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ばくおん!! バイクのことが好きになるギャグアニメ

 今回紹介するアニメは趣向を変えて日常系ギャグアニメ、『ばくおん!!』です。バイクが日常なので間違ってないでしょう。
 ヤングチャンピオン烈コミックス、おりもとみまな先生による『ばくおん!!』が原作漫画です。
 製作はトムス・エンタテインメントで、『名探偵コナン』や『それいけ! アンパンマン』なども作っているところですが、スタジオが多岐に分かれているらしく、クレジットされている8PANというのはその一つの通称です(以下TMS/8PAN)。TMS/8PANは『弱虫ペダル』や、『Dr.stone』などを製作しています。

 タイトルからわかるとおり、この作品は『けいおん!』のパロディがあり、知っていると面白い要素がいくつかあります。しかし、その本質は別物。実在のバイクの名前持ち出してそこまで言っていいのかというほどキレのあるギャグ、踏み込んだ知識が必要なバイクネタ、そして個性がぶっとんだキャラクターたち。かなり見ごたえがあります。

ストーリー・キャラ

 佐倉さくら羽音はねはいたって普通、丘ノ上女子高校に入学したての高校一年生。登校初日に通学路の長い坂に苦労していたところ、バイクをかっとばす同じく一年の天野恩紗あまのおんさに出会います。そこで恩紗に「バイクはバカにしか乗れん! お前はバカだから乗る資格がある!」と勧誘を受けて、バイクの免許を取ることになる……。
 そうして二人はバイク部に入部して、来夢らいむ先輩や鈴乃木すずのきりん三ノ輪みのわひじりなどの仲間と出会っていきます(鈴はバイク部に入部しませんが……)。

 羽音はバイクを安全にカスタムすると言ってウィンカーとミラーを大量に取り付けたりするようなバカではあるのですが、バイク知識のない人(私もそうです)のために一般人目線の質問をしてくれたり、と意外と常識人なところもあります。一方、恩紗はツッコミ枠でありながらバイクオタクとしてときおりついていけない知識披露、ボケ、ツッコミがなされます。三ノ輪聖はいわゆるお嬢様枠で、お金持ち天然ネタを担当しています。来夢先輩は謎多き人で、一言もしゃべらないので担当声優がいません。
 一番キモになってるキャラクターは凛です。インターネットではスズキを愛好する人を弄り倒す文脈があり、それに乗っ取って凛はめちゃめちゃ弄られます。スズキがめちゃめちゃバカにされながらも、めげずにスズキを愛し続ける姿に思わず笑みがこぼれます。

 9話になると、羽音たちは進級して(来夢先輩は留年して)、後輩として羽音の妹、由女ゆめと中野千雨ちさめが入学してきます。中野千雨は優勝を総舐めするほどのレーサーであり、最初はバイク部に興味がなかったのですが、実はそこには「公道では走らない」と決めている明確な理由があって……、というストーリーが展開されます。
 『けいおん!』で言う中野梓ポジなのですが、『けいおん!』でもあずにゃんと同時に主人公の妹、憂が入学していたり、部活動説明会が大荒れとなったりとパロディ要素が少しばかり輝くパートでもあります。 
 
 キャラクター全員がなにかしらウィークポイントがあるので、ギャグが活きる良さがあります。あと胸がでかいキャラの胸がめちゃめちゃでかいです。

バイクネタ

 羽音、恩紗、来夢、鈴の名前はそれぞれ国内バイク四台メーカーであるホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキを由来にしています。ホンダのロゴが翼であることから羽の連想、ヤマハのロゴが音叉であることから(前身である「日本楽器製造株式会社」の頃から音叉が含まれています)、カワサキのイメージカラーがライムグリーンであるから(バイクにライムグリーンのものが多いそうです)、スズキはそのまんま(但し、鈴乃木鈴はスズキ乗りが主人公のバイク漫画『キリン』も由来です)。
 三ノ輪聖は会社からではなく、サイドカーなどの三輪要素のあるものに乗っているから。由女はホンダ二輪正規販売店「Honda Dream」から、中野千雨は元全日本ロードレースGP250チャンピオンの中野真矢から……と言われていますが、中野梓からの要素も絶対あるだろ、と思っています。

 バイクネタは豊富で、作中のギャグと切り離せないので、私は解説してくれるブログを読みました(キャラの名前の由来は、このブログとおりもとみまな先生のtwitterから回収した知識です。間違ったものもあるかもしれません)。こんなことを知らなくてもキャラが楽しそうにバイクの話してるところが可愛いよ、というスタイルでも楽しめると思います。

 以上で『ばくおん!!』の解説を終わります。オススメは『クソ虫ペダル』、『急性スズキ愛好症』が詰め込まれた11話です。『弱虫ペダル』のアニメ作ってる会社がパロディやるのすごいな。
 余談ですが、このアニメの面白さは原作のキレ味あってのものだと思います。原作には上記パロディの他にも『スーパーカブ』を使って無茶苦茶やってる回もあるので、そちらも楽しんでみてはいかがでしょうか。まずはとっつきやすい、アニメからでも。


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