫子:いやー今回の『Shy,how are you?』もあいかわらず最高でしたね!昔さ、原田くんに「ハイハワってまじキラーチューンしかないよね!」って伝えたことあるよね。覚えてる?

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原田:「メガマサヒデ以来だ」ってお言葉はいただきましたね。

安孫子:ははは(笑)。そんなこと言ったっけか。でも、ハイハワはふたりで演奏しててリズムなしの形態じゃん。それでキラーチューンのオンパレードは希少な存在だと思うけどね。今回の作品も何かしらのトーン的には変わっているんだろうなって感じるけど、あいかわらずな部分もあって...。そうだ、トニー・マコウレイって人知ってる?

原田:あー知らないです。何の人ですか?

安孫子:作曲家・プロデューサーなんだけど、映画『メリーに首ったけ』のテーマで有名なファウンデーションズなんかを手掛けてる60年代に活躍したポップス職人みたいな存在。『メリーに首ったけ』の監督のファレリー兄弟(近年の代表作は『グリーンブック』)の映画作品にもたくさんトニー・マコウレイ作の曲が使われていた覚えがあるなー。日本の昭和の歌謡曲とか筒美京平なんかも影響受けてたとかのウワサあったり。そんな彼のコンピレーション作品があるんだけど、何十曲も入ってるのに全曲いちいち良すぎて「おいおい、これなんだよ?」って感覚に陥るの、おれは。ハイハワはそれと同じテンションを個人的に感じてしまうんだよね。

原田:それは非常に嬉しいですね!

安孫子:激チェックしてほしいな~。エジソン・ライトハウスっていうイギリスのバンドの「恋のほのお / Love Grows」っていう曲をまず聴いてほしいんだよね。

(「恥ずかしながらわたしの結婚式の入場曲はこれでした!照」安孫子談)
安孫子:こんな感じのソウルフルなアレンジのバブルガム・ポップが何十曲とあって。それと近いものを感じる。

原田:前に僕らに対して「ネオモッズ的なものも感じる」って言ってくれましたよね。あれも嬉しかったんですよ。

ーそれはハイハワのどういうところにネオモッズ感を感じたんですか?

安孫子:えーなんでだろうな。

原田:(すかさずテツandトモで)なんでだろう~。

安孫子:ふふふ(笑)。得意なの出すなよ~。単純に自分が知った時期のハイハワに「青臭さ」と「キャッチーさ」、それと「潔さ」を感じたからわかりやすくそんなこと言ったのかな。ツーピースだからだらだら曲をやらないし、スパッとやってキラーなものをどんどんぶち込むスタイルじゃん。

原田:なるほど。

安孫子:あとね、誤解は招きたくないんだけど、今の時代性なんかは特にシリアスにならざるを得ないトーンってあると思うんだよ。そんな中、原田くんはあくまで等身大の自分自身のトーンで突き抜けていこうとチャレンジしてるじゃん?

原田:いやー(わかってもらえる部分があると)嬉しいっすね。確かに、小島よしおみたいな気持ちでやってるんで自分なりに。

安孫子:おれもさ、小島さん大好きだもん!その気概が確信なのか天然なのかどうかは謎なんだけどわかるよ。伝わるもん。

安孫子:ところで、好き勝手に友達と普段どおり喋ってるみたいになってるけどこんな感じで大丈夫?

原田:僕はすでに話しててかなりおもしろいっすけどね!

ー全然この感じで進めていきましょう!次は原田くんと安孫子さんの共通項といえば漫画なんかもあると思うのでその引き出しを互いに開けてほしいかなって思うんですが。原田くんが最近アツい感じの漫画はなにか思いつきますか?

原田:望月峯太郎が自分の中でもう一回来てる感じですね。

安孫子:あーもう望月峯太郎感、ドンピシャで感じるよ、原田くんには。

原田:そうなんすかね?自分ではわからない。

ーちなみに安孫子さんが好きな望月峯太郎作品は?

