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ギター ペグの交換

初めて手持ちのギターのペグの交換をしたので、いろいろと勉強したあれこれを覚書きしておく。対象はGrass Roots製のレスポールモデルコピー品。

型番G-LP-CTM カラーはJS
私にとって初めてのギター


もうかれこれ10年以上弾いており、少し前に第5弦ペグの本体とペグボタンの間にある樹脂製のカラーが割れてしまって、ペグの動きが悪くなっていた。

もっと安価なノーブランド品でも構わなかったが、なかなか換える機会のない部品であり、ロックペグを試してみたい思いもあったため、みんなの大好きなゴトー製のマグナムロックトラッドにした。


ペグの仕様

おさえておくべきペグの仕様項目は下記の通り。

・ヘッド上のペグ配置
ペグのタイプによっては6連か左右3連かで形状が異なる

・ギア比
極端に低かったり高かったりするのは特殊用途なので避ける

・ギアボックスの種類
開放か密閉か
密閉式の中でも形状が異なるいくつかのパターンがある

・ペグ取り付け穴径
ヘッド側の穴径は加工して広げることは可能だが小さくすることは困難。

・シャフト長さ
ヘッドの厚みや、シャフトにどれほど弦を巻くかによる。

・ペグ締結方法と木ネジ配置
 ①ヘッド表面から専用ネジ1本で締める
 →シャフト中心に対する回り止めの木ネジ配置が数パターンある
 ②ヘッド裏面から一般の木ネジ複数本で締める   
 →木ネジの配置が様々ある

・弦ロック機能の有無
ロック機能はヘッド裏面のダイヤルのほか、表面のマイナスネジを使って行う方法等がある

・ペグボタン
多種多様

・重量
あまり重いとヘッド落ちや音質に関わる


今回換装するペグは、基本的にはもとから付いていた仕様を踏襲する。

・ペグ配置は左3右3
・ギア比は1:15
・ギアボックスはロトマチック(密閉式)
・ペグ穴径はΦ10mm
・シャフト長さは後述
・ペグは専用ネジ締結で、回り止めネジが弦に対して45度の位置
・マグナムロックのトラッド(ダイヤル固定式)
・ペグボタンはグローバー型
・重量は後述

GOTOH SG381-MGT-20-L3R3-Chrome
仕様が多岐にわたるため型番名がやたら長い
裏面注意書き


交換作業

順を追って説明するほど難しくはない。
全てのペグを交換する前に、まず新しいペグと比較するために、もとから付いていたペグを一つだけ取り外す。

ペグの裏面には刻印「KOREA JIN-H0」
R0は右側の意味か


壊れていること以外には今のペグに特に不満はない。今回ブランドものに換装して、価格差ほどメリットを感じなかったら、次回からは安いペグにしようと思いながら作業した。そういえばこのギターは韓国製だった。


こうして新と旧を並べてみて、はじめてシャフトの長さが異なることに気づいた。

左:新ペグ 右側:旧ペグ
新ペグのほうがシャフトが3〜5mm短い


やっちゃったか?と思ったが、よく考えたらロックペグはシャフトが短くても成り立つ。

ロック機能のないペグでは弦を重ねるか折り曲げるかしてペグに固定するために、シャフトに弦を何周か巻き取る必要がある。よってシャフトの弦通し穴から下方向へ巻き進めていくため、シャフトには言わば”巻きしろ”が必要である。
しかしロックペグの場合はシャフト部で弦を一周以上巻く必要がないので、巻きしろも不要である。そのため短くても十分機能すると判断した。

弦を通す穴がちゃんと出ているのでよしとする


気をとりなおして2つのペグを両手に乗せて比べてみると、なんとなく新しいペグのほうが重い。気になって秤に乗せてみたところ、1個あたりの重さはそれぞれ

 旧ペグ···36g
 新ペグ···38g

となり、新ペグは思いのほか軽いことがわかった。
ロック機構が付加されている分もっと重いと思っていたので意外だった。重量としては旧ペグに対して約6%増である。

2gの違いを感知できた己の感覚を誇りに感じた
明け方3時のキッチンにて


ボタンの形状が微妙に異なる。
旧品のほうが若干丸みを帯びていて可愛らしい。
旧ペグで壊れたカラーはボタンと本体の摺動部材である。新ペグで該当するのは黒色の部材だろう。やすやすと壊れたもう事なかれ。

左:新ペグ 右:旧ペグ
旧ペグではボタン下側の灰色のカラーが壊れた


全てのペグを取り外し、ヘッドを清掃して新しいペグを取り付ける。事前検討のかいあって、何も問題なくぴったりと取り付けることができた。



レビュー

ロックペグはたしかに弦交換が楽である。作業が単純化されるためにばらつきが無い。きっと弦を外すのも楽だと思う。そして噂通りロック機能はダイヤル式が正解であった。工具無しで弦を固定できるのは有り難い。

音は特に変わらない。ヘッドの重量変化+12gは音色にはそこまで寄与しなかった。

ペグは簡単な部品に見えるが実にバリエーションが多く、事前検討で手を抜くと見た目不格好になったり、無駄に木工することになったり、最悪の場合取り付けられず買いなおすことになるので注意が必要である。

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