異臭症の病状記録

※注意※
個人の体験談です。

書いてある内容は私が体験した内容であり、なんのエビデンスにも基づいていません。また、日々の病状を定量的に測ることが出来ないため「悪化している」「良くなった」などもあくまで体感での話です。

異臭症は回復傾向にありますが、私の受けた治療・服用した薬が影響したとも断定はできません。あくまで参考程度に留めていただければ幸いです。

※2022年9月追記※
病状の変化が本当に些細になってきたので、記事の更新をSTOP致します。「異臭症になる前に完璧に戻った」とは言えませんが、治りました
生活に困らず、食事で幸せを感じられ、好きなコーヒーは飲めるまで戻りました。


★まとめ

全体が長くなってきたので、どのくらいの時期にどういう変化があったかをまとめます。

・2021年 8月下旬 異臭症発症
 ↓ 3ヶ月後
・2021年 11月中旬~下旬 症状改善(ネギ類・コーヒー以外大体OK)
 ↓ 1ヶ月後
・2021年 12月下旬 症状改善(青ネギが食べられるようになる)
 ↓
・2022年 9月 ほぼ完治 


■2021年

■6月中旬 新型コロナ陽性(何株かは不明)

軽症。陽性から3日目くらいに味覚、嗅覚の順番に無くなる。その後ゆっくり味覚・嗅覚ともに回復。


■8月下旬 突然異臭症になる

自分の作った夕飯が腐ったような変な匂いがしてまずく感じる。ハンバーグ・唐揚げ・ナポリタン・白米・自分の排泄物すべてが同じネギが腐ったような悪臭に感じるようになり異変に気がつく。


■9月初旬 耳鼻科へ行く

自宅近くの耳鼻咽喉科へ通院。「鼻の中が臭いという症状はよく聞くけど、匂いが変わるというのは珍しい」と言われる。鼻の中を見たところ軽微な炎症がみられると診断。以下の薬が処方される。
・クラリスロマイシン錠200 (抗生物質)
・カルボシステイン錠500mg
・モンテルカスト錠10mg 

1週間分処方された薬を飲みきったが変化なし。あらゆる食べ物が臭いのに3食の食事を摂ることも苦痛で非常に辛かった。この頃は食べられるものが全然わからず、ゼリー飲料とロールパンを食べて生きていた。

調べていく中で亜鉛不足・鉄不足・ビタミン不足で嗅覚障害が起きることもあると知ったので、これらのサプリを服用し始める。病院で検査は受けておらず実際に不足しているのかは不明。サプリを色々試す前に医院で血液検査してもらうべきだったとも思う。

「匂いはするけど本来の匂いではない」という病状は伝わりづらく、「匂いがしない」のだと勘違いされやすい。医師に正確に病状が伝わらない場合があるので説明に注意が必要だと感じた。

あと異臭症について調べる際は「異臭症」「嗅覚錯誤」「パロスミア」「錯嗅」のいずれかのキーワードで調べると色々ヒットする。


■9月中旬 どこへ通院するか悩む

医師が症状を聞いて首をかしげるようなところに通院して意味があるのだろうか、と悩む。かといって他の耳鼻咽喉科へ行っても同じなのでは…と不安になった。

電車で数駅の距離に新型コロナの後遺症外来があることを知り合いに教えてもらったものの、そこは耳鼻咽喉科の無い病院だった。鼻の専門家に聞いてわからないことが果たしてそこに行って解決するのか?後遺症外来へ通院したら高額の支払いになったみたいな話も聞いて更に思い悩んだ。


■9月下旬 Bスポット療法を受けることを決意

TwitterやGoogleで嗅覚障害について調べ続けたところ、「Bスポット療法」というものがあるのを知る。非常に痛いらしい。そして治療を行っている医院が限られているらしいが、幸いにも近くはないが通院できる距離にBスポット療法を行っている耳鼻咽喉科があったので予約を入れた。