安孫子:ドラゴンヘッドもバタ足金魚もいいけど、座敷女かなー意外とやっぱり。

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原田:なんだかんだ自分もそうなんですよね。普通に今読んでも怖いし。

安孫子:気になったんだけどさ、原田くんの普段のインプットって漫画、映画、音楽って平等なの?自分が生活している中でアウトプットとして曲を書く時に影響してくる割合というか。

原田:あー、今は漫画が多いかもしれないですね。漫画からってわけではないんですけど、次のアルバムについても色々とアイデアを既に考えていて・・・

(ここで早くも次回作の構想を赤裸々に教えてくれる原田。きっとそう時間が立たないうちに日の目を浴びると思うのでお楽しみに!)

・・・こんなものができたらおもしろいかなって思ってるんですよね。

安孫子:いいねー!ぜひ10代の股間から90代の股間まで直撃するようなやつを実現させてほしいよ!

原田:わかりました!実現したい!

安孫子:あと、漫画で言うと、たぶんそう思っているのは自分だけなのかなって気はするんだけど、ハイハワの音楽と藤子・F・不二雄の短編集に入っている「劇画オバQ」がシンクロするんだよね。なんでだろうって考えたら・・・。

原田:(本日2回目の)なんでだろう~

安孫子:ははは(笑)。そう、なんでかなって考えたのよ・・・

(オバケのQ太郎:小学生の正太が偶然みつけた卵から飛び出した、頭に毛が3本生えたオバケのQ太郎が正ちゃんこと正太のうちの庭に居候し、正ちゃんの家族、友達とのふれあいや騒動が描かれた、何度もアニメ化された人気ギャグ漫画(1964~1976)「劇画オバQ」は15年ぶりに正ちゃんに会いに来たオバQが見た、大人になったみんなと変わってしまった世の中について劇画タッチで描かれている。)

安孫子:(中略)・・・最後にさ、「みんな大人になっちゃったんだね」っていう少し寂しいというか切ないラストでストーリー自体は終わるんだけど、その途中に正太がかつての友人たちと飲みに行くシーンがあって。大人になってしまっていろんな小難しいことをこれまで話してたけど、「おれたちは一生子どもだー!」って童心に返ってその時間はオバQたちと楽しく騒いでたんだよね。でも次の日になったら主人公の正太の嫁さんの妊娠が発覚して、本当は脱サラしようと思ってたけど、それを止めて普段どおり会社へ行くんだよ。それがさ、さっき話したみたいな、今の世の中に日本刀で対峙するやり方とは原田くんは自分なりにまた別のやり方で・・・言い方は適切じゃないけど、二枚目というかどこか笑えるというか・・・全裸でキュウリ一本握って挑んでいくというか(笑)、そんな風にやれている部分はおれ自身も取り残してきている部分だったりもするんだよね。「音楽をただ噛み締めたり、時にやべーっ(笑)って楽しみたいだけなのに・・・」みたいなね。でも確かに、社会が作り出す世の中を投影した場合に今現在シリアスにならざるを得ない局面ではあるしね。でも様々な人がいるという事は絶対だから。

原田:そうですね、それはすごくわかります。

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安孫子:置いてきた子供心。ふざけたい気持ち。ただの良い曲。それがどうしても原田くんに自分の中で結びついてしまうんだよな、おれの中で。だから劇画オバQを読んで感じたことを思い出してしまう。

原田:これは相当いい話ですね。僕らのことちゃんと見てくれてそんな目線持ってくれているなんて。

ーうん。今、この話を聞きながらストーリーを追って、そこを重ねるのは自分もかなりしっくりきました。安孫子さんは感覚的にそれを感じていたんですね。

安孫子:そっかそっか。なんとなく自分の個人的気持ちなのかなって思ったけど、みんなもたぶん同じようにわかるところあるんだなぁ。あとは90sトレンディー系の話をしようとすると、おれの記憶と原田くんがあいかわらずリアルタイムで楽しんでいるテンションでは勝負にならず負けてしまうんで、そこは全然言及できそうにないね。

原田:いやいやいや、そんなことないんじゃないですか。

安孫子:あ!そうそう、その話ではないんだけど、武田鉄矢のMV(『Shy,how are you?』収録「ブルーベリーガム」)見たんだけどさ、あれヤバすぎない!!??かーなり爆笑しちゃったんだけど(笑)。

