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出産時の交通手段

ツイッターを眺めてたら、出産時の救急搬送に関して話題になっていたので、自分の経験談と感想(あの時の事を今の私が俯瞰すると〜)を書いておく事にしました。

私は22年前に今は存在しない日大附属光ヶ丘病院の産婦人科で出産しました。
当時、私は練馬区高松という地域で暮らしていました。そこは目白通りから結構な距離にある住宅地で地元民は車か自転車で用足しに行くような少し不便な場所でした。その分家賃は安く、部屋は広めで暮らしやすい場所でした。

私本人の希望では、食事が美味しいと評判の近所の個人病院で産みたかったのですが、妊娠がわかって色々と検査をした時に、過去の持病(その時点から現在まで寛解状態です)のせいで設備の整った病院でないとダメと紹介状を書かれてしまい、止む無く少し距離のある日大附属光ヶ丘に受け入れてもらいました。

妊娠中の出来事は今回は割愛しますが、まだ若い事もあり、妊娠中は心配された持病の再発や妊娠高血圧症候群もなく、産休前まで仕事もしているという順調妊婦でした。

初産でしたので、出産はどちらかと言えば予定通りか遅くなると私も産科の先生も思ってましたが、実際には予定日の一週間前の朝におしるしがあり、弱い陣痛が始まりました。

おしるしや陣痛、破水があったら先ずはすぐに病院に連絡するように何度も教えられてました。それから、基本的には救急車を呼んではいけないとも聞かされてました。妊娠は病気ではないから、不安があったら必ず病院に聞いてと言われてました。

朝からの陣痛が10分間隔になった時点で私は病院に連絡しました。破水なし陣痛のみなら10分間隔になるまでは普通に過ごすよう言われてました。で、昼過ぎに10分間隔になったので電話して、朝おしるしがあった事、いま陣痛が10分間隔になった事を話したら、まだ時間がかかるだろうから5分間隔になるまで待って、それから病院に来るよう言われました。
5分間隔になったら、時間に関係なく(深夜であっても)病院に来ていいという指示でした。

夜になって陣痛が5分間隔になったので、家でタクシーに来て貰おうと事前に調べておいた電話番号にかけました(念の為に書きますが、当時はネットはおろかPCもまだまだの時代で電話帳が現役で活躍してました)

ところが!
ちょうど夜の10時過ぎあたりだったせいか、タクシーが全部埋まっていて直ぐには配車できないと、にべもなく断られてしまったのです。

まさか、タクシーが予約でいっぱいで手配出来ないなどとは予想しておらず、さりとて五分間隔でズキズキくる陣痛を抱えて歩いていける見込みもなく、困った私は、当時家のすぐ近所に勤めていた夫(当時)に電話して帰って来てもらいました。
家に自転車はあったので、私が台車に横乗りになり、夫が運転して病院を目指しました。

当時ももちろん自転車の二人乗りは道交法違反でした。我が家から病院までの途中に光ヶ丘警察署があるのですが、そこで、なんと私は自転車を降りて歩きました。ズキズキと腹は痛いのですが、荷台に乗ってたら怒られる!と普段の癖(笑)で降りてしまったのです。

今になって考えれば、非常事態なわけですから、夫が自転車を押して歩いていれば私が荷台に乗っていてもきっと怒られなかったと思います。でも、その時はとにかく病院に行くのに必死で冷静に物事を考えられませんでした。
今でも思い出すと笑えます。結構大変な思いをして病院に行きましたが、救急車を呼ぼうとは全く思いませんでした。それは、陣痛はズキズキくるけど、他がいたって普通だと自覚していたからです。あれ?おかしいなって感じがしてたら、さっさと119番に連絡してたと思います。

さて、やっと着いた病院で子宮口が全然開いてないからという理由で帰宅させられそうになったり、陣痛の最後の方が睡魔との戦いだったりした事も書きたいのですが、今回は割愛です。

と、いうことで、私ももう一度考えてみたのですが、例えば、普通インフルエンザっぽいなってだけで救急車を呼んだりはしないと思いますが、これがインフルエンザ脳症なら即座に救急車及び緊急入院ですよね。
それと一緒で、出産は病気ではありませんが、明らかにまずい事態になることはあり得ます。
意識がはっきりしてて自力で来ることができる人がタクシー代わりで救急車を使うことは、出産に限らずどんな場面でもNGだということではないでしょうか。
出産予定の病院の医師や看護師さんと出来るだけコミュニケーションをとったり、地域の保健婦さんに相談したり、区役所の相談窓口や電話相談を使ったりして、さあ出産!の前に不安な事を確認しておくこと、家族と話しておくことはとても必要だと思いますが、それでもやっぱりおかしいと思ったら救急車を呼んでいいと思います。人命がかかっていて、妊娠中なら二人分の命ですから。
打撲程度で救急車を呼ぶ人もたくさんいます。
妊婦さんに限定してとやかく言うのはおかしいと思います。こう言う形で議論が起こるとかなしくなりますね。だから、私は赤ちゃんをこれから産む人にもう少し優しい社会になるように努力します。そういう気持ちで書きました。

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