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瞬中永遠

二重うつし、
複層、ポリリズム

二元論から
多層へ

ありのままに近い自然が
芸術の対象になるのは

成熟の証拠か
(いくところまでいったという)

先鋭への憧れが
エアポケットのような歪みに
めり込んで反転する

人間は一度にふたつの場所にいることができないので
複数の視点の重ね合わせはそれだけで
かんたんに日常をこえる

ポリをこいねがうけれども個であるのがわたしたちで
超越への素直な欲求が
はじめてのつながりを育てた
としたら

りくつぬきの都会のエキゾティズムが
ひさしぶりに胸にぐうっときた

東京はせつなくて磁力なのだ

表面張力の詩情

⭐︎

都会の真ん中で
チューブにつながれた四角い乗り物にのって
高く高くまで
ひとつも足を動かさずにのぼって。
光のつぶに還元された
呼吸を制圧する量感に束ねられた
宇宙の諸相をみる。

おさかなの泳ぐ姿を
まちなみに透過させて
いとなまれる暮らしになぞらえる様な
感傷は、かのじょはとっくに
通り過ぎたのだろうけど

⭐︎

さいきん田園都市論に取り組んでいた。
勿論のこと、ふかみを全て掴めたわけはないし、それだけじゃないのだけれど、ともかく出発点は二項対立的に描かれる議論だ。
便利だけれどごみごみしたシティと、
不便ながらもおちついたカントリーと。
そうしてふたつの間に止揚点=都市と田園の合一体としての田園都市、をみいだそうとする。

その上に成り立つ、人の暮らしをほんとうに豊かにするための思考の蓄積に私は感銘を受けたし
自分でも、そのような考え方を基盤として組み込もうとしてきたけれど
やっぱりそれだけじゃないよなあと思ったんです。

地方に雇用機会が、文化的機縁に格差が、といった議論と
違う次元の話で、
構造改革によって変えられない部分のはなしで。
惹きつけてやまないものとしての都会をみせつけられた。
欲望される対象だからかがやいているのだ!
というこれは逆説。
たとえがわるいけれど虫が光に引き寄せられるように、
居住自由の原則が確保されている限りにおいて
一定以上のひとがとびこんでくるのは終わらないと思った

描かれる東京は別に最高じゃないのに最高だよね!



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