原田:あれをそう言ってもらえると救われますわ(笑)。カツラもすべて揃えて、綱島のrの前の土手で「・・・やるか!」っていう気持ち一発で撮ったから。

安孫子:いや~思わず何回もニヤニヤして見ちゃったもん(笑)。

(ここで思い出すだけでツボに入り笑いが止まらなくなる安孫子。気分転換にアイスを買いにコンビニへ一時離脱。そして復帰。)

安孫子:ブラックサンダー超うめぇ!

原田:最高っすね。あれ知ってます?九州のブラックモンブラン。似たようなやつなんですけど。あれめちゃめちゃうまいっすよ?

安孫子:まじ!?おれそういえばモンブランまじ好きなんで。そこんとこよろしく。

一同:(笑)

ーめちゃめちゃ女子みたいな発言(笑)。

安孫子:栗はいつでもうめーーんだよ!あ、ちょっとうるさい?大丈夫(笑)?

原田:いや、それ真理ですね。

これからは仏具ニューウェーブの時代でしょ。 

安孫子:仕事の方は順調に楽しくやってるの?仏具を扱うって実際どんなことやってるのか知らない部分が多いからなぁ。

原田:うちは仏具っていうか仏像なんです。

安孫子:あ、そうなんだ?仕事ってどういう流れになってるの?

(ここで興味津々の安孫子から業務について質問の嵐。原田から説明を受けるたび新鮮な驚きを受ける)

安孫子:なるほどね。それで中国に行ってたりもするのか。

原田:そうっすね。それで普段の地方もそうですけど、中国でも空き時間に現地のレコ屋に行ったんですよ。そうしたらそこでチゼル(CHISEL)のピアノのジャケのやつ(「8 AM ALL DAY」)を見つけたんですよ。なんでこんなところに!って相当驚きましたね...。

安孫子:ヤバいね~!ふふふ。でも原田くんがチゼルに反応する予感は個人的にあったんだよね。

原田:思わず爆アガりしちゃいました。

安孫子:そうそう、これはちょっと余談になるかもしれないけど、この間、CINRAで農業と音楽とユースカルチャーの結びつきみたいなテーマで中村明珍(元銀杏BOYZ。現在、周防大島で農家と僧侶を兼務している)とその師匠である農家の明石さんって方と話した記事があってさ。その鼎談の前の日も色々と話していたんだけど、中村君曰く、農業だけではなく宗教もそこに入ってくる部分はあるって言ってたから、音楽への落としどころみたいなものも今後どこかで見つけて言葉にしていけたらおもしろいかもしれないよね。

原田:それは僕も実際、けっこう考えたりしますね。

安孫子:あ、そうなんだ?やっぱり興味深いって思う?農業も関わってみると、やっぱり新しい発見も自分の考えや知っている音楽と重ねてしっくりすることが多くてびっくりするもんなぁ。

原田:はい。完全に主観ですけど、僕個人としてはおもしろいっすね。歴史もあるし、いろんな解釈や考え方があって。

安孫子:今後さ、心境とか作る曲にはそういう仕事関係のことも影響してきそう?

原田:いやーどうでしょうね。

安孫子:でもあれか、原田くんの宗教は小島よしおか(笑)。

原田:でもほんとそうっすね。あー、小島よしおももしかしたらどこか仏教みたいなところあるかも(笑)。

山形の暮らしの中で大事にしていきたいローカルなこと 

安孫子:地元に帰ってきて昔の友人とかに再会したり、付き合いはあるの?