Bスポット療法については下記にまとめました。

レントゲンも撮ってもらい、蓄膿症はないことを確認。その後カメラで上咽頭炎があることを確認後に治療という流れでした。

ちなみに初回はめちゃくちゃ痛かったです

初回は以下の薬が2週間分処方されましたが2回目以降は処方なしでした。
・メコバラミン錠500
・当帰芍薬散散料エキス細粒
・リノサール眼科耳鼻科用液0.1%
・トラマゾリン点鼻薬0.118%

点鼻薬の使用感が最悪で、点鼻したあとしばらく鼻の奥が変な感じがして続けるのが非常に辛かった。そして当帰芍薬散が匂いを嗅ぐだけで吐きそうになるほどの悪臭でこちらも飲むのが大変でした。また当帰芍薬散については副作用の吐き気もキツかったため、医師から「無理に飲まなくても良い」と言っていただけたので休み休み飲んでいた。

この頃はうどんが食べられるようになって喜んでいたものの、まだまだバリエーションが少なく食事が作業のようだった。


■10月初旬 外の世界の臭さに気づく

サプリを試したり、鼻うがいに挑戦したりする。頻繁に通院することになって外出が増え、外の世界が色んな匂いで溢れており、そのどれもが悪臭になっていることに気がつく。

この間食べられたものが別の日に食べたら臭かったり、その逆もあったりで心が折れる。病状が一進一退なのか、食べ物の個体差なのかは不明。


■10月中旬 食い意地とワクチン接種

とうとう限界がきたので色んな食材にチャレンジしては玉砕される日々。温かい食べ物が基本的に臭いので自分で調理することが出来ず、家族にコンビニの食べられそうな食べ物を選んで買ってきてもらう日々だった。自分で買いに行くこともあったが、店内のコーヒーと揚げ物の匂いがきつすぎてまともに商品も選べない。

「これ食べられる!」と思ったものが商品の切り替わりですぐ消えるのが辛い。

いろいろな食物に挑戦することは大事だけど、臭いと思ったものも無理には食べないほうがいいという教訓を得た瞬間である。食べた後の口も臭い、うがい歯磨きをしたとて普通にしているだけで喉の奥が臭い、ゲップは最悪。

あと1回目のワクチン接種を受けた。ワクチン接種後に異臭症になった・症状が悪化した人もいれば、逆に病状が良くなったという人もいたので博打のつもりで。

■10月下旬 袋型オブラートとの出会い

引き続き食い意地で色んな食べ物にチャレンジ。

出汁で炊いたおにぎりや、酢飯がいけるということは何か平気なもので誤魔化せば白米を食べられるのでは…?という気づきを得る。

長らく苦しんでいた当帰芍薬散との戦いだったが、「袋型オブラート」という商品との出会いによって劇的に変化する。今まで円形のオブラートしか知らないで生きてきた。もっと早く誰か教えてほしかった。

ただ袋型オブラートにしても飲んだ後の胃からの匂いが変わらずだったので錠剤を試したところ匂いも緩和された。体への取り込まれ方が変わるだろうし本当は細粒状態で飲んだほうがいいのだろうとは思うが…。もし粉薬が苦手・当帰芍薬散が無理って方は錠剤をお試しいただきたい。(処方薬で錠剤があるのかは知りませんが…)

スシローへ行ったら意外と食べられました。いきなりの外食はハードルが高いので、寿司の場合は酢飯・海苔・生魚それぞれ確認する段階を経てからのほうが安全かもしれません。あとは食べられなかったときに押し付けられる理解のある誰かを連れて行くとハッピー


■11月初旬 パン屋開拓

ロールパン・食パンそのままは平気で、バターつけて焼いた食パンが無理ってところまでは試していたんですが、どうしても久しぶりにパン屋のパンが食べたくなって色々買った。

結果、だいたい食べられた。ただ惣菜パンだとネギ類・揚げ物が入ってる事が多いので避けるのが結構難しかったりする。

10月は心が完全に折れててメソメソ泣いたりして過ごしていましたが、11月に入ってから無駄に精神的に立ち直る。臭いものにぶち当たっても「ワハハ臭いわこれ!」って気持ちになる。理由はわからない。

