現代4コマオールスター展2024に、参加クリエイターでもないのに全日行ってしまった感想と備忘録
現代4コマオールスター展2024。
総勢20人の現代4コマ作家が集結し、31点の新作や20点のキャンバスアートを含めた、合計162点以上もの作品が展示される、大規模な現代4コマの展覧会。(※これらは発表当時の数値であり、実際は期間中作品数が増え続けていた)
以前から現代4コマをこっそり観測していて、いとととさんの「現代4コマ展」にも訪れたことがあった私は、イベント発表時点で、必ず展覧会の初日に訪れると決意していた。
一日目
予定通り原宿駅着。デザインフェスタギャラリーは一度訪れたことがあったので問題なく着いた。
部屋全体が映る写真を撮っていなかったから細かい位置はうろ覚えだが、最初にこの二作品が目に入ってきた。
撮影可の表示まで4コマになっているある種の徹底っぷりと、「運命を思いついた瞬間」をパロディした作品がいきなり展示されている事実がめちゃくちゃ面白くて笑ってしまった。これぞ現代4コマの展覧会だ。
ヨングラスを見て笑ってるくらいのタイミングでいとととさんから声をかけられた。
私に見覚えがあると言われたので「以前、いとととさんの現代4コマ展に行ったことがあって…」と答え、改めて自己紹介しようと思ってスマホを取り出しかけた辺りで「もしかして、マサヤンさんですか?」と聞かれた。
まさか覚えてもらってるとは思ってなかったのでめちゃくちゃびっくりしたし、すごく嬉しかった。
「真面目な4コマと変な4コマが同居していて、かつ両方とも起源が同じなのは現代4コマ展の独自の面白み」という話で盛り上がったりした。
ちなみに、「真面目な4コマ」としてなむさんや:)さん(読み方はさておき、文面ではどう書くのが正解か分からない)の作品を、「変な4コマ」として雀100さんの作品を指して話したらいとととさんに「それ聞いたら雀100さん喜びますよ」と言っていた。
雀100さん、喜んでましたか。私は変な4コマが大好きです。
いとととさん、トウソクジンさんら在廊していた作家の方々と話す機会が多かったのがとても嬉しかった。その場で解説や裏話を聞けるのは楽しかったし、展示されている作品から「これはどこが4コマなのか」と議論が始まったりするのは貴重な経験だった。
なかでも印象に残っているのはコマ4表現についての話で、「現代4コマの中でも邪道」「4コマでもコマ4でもない作品が展示されている」と散々な言われようだった。
特にこれ(下画像)は「4コマでもコマ4でもないのでは」「4でコマを表現して無い」と大評判だった。現代4コマより定義がはっきりしている分、「これはコマ4なのか」の議論が生まれやすいのだろう。
「コマ4表現展」も見てみたいなと思ったが、この「見てみたい」はホラー映画とかに感じるタイプの興味かもしれない。多分現代4コマ展以上に意味がわからなくなるだろう。
一通り展示を見て、現四通信の嘘広告がツボに入るなどした後、コマ人間・4コマ子のアクスタとクリアしおり、純粋4コマキーホルダーを購入し、キャンバスアート2点(指紋が二つ少ない人、Entrance)を売約させてもらった。
「指紋が二つ〜」の方の作家であるなむさんは明日在廊されるとのことで、サインをいただくために明日また訪れる事になった。
「やはり現代4コマはすごいなあ」と、「やっぱ変だよこれ」が同居した、なんというか訳のわからない感動をした。貴重な経験だと思う。
二日目、訪問する前に
さて、オールスター展1日目を訪れた後から、「現代4コマ、面白い…」という気持ちが再燃した私はこんなことを思っていた。
自分も現代4コマやりたい……
あの面白い空間に自分も加わりたい、何かしら4コマを作りたい、そんで急にアカウント作って二日目に訪れた時にびびらせたい…
そんなわけでアカウントを作った。
こういう行動力には自信がある。(単に後先考えてないだけ)
で、実は既に前日に作ってた作品を投稿した。いきなり作品投稿した方が「現4のアカウントを始めた」っぽいかなと思ったので1日寝かせた。
まあそんなに注目されないだろうな〜と思っていたが、
本当はいきなり「こう」なった。
早いって。二日目に行った時に「実はわたし、現代4コマのアカウントを始めまして…」「えーっ!?」を狙ってたのに。
というかこのスクショだと分からないけど、いとととさん含む数人は作品を投稿する前の、プロフィールを設定した時点で私をフォローしていた。
プロフに#現代4コマって入力してたし、恐らくタグからアカウントを見つけたんだろうけど、それにしたって早すぎる。怖いって。
秘密結社に入った時の第一声みたいなDMも送られてくるし、現代4コマの界隈人たちは常に現代4コマに関連するものを監視してるのかもしれない。
かくして私の目論見は破れ去った上、アカウント作成周りで無駄に時間を使った事が現4AS展への到着予定時刻に40分も遅れる原因となってしまった。(なむさんが12〜13時頃に到着されるとのことだったので、14時ごろに伺うと連絡をしていた)
やっぱり前日夜にやるべきだったかもしれない。
二日目
大幅に遅れながらも二日目に到着。
正直この日は「サインもらってキャンバスアート受け取って、ちょっと私のアカウントの話とかして帰るか〜」と思っていたが…
あれ?