原田:なんとなく、今もう山形に帰ってきてるんだなっていうのは地元の友人にも伝わっているみたいで、ちょこちょこ会ってます。最近は弟の同級生が僕らのこと聴いてくれてたみたいで、どうやらRAD WIMPSとかが元々好きみたいなんですけど、Enjoy Music Club(メンバーの江本とは以前から親交があり、ユニット”TWO NICE BOYS”を結成し音源をリリースする仲である)も好きみたいで。その流れで僕らの音源も聴いてくれてるみたいなんですよね。女子高の臨時教員をやっているらしんですけど。普段接する友達とも違う感じがして話してておもしろいので、最近は一緒に飲んだりしてますね。

安孫子:そっかそっか。まじで原田くんにはローカルタレントになって欲しいんだよな~。地域の商工会議所とか攻めたら、「原田さんとこの跡取り、なんかおもしろいことやってるらしいねー」っておじさんたちの関心を鷲掴みにできそうじゃん。

ーそのうちローカル番組でワンコーナー持ってるような存在に。

原田:伊奈かっぺいを目指したいですけどね。

安孫子:ははは。

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ーローカルトーク過ぎると全国の人たちに伝わらないから注意してね(笑)。

原田:そうだ、危ない。今話してるの全員東北の人だった!でも実際ローカルのCMソングとかは狙ってるんですけどね。誰が歌っているかわからないけど、県民みんな馴染みがあって歌えるようなやつ。実現できたらアツい。

安孫子:勝手に色んなテーマソング作ってYoutubeにバンバンupしちゃえばいいのに。本当に作るときはレコーディングの時ベース弾かせてー!

原田:ははは。それならやってくれるんすか!?ヤバすぎます!その場合は寒河江寿司のテーマですね。もしくはなぜか独自のCMソングがあるドコモショップ寒河江店ですね。

原田:あ、一回FM山形で毎週夜中の放送時間に、1時間選曲していい枠をもらえるっていう話があったんですけど、流れてしまって。それが実現できてたら安孫子さんゲストで呼んでもおもしろかったんですけどね。

安孫子:そんなこともあったのか!いや山形でやれたらいろんな友達をゲストに呼べたのに残念だね。

原田:全国各地でライブはやらせてもらってるけど、今逆に地元を攻めれてないかもしれないんでそういうところはがんばりたいですね。

安孫子:喜んでくれる人はきっとたくさんいるよ。どんどんやって地域の人に知られてほしいし、気づいたらローカルヒーローになっててほしいね。

原田くんはネオアコ・ギターポップとユーモアを結び付けられる唯一の存在だと思ってるんで。 

ーほんとにささいなことなんだけど、個人的に気になってる点で、はらだくんが毎日ツイッターにらんまとかアニメのGIF動画(画像のコマ送りアニメーション)を載せてるじゃん?あれってどういう意図でやってるのかってどこかで話してたっけ?

原田:いや、話してないっすね。あれは1日1個投下することによって、自分を鼓舞する意味もあるんですけど、それに加えて自分はこういうのものが好きな人間なんだと知ってもらいたいアピールの部分もあります。

安孫子:いやもう存分に伝わってるけどね。ははは。

ーブランディングのひとつでもあると。よくそんなにレパートリーあるなって勝手に関心してた。

原田:秘蔵のGIFがたくさん置いてあったサイトがあったんですけど、実はそこが閉鎖しちゃって。宝の山だったんですけどね、残念です。

安孫子:かわいらしい動きでいうと、3歳児と4歳児なんて宝の山だと思うよ、おれは。もし、原田くんが将来結婚してお子さんが生まれたら、もうたまんないと思うもん。その年代のこどもの動きったらいちいちかわいくてしょうがないのよー!爆裂。もうたまらなくなって、原田くん死ぬんじゃないかな(笑)?

原田:実際、友達のこどもとか会うと遊んじゃいますね。それに、みんなこどもたちの方が僕に寄ってきてくれるんですよね、不思議と。佐野(dot prompt、過去にリリースを手がけるなど原田くんの古くからの盟友)とふたりでいてもあいつにはひとりも寄ってこない。

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安孫子:それはそうだろー(笑)。タレント性の違いよ。原田くんの音楽って世代を問わない感じはあると思うんだけど、その中でもどこか10代のお客さんとか、もっと下のこどもとかになにか投げかけようとしてる気がするな。そんなことない?綱島rでの動画を観ているからそう思っちゃうのかな。原田くんの場合、必ずしもライブハウスが主戦場ではないじゃない?