ワクチン2回目が済んだ。副反応は強い倦怠感・眠気で済んでよかった。ただ3日くらいはずっと眠って過ごした。ここで漢方・サプリ(亜鉛・鉄分・ビタミン)を飲むのが中断される。どれの影響か不明だが若干異臭症の病状が悪化し、平気だったものがまた臭く感じたりする。


■11月中旬 湿疹 異臭症が徐々に良くなる

謎の湿疹が全身にいくつかできる。最初はダニかな?と思っていたが長引くので皮膚科に行ったところ「毛嚢炎」との診断。ワクチンのあとだったのもあって結構不安に感じた。

処方された飲み薬・塗り薬を続けるも一向に収まる気配がない。時間がかかるのかなと自分に言い聞かせつつもひどいかゆみ、減るどころか増える湿疹・異臭症のアタックに少し辛くなる。

野菜が猛烈に食べたくなったので、ついに3ヶ月ぶりくらいに自炊を決意。料理はマスクを付けた状態で行った。調理中は凄まじい匂いがしていたが、食べたら案外平気だった。

どうやらいつの間にかかなり回復していたらしい。

Bスポット療法は1ヶ月続けたが途中から殆ど痛みが無くなり、また1ヶ月の間の中でも効果が実感できなかったので11月の中旬で通院をやめている。

以下のどれかが影響しているのかもしれないし、単純に3ヶ月経って細胞が再生してきたのかもしれないし、結局の所はわからない。

・Bスポット療法(1ヶ月 週1~2)
・当帰芍薬散(体調に合わせて休み休み)
・サプリ(亜鉛、鉄、マルチビタミン) ※市販
・ワクチン接種

嗅覚トレーニング(アロマを嗅ぐ)は特にやっていなかった。ただ香水の香りは異臭に感じなかったので、家にいる時でも香水をつけて積極的にその香りを嗅ぐなどの行為はしていた。

香水の香りにも若干変化があった。
臭くて体調が悪くなるようなものを毎日嗅ぐ必要はないが、日々の変化の指標のようなものとして同じ香りを毎日嗅ぐことは体調の変化を感じやすくて良いのかもしれない。

■11月下旬 かなり良くなる

揚げ物はポテチなどもまだ臭いので恐らくまだ無理。ましてや自分の家で揚げ物をする勇気はない。ネギ類もスーパーでネギの前を通るだけで臭いので難しいだろう。ものすごい悪臭に感じるもの以外(ちょっと臭い)くらいのものは大体平気になってきている。

臭かったものの変化もいくつかあった。具体的には白米の匂いが変わった。炊いてる匂いは最悪、冷めてても臭かった白米が炊きたての状態でもさほど臭くなくなった。湯気を嗅ぐとほんのり異臭はするものの、本来の炊きたての白米の匂いがわかるようになった。今までは出汁茶漬け、ゆかりご飯など他の匂いで誤魔化してかつ冷めた状態で食べていたが、それらを使わずに温かい状態で食べられるようになった。

また、1回4錠を1日3回飲まなくてはいけないのに錠剤がものすごい悪臭を放っていた当帰芍薬散さえも「臭いけど漢方ってこんな匂いだよな」くらいになった。あの異常なほどの匂いも結局は異臭症のせいで感じていたというわけらしい。


■12月初旬 大体のものが食べられるようになる

油をフライパンで温め始めると臭かったり、肉を炒め始めると臭かったりはするものの食べる分には問題ないレベルまで症状が落ち着いた。うっかり玉ねぎが入っているものを食べてしまっても「臭い…まあ我慢して食べるか」くらいになった。、食べようとも思わなかったし、うっかり食べた場合も吐き戻してたと思う。

