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エレキギターの持つ音

久しぶりに人前でギターを弾いた。有り難いことにその様子を動画で撮って頂いたおかげで、ステージ上の大きなアンプを使って大きな音で鳴る自分のギターの音を客観的に聴く事ができる。

こうやって自分のギターの音を聴いていつも思うのは、普段聴いているままの音だなぁということだ。アンプ含む会場の音響設備は普段家で弾いている状況とは異なるけど、結局出音はいつもどおりなのである。


その昔ライブに出た際に、他の出演バンドのギターボーカルのギターの弦が本番中に切れたか何かして、私のギターを貸してくれとステージ上から頼まれたので応じたことがある(その時は気づかなかったが、私のギターは入門向けだったから頼みやすかったのかも知れない)。

弦が切れるまでは本人のギターで何曲か演奏するのを聴いていたので、図らずも私は2つの異なるギターを他人が弾く音を、ライブ会場で、しかもバンドの演奏の中で使われるのを客観的に聴き比べる機会を得たわけである。これがとても印象に残る体験だった。


そのとき一つ解ったのは、エレキギターの出音はギター本体によって異なるということだった。さっきまで弾いていた本人の所有するギターと、今弾いている自分のギターの音は確かに違っていて、ギター以外はすべて同じなのにこれほど違いがあるのなら、音楽の良し悪しにギター本体の違いが影響を及ぼしうると思った。ちなみにその時は、ご本人のギターの音の方がそのバンドの演奏には合っていると思った。

とにかく、それまで私はエレキギターの本体を、パソコンで例えるならマウスやキーボードのような単なるインターフェースとしか捉えてなかったのが、このライブを機に宗旨替えせざるを得なくなった。


もう一つ解ったのは、他の人が私のギターを弾いてもやっぱりいつもの音が出るということだ。いつも一緒に練習しているバンドメンバーからもそう言われた。

他人の持っているギターの音は殆ど聞き分けられないけど、普段聴いているギターの音は聴き分けられるものだと思った。


先日Julian Lageの演奏を聴きに行った。素晴らしいライブだった。強制的に心が揺さぶられる感じがした。私と歳はそう変わらないのに技術はまさに雲泥の差であるが、私のギターを仮に彼が弾いたとしても、やっぱりいつもと同じ音がするのだろうか。

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