原田:あ、そうっすね。それはどこかあるかもしれない。

安孫子:いや、原田くんのこと見たらこどもたちが喜ぶ感じ、わかるもん。

原田:なんか自分の立ち位置がたまにわからなくなるんですよね。我ながら謎っすね。

安孫子:ふふふ。確かにキッズに桑田佳祐の真似はまだ早いかもしれないもんね(笑)。

原田:あ、そうそう。この間志村けんを見に行ったんですよ。

安孫子:まじ!?どうだった?

原田:やっぱ最高でしたね。もう・・・(ありとあらゆること)全部やってました!3時間位舞台に立ってるし。でも驚いたのがいつまで経っても「変なおじさん」をやらないんですよ。3部構成の本編が終わりそうになっても一向にやらないから、半ば諦めてたら、最後の最後に網走刑務所みたいなセットに変わってコントが始まって。「おやおや?」って思ってたら刑期を終えた受刑者たちが出所するシーンでダチョウ倶楽部の肥後さんとかに混じって変なおじさんが出てくるっていう。それで締めるっていうわけがわからないラスト。もう最高の一言でした。

安孫子:志村けんはまじで好きなんだよね、おれ。

原田:ひとみばあさんもめちゃくちゃおもしろかったです。

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安孫子:ははははは!想像しただけで最高~!いや~原田くんはネオアコ・ギターポップとユーモアを結び付けられる唯一の存在だと思ってるんで。(志村けんもそうだけど)いくとこまでいってほしいよね。

「ただの良質なシンガーソングライターにはならないで」 

原田:いまひとつだけ温めている試みがあるんですよ。ギター弾きながらタップ踏めたらいいなって。

ーこのあいだTwitterで動画にコメントしてたあれだね。

原田:そうそう。「先にやられた!」って思いました。もしそれができたら曲にビートがないのも足でカバーできるなと思うんですよね。

安孫子:原田くん...それだ!そういうリズム刻むのはハイハワふたりの音楽的にもOKってことか。おもしろー!

原田:そうですね。そうしたら完全に唯一無二のところ切り開けるかもと思って。ピッキングハーモニクス(ギターの演奏法の一つ)した瞬間にタップ踏むみたいな。実現したら普通にテレビ出れそうじゃないですか?

安孫子:これ...インタビューにも載せないまま温めるのもありなくらいだね(やや興奮気味に)。足にマイクつけて、エフェクトかますとか。DIつないでディレイかけて・・・。おいおい、タップでダブまでやってるよってところまで発展できるし、絶対Pussyさん喜びそうだね(笑)。”タップギターポップ”か。

原田:もしくは”ギタータップ”。

ー語呂が良すぎる(笑)

安孫子:タップはたぶんアメリカ文化でネオアコはイギリス文化でしょ?それが東洋の地でラブコメも加えて結びついた。完璧だね!いやーまだまだあるんだねー!未開拓のジャンルが・・・おれらがイメージで原田くんのことを押し込めてたわ。ごめん!!

一同:(笑)

安孫子:激しいカッティングとアルペジオに加えてそれをやるの大変だろうから、3人目のメンバーがいても全然いいもんね。担当はタップ。「ハイハワユー&タップス」!

原田:完全にハッピーマンデーズのノリじゃないですかそれ(笑)。
(※イギリスのバンド。ドラムバンドの顔的存在のベズは、担当楽器がなく音楽的貢献のないフロント・メンバー。わかりやすく例えると日本における電気グルーヴのピエール瀧のそれに近い。とwikiにも記載が)

安孫子:まじめに期待しちゃってるもん未来の絵を。ふざけているわけではなくて、音楽とハイハワの可能性をね。

<タップに興味が湧いた方はこちら>

原田:とりあえず、すぐタップシューズ買うしかなさそうですね...。どうせなら「タップ8段です」とか言いたい...。

安孫子:ハイハワふたりのスタイルだとさ、全国各地のタップチームと一緒にやったり、ハンドベルの会と一緒に演奏もできそうだよね。

原田:ハンドベル、最高かもしれないな。うわ、なんか可能性しか感じなくなってきましたわ。馬渕さんもSax始めてるのでこれから音源にも影響出てくるでしょうし、チェッカーズ化もありえます。