ただしネギ類・にんにくが入ると料理全部がその異臭になってしまうので、自分で調理するときは入れない。今の所これらを避けていれば食事は問題がない。


■12月中旬 完全に自炊を再開

試し試しにやっていた自炊だったが、ほぼ問題がないことがわかったので自分でご飯を作る生活に戻した。長らくロールパンやうどん・豆腐を出汁のみで食べていたのもあって色々なものがしょっぱく感じた。

うっかり玉ねぎニンニクの入ったトマト缶を使ってミネストローネを作ってしまったりしてひどい悪臭の液体を作ってしまったりシたものの、味は問題なかった。

異臭症になってすぐは寝起きの自分の口の匂いが本当に最悪で、「自分の口が臭い→うがいするも水道水が臭い」のコンボを食らっていたがそれがいつの間にか無くなった。

あと、本来の匂いとは違う形に感じてしまうものの、匂い自体は敏感に感じている ような気がしていたりする。あくまで感覚レベルの話。今までほぼ無臭だったものの匂いを感じたりする場面がもともと多かった。目薬なんかもそう(目薬は異臭とは感じない)
「異臭症は嗅覚細胞が再生する過程で発生する」みたいな話をどこかで見たけど、再生してきた細胞だから弱い匂いもわかるのかな?なんて思ったりした。
※思っただけでなんのソースもない


■12月下旬 青ネギ克服

ある日お寿司を食べていて、家族がねぎトロ軍艦を1つ私に渡してきて「試しに食べてみたら?」と言ってきました。恐る恐る食べたら…なんと食べられました。

あのスーパーで山積みされているだけで強烈な臭い発して、マスク越しにも関わらず吐きそうになった長ネギが!?と衝撃でした。回転寿司で横を通過しただけで臭かったねぎトロ軍艦が!? 

特にここ最近は症状の停滞を感じていたので尚更嬉しかった。
大体の食べ物が「我慢出来ないほどではないが多少の異臭はする」「異臭はするが食べられる」でそこからは進んでいませんでした。目指すところは「異臭がしない」ところなのですが、このままだと「生きてはいけるけど美味しくない」で終わりそうだなと不安を感じていたのでこの一歩はとても嬉しかった。

寒い時期だったこともあり、鍋をよく食べた。青ネギを入れるとやはり臭いはキツくなるものの鍋にネギを入れられる喜びのほうが勝ってやや臭い鍋をよく食べていた。


■2022年

■1月初旬 玉ねぎを食べる

12月下旬からの症状の変化はあまりなし。青ネギがいけたのならば…と思って半年ぶりくらいに玉ねぎを買った。炒めたりして火を通してしまえば「臭いが食べられる」レベルにはなるのだけど、包丁で切っているときが一番臭い。本当に臭くて吐きそうになりながら調理した。玉ねぎはまだしばらく使うことはできないだろう…。

コーヒーに関してもあまり改善が見られない。相変わらず臭いし、タバコの吸い殻入れみたいな臭いがする。コーヒーは好きな飲み物だったが、異臭症になってからは臭くてほろ苦い汁になってしまった。


■9月

放置していたnoteですがいい加減締めようと思います。放置していた理由ですが、「生活するのに困らない」レベルに治ってからは微妙な変化にも気が付きにくくなり、結果記録する内容が思いつかなくなったためです。

1月から現在までで変化した内容をざっくり箇条書きします。

・9割くらいの匂いがもとに戻る
・未だにネギ類はきつく感じる
・💩は何故か炊きたての白米と同じ匂い
・コーヒーは美味しく飲めるようになった
・街を歩いていて異臭がするが、なんの匂いかはわからない
・本当に臭いのか異臭なのかすら誰かがいないとわからない
・揚げ物や肉の臭みが異臭症になる前よりも強まったように感じる

半年くらい前までは「生きていけるけど幸せではない」状態でしたが、現在は「異臭(と感じるもの)に出会わなければ普通」の状態まで治りました。

完治とは言えないかもしれませんが、別に💩から白米の匂いがしていてもいいか…と思っています。ただ自分の嗅覚が信頼できる状態ではないので、ガス漏れ・火事などの発生時に気が付けなさそうなところが怖いです。