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ケータイ業界(法人)はどこへ行く?②

みなさん こんにちは  4DL CCOの荒巻順です。今どきケータイ業界とは言わないと思いますが、未だにこの響きになれているということでお許しを。

前回は「いまだ【商材】って使う業界」って話で終わったかと思います。まぁ、間違った使い方でもないんですが昔からなにか違和感を覚えると言うこところで終わったかと。

じゃぁ例えば「商品」とか「お品もの」って言い方なら正しいのかってコトでも無いんですが、ショウザイって響きは、どうにも「小売業」「卸売業」の流通業界としての「仕入側の視点」が強いと思いますがいかがでしょう。

もちろん、ケータイ業界の代理店は小売業に分類されますので、何かを買っていただいて商いが成立ですから、流通業という風土文化があるのは当然。

これは、法人営業であっても基本は一緒ですね、相手が個人か法人かの違いですから。

商材って「商いの材料」って意味なんですけど、法人営業って「商いの材料」は、色々な端末や回線サービスやクラウドサービスなんでしょうか?

そもそも、小売業だとしたら、イオンやヨーカドーの人たちが大っぴらなところで「商材」って言い方していますか?間違いなくしていないと思います。

少なくとも社内でも、商品とかサービスって言い方だと思います。

よく考えてほしいのですが、産業分類でいうと「一次産業」「二次産業」「三次産業」というのがあるのはご存じ通り。

この「一次 → 二次 → 三次」って次元があがると何が変わるのかって判っていますか?

高次元になるほど「付加価値が高い」という意味です。 加工度合いが高い、独自ノウハウが価格に転嫁されている。こうなってくるのが次元が上がる本来の意味だと私は認識しています。

では、この次元を少し考えていただきたいのですが、一次産業の代表は農林水産業です。自然からの恵みを刈り取ることを付加価値としたビジネス。

二次産業の代表は製造業や運送業でしょうか。素材を機械設備をつかって大規模に、人手ではなく自動化されたラインなどで大量生産を行い付加価値をつくるビジネス。

三次産業は、一般的にサービス産業分野と言われます。人の手を介して更に付加価値を高めようという産業です。ここの代表はケータイ業界を含む小売業も分類されますが、他には観光業とかシステム開発業なども含まれます。

近年は、この業種分類というのも色々と社会が複雑高度化していますので当てはまらないことも多くなっているのは事実です。

さて、そんな中で元々通信キャリアはどこに分類されるのか?

一次産業でもない、二次産業でもない、そして無形である情報流通させる産業として統計的な分類上では三次産業になっています。

しかし、明治時代の逓信省から始まり、昭和の後半まで電電公社と言われたお役所時代は、間違いなく二次産業扱いだったはずです。理由は簡単です。機械装置で自動化された仕組みでチャリンチャリンと交換機が稼ぐビジネスモデルでしたから。

つまり、製造業と同じ感覚のビジネスだったはずです。交換機と伝送路という設備をインフラとして全国津々浦々に提供し、大規模投資は必要だがいっぺん動き出せば機械が付加価値の中心と言う奴です。

以前にもどこかで書いたことがありますが、私が通信業界のご支援をする中で20年以上前から口酸っぱく言ってきたのは「機械装置産業からの脱却」「機械装置産業からサービス産業への進化」ここを旗印に、色々な研修やら試験を設計してきたつもりです。

機械装置産業におけるビジネスモデルの肝は、機械装置にどれだけノウハウを突っ込んで効率化していくか。その中で生産性を上げるために大量投資をして材料をどれだけ捌けるかが利益の源泉。

これが、通信業界のDNAだと思います。間違っているとか言う話ではありません。生まれがそこなんですから仕方ない。

つまり、法人営業部門とかの日常会話の中で出てくる「商材」という言葉は、仕組みに流し込む材料としての「仕入」を意味することを軸に発想をしている言う意味ではないかと感じてしまうのです。

仕入は、ビジネスの入口ですよね?

お客様は出口にいらっしゃる方ですよね?

なんで、お客様の話をする時に、仕入を軸に物事の発想が始まるのか?不思議で仕方がない。

もちろん、仕入があってこそのビジネスです。しかし、高次になればなるほど仕入が少なくなり(原価率が下がる)、付加価値が上がるモノでは無いかと思います。

これはもちろん私の受け止め方の問題ですから、いやいやそんな意味は無いよっていわれる方も多いと思います。

ただ、細部に神は宿るとも言います。言葉の使い方がその業界の風土文化や、普段のあり方に表れる部分もあるのではないかと思います。

ということで長いから続く。

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