安孫子:いいねいいね!曲中の間奏をタップでリズム取りながら、馬渕さんのSaxソロから原田くんのギターソロを経由して歌に戻るとか展開が果てしなくなるね。

ーかなりエンタメショー化してますけども。

原田:でもなんかジョー・ストラマーもそんなのやってましたよね。バスキングって言うのかな。路上で弾き語りと大道芸みたいなことそういう雰囲気のことやってた時期もあるみたいなんですよね。吉田豪さんに教えてもらいました。

安孫子:曲芸ユニットみたいになったら本質からずれちゃうかもしれないけど、単純に視覚的にも見てて楽しいもんね。お年寄りから子供まで喜ぶ全世代対応の存在でいけるっしょ。

原田:老人ホームもいずれ周りたいなって本当に思ってるんですよ。家の近所にもあるし。

安孫子:いっぱいCD買ってくれるかもしれないし、2回目に訪問した時にも1回買ったこと忘れてしまってたら大変だけどね(笑)。原田くんの持ち前のサービス精神とタレント性はまだまだポテンシャルを持ってると思うんだよ。さっきも話したけどみんなが同じやり方で一点突破しなくてもいいと思うから。FUCK資本主義な世の中で、あえてパチンコ店を巡るところを目指すとか、内部から攻めていくのはアツいかもしれないね。

原田:ほんと...だいぶ他と違ってきたかもしれない(笑)。こんな世の中なのに。でもそれもおもしろいかもなって思えるんですよ。そう言ってもらえるとですけど。Pussyさんにも「氏神一番を目指してほしい」って言われてるんですよ。「ただの良質なシンガーソングライターにはならないでほしい」っていうことらしいんですけど。

安孫子:はっはっはっ(笑)!でもPussyさんにおれも賛同だな。

原田:ここまでなんとなく色々と話してきて自分のことがわかってきました。道が見えた気がします!業を背負って(宿命的にやらなければいけないことを)やっていきますか。

安孫子:とりあえず(シャムキャッツ)夏目くんと47都道府県イオンツアーやってほしいな(笑)。

原田:実際...ありだな。しかし、まさかこんな話が盛り上がるなんて。

安孫子:未来の話できたね。

原田:もう、この先30年くらいの人生決まった感じすらしますよ(笑)。

一同:(笑)

安孫子:自分の経験からしても、都心のど真ん中で色々な文化にまみれながら音楽をやっていくのもとても刺激的で大事なことだとは思う。でも地方に住んでいる人たちの営み方や方法っていうのも千差万別に実際沢山存在しているしね。楽しめる可能性も、そのきっかけになるようなことも実際には少ないのはわかりきってるけど、そう思われるだけっていうのも違うと思うんだよ。だから原田くんのハイハワの活動は今もそれを具現化してくれていると思うし、もっともっと遺憾なく発揮している姿しか未来に見えないんだよね。

切なさとハイテンションとかわいらしさと

原田:京都に住んでいた頃よりも今のほうが貪欲さは増した気がしますね。自分のやりたいことも明確に見えるようになった気がしてます。

安孫子:うんうん、だって二枚目キャラみたいな風になっていったのって山形に帰ることになった頃からじゃないっけ?

原田:そうっすね。ちょうど「あぶない刑事」とか嘉門達夫が気になって来た頃なので...。

安孫子:あ、単純にそういうこと?環境が変わる上での心境の変化なのかなと勝手に思ってた(笑)!あいかわらずリアルタイムで色々とインプットしてるからこそのただの影響か!なんだよ(笑)!

原田:そりゃ環境の変化もあるとは思いますけど、多少は(笑)。単純にあぶない刑事やべーなっていうのが大きかったんだと思います。

安孫子:ほんとおもしろいやつだなー。

安孫子:原田くんの中に流れている音楽の軸は80年代~90年代のものが真ん中にあるとして、漫画・映像・カルチャーの90年代のあの感じってなんであんなに好きなの?最初のきっかけってなんなんだろ?

原田:たぶんケーブルテレビですね。ちっちゃい頃それで高橋留美子の作品とか見て好きになったんで。でもやっぱりテンション高い感じの作品が根本的に好きなのかもしれない。「ロンバケ」(木村拓哉と山口智子が主演した月9最盛期の連ドラ名作)も好きだしな。

安孫子:ははは!たまに自分とタメなんじゃないかと錯覚する趣味してるもんなぁ。「南くんの恋人」(平凡な高校3年生の南くんと、突然身長15cmになってしまったちよみの恋と同棲生活を描いた漫画。4度もテレビドラマ化されている名作)ってあるじゃん。あれ肩にちょこんと乗っているちよみちゃんがかわいいのもあって好きな作品なんだけど、あれも劇画オバQじゃないけど、最後は悲しい展開になる話で。なんかね、かわいさと切なさが同居している作品にグッときてしまうところはあるんだよね。

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原田:それは僕もわかりますねー。あとはすぐに思いつくのは西田尚美さん。好きなんですよねー。作品でいうと「ひみつの花園」(「ウォーターボーイズ」などで知られる矢口史靖監督作品)がめちゃめちゃたまらなくて。

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安孫子:はいはいはい、わかるなー。

原田:やっぱりラブコメ・ドタバタみたいなものは矢口監督の作品は外せなくて。いつか監督に自分のCD渡しに行かなきゃなダメだなってちょうどこの間話していたところでした。

安孫子:ラブコメって単語が今こんなに似合う存在ってハイハワしかいないと思うよ。ハイハワに、原田くんに、共通するトーンとして自分が感じているのは"切なさとハイテンションとかわいらしさ"なのかなって思うな。

難解な曲でもなんでもポップになってしまう不思議な魅力はハイハワのお家芸 

ーここまで、けっこう長い時間話してもらいましたね(夜更けの止まらないボーイズトークは実はもう2時間ほど経過)。ハイハワユーに感じるカルチャーの部分を安孫子さん目線で色々と聞いてきましたが、原田くん他に何かあればこの機会に。

原田:さいごに、安孫子さんに聞いてみたいことがあるんですけどいいですか?さっきトニー・マコウレイの名前は挙げてくれましたけど、邦楽で僕らから連想するバンドとかいますか?

安孫子:うーんそうだね。ハイハワはフリッパーズを真逆からたどって来た感じはあるかもしれないね。ハイハワの「それはそれとして」なんかは既に一度ベッドイン済みでしょ、あれ。

原田:ほんとっすか(笑)?

安孫子:でも新作はやっぱりユニコーンだね、やっぱり。一時的な馬渕さんとの別れ~ソロ活動時期の頃から原田くんの曲もライブも吹っ切れた感じとエモーションが飛び出てきたでしょ?それに加えて、ハイハワはユニコーンと編成も全然違うんだけど、めちゃくちゃ凝っている難解な曲でもなんでもポップになっちゃう不思議な感じが、そう感じるんだよね。どこか飄々としているスタンスも重なるかも。ユニコーン中期くらいの曲の凝り方とあの謎な感じがある気がしてるんだよね。

原田:それめちゃめちゃ嬉しいですね!

安孫子:だってさ、ユニコーンの「おかしな二人」のイントロとかさ、キャッチーだけどわけわからないじゃん。あの性急感と原田くんのギターの高速カッティングが重なるんだよ。もう「何をやってもキャッチーになってしまう男、原田」って言えるな。

一同:(笑)

原田:個人的な話ですけど、「GING NANG SHOCK!」(書籍)の中で自分の好きなものを紹介するページがあったじゃないですか。安孫子さんのページでそれこそ、ユニコーン、サニーデイ・サービス、フリッパーズ・ギターとかを紹介していた気がするんですよね。

安孫子:うん、確かそこらへんは載せた気がするね。

原田:そこが自分の原点な気もするんですよ、今振り返ると。そう思うと、今安孫子さんから僕らの音源を聴いて、「ユニコーンに近いものを感じる」って言ってもらえるのはけっこう自分の中でアツいことなんですよ。

安孫子:うまく言えないけど、ユニコーンはあんなにポップなのに何者でもなくユニコーンでしかない感じが最高なんだよね。ハイハワも同じ。お家芸。

原田:お家芸って(笑)

安孫子:いや、まじめにね。だって「この人たちどんな人たちだったけ?」ってハイハワには絶対思わないじゃん。さっきも話したけど、曲からしてもどんな年代の人にも入って来やすいものだと思うから、いずれもっと広がっていったら年配の人からも「よっ!」って合いの手が入るくらいの状況が理想じゃない?

原田:それ1番いいですね。自分の中でどこか目指しているのは、なぎら健壱ですし。

安孫子:でしょ?志村けんにもみんなわかっていながら「きたきたきた!」って思うじゃん。高速カッティングに日本的な歓声や合いの手が飛びかう日も近いよ。それが似合うキャラだもん。

原田:視覚的に本当にカッティングで火花は飛ばしたいんですけどね。でもそうなったら本当にカブキロックス(前述の氏神一番がボーカルのバンド)になっちゃうな...(笑)。がんばります。

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ー今「GING NANG SHOCK!」が手元にあったんで確認したら、ユニコーンは「ケダモノの嵐」、サニーデイは「東京」なんかを無人島に持っていくものとして挙げていましたね。ニューキー・パイクスやLIFE BALLのCD、藤沢マリのDVD、あとは「元気が出るテレビ」「イカ天」「浅ヤン」を録画したVHSなんかも。

安孫子:あったなー!そのビデオ今度みんなで山形の原田くんの家に集まって見ようよ!おもしろいぜ~。

原田:いいですね!僕やっぱりイカ天に出てくるバンドがどうしても気になっちゃって。「サイバーニュウニュウ」とか。

安孫子:はははっ!あれもライブ中に火花じゃないけどメカ・エルビスから煙出るからね(笑)

安孫子:原田くんはソウルものとかはけっこう手を出して聴いてたりするの?

原田:多少はですね。そんなに熱心に聴いてはいないです。コード感はやっぱりソウルとかそっちの方に寄り過ぎないようには自分の中で意識してるんですよ。アニメの主題歌でもギリギリおかしくないような曲の雰囲気は大事にしています。

ーうんうん、お茶の間に届けたいところはあるよね。ハイハワの曲は。

安孫子:そうなると山形ローカルタレントとして一発当てるしかないかー!

原田:また戻っちゃってるじゃないですかその話題に(笑)。でも思いついたおもしろいことはできる限り全部やっていきたいんですよね。

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―インタビュー終了後のなんでもない雑談から、いつかのラジオ番組にてエレカシ宮本氏が、アルバムの内容について「全部がメインディッシュみたいで食べきれない」とラジオDJにコメントされたことについて、「じゃあ食べなくていいよ」とキレてしまった事件の話題に。そこから安孫子が続ける。

安孫子:でも実際にエレカシは食べごたえのあるカツ丼やカツカレーだよね笑。でもハイハワはケーキなんだよね。(アルバムを聴くと)おれの大好きなモンブランケーキがたくさん目の前に並んでいる感じ。おじさんだったら割り切って「いや・・・腹いっぱいなんでもう大丈夫です!」って制限するんだろうけど、モンブラン(ハイハワの曲たち)を前にした安孫子少年は目を輝かせて「おいしいおいしい!」って食べ続けちゃうし、好物がまだまだそこにあって、「もうこんなに食べられないよ~〜(乙女な感じで脳内再生してください)」って贅沢な悩みに嬉しい悲鳴をあげてしまう。そんな感じよ!

一同:(謎のテンションと少女を再現した高音ボイスに失笑)

原田:最高の言葉いただきました(笑)。僕のほうがもうお腹いっぱいです!ありがとうございました!精進します!

安孫子:ははは。あと、もしもいつかレーベル浪人しそうになった時はいつでも声かけてね。

原田:あぁーもう!そんな言葉もらえたら最高嬉しいです!

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