おいおいおい!
こんなのなかったぞ!?
作品が増えまくってました。
そういえば「二日目から展示される作品もある」とは聞いていたけど、ここまでとは思わなかった。
いや、全部が作品なのかなこれ…悪ふざけっぽいものもあったけど…。(ブルーレットとか)
とにかく、見るものは間違いなく増えていたので、1日目に訪れた私も飽きることなく展示を楽しむことができた。
ちなみに、増えた分で特に気に入ったのはこの3作。
元々鑑賞者が体験できるインタラクティブな作品が好きなので、これはかなり気に入った。体験の仕方が「破壊」なのがちょっと罪悪感を誘うのも良い。
どことなく「隠れミッキー」を連想させる、机の下に貼られていた一作。こういう下手したら見落とすような要素が増えているの、「二周目」って感じがして良かった。見つけた人が思わず写真を撮って報告したくなるところがよく出来ている。あと、上が長くて4コマになってる「見」はちょっと可愛い。
会場のトイレまでの位置を示した地図に、デュシャンが便器にサインを施したあの作品と同じ「泉」の題がついているのは秀逸だと感じた。
デュシャンの方の「泉」を知っている人なら、なんとなくこれがトイレの地図だとわかる仕掛けがニクい。
結局、当初の予定とは異なり、じっくり鑑賞して長居してしまった。
1日目は居なかった作家の方が多かったのも嬉しかった。なむさんにも直接キャンバスアートの感想を伝えられたし、作家の方達と交流できるのはやはり嬉しい。
で、せっかくだから在廊している皆さんからサインをいただくことにした。
こうして、現4AS展二日目の鑑賞を終えた。同じ映画を2回見ると前は気付かなかった所が見えてくる、とよく言うが、展覧会もそうかもしれない。まあ内容増えてるんだけど。
キャンバスアートも購入したし、帰り道で綺麗な4コマも見つけたし、本来ならこの日で私の現4AS展鑑賞は終わるはずだった。だったんだが。
二日目の後
帰宅してしばらく経ち、キャンバスアートを壁に飾ったりしつつ現4AS展の事を思い出していた時、ふとこう思った。
現代4コマオールスター展2024に、行きたい。
不思議な事に、確かに満足していたはずだったのに、少し時間が経ったらまたあそこに行きたくなってしまった。
あの4コマに囲まれた空間に行きたい。また現代4コマたちを眺め、「これ意味わかんないな〜」とか「これの発想すごいな」とか思いたい。でも、出展クリエイターでも無いのに三日来てたら流石に怖いか…?
そう悩んでいる折に、雀100さんから再びDMが届いた。
タイミング悪く会えなかったものの、どうやら在廊はしていたらしい。
迷っていたが、流石に直接「明日来るようでしたらお声掛けください」なんて言われたら行く方に心が揺らぐ。サイン欲しいし。
「明日絶対行きます」と返答することは流石にできなかったが、「逆に全日参加しても良いかも」は紛れもない本音だ。
そして悩みに悩んだ末、翌日。
三日目
全員にドン引きされない事を祈りながら原宿駅に到着。
正直家を出る数分前まで悩んでいたが、この投稿を見て行くと決意した。
こんなの絶対只事じゃない。
絶対ここでしか見れない光景が広がっている。
もう完全に覚えた道筋を辿ってデザフェスギャラリーへ。
もっと驚かれるかと思ったが、原宿駅に着いた事を投稿していたからか、「今日も来たんですねえ」くらいの感じだった。いや内心ドン引かれていた可能性は否定できないが。
いとととさん辺りに「だいぶ沼にハマってますね」みたいな事を言われた気もする。ええ、ハマったんです。
案の定というか、三日目は二日目以上にカオスなことになっていた。
入り口すぐに謎の4コマ仮面(アラヤマさん)がいるし、
ヨングラスの補修に使われたアロンアルファがそのまま展示してあるし、
ネタツイは伸びまくるし、
撮影可の4コマはとうとうコマ人間になっていた。
もうなんというか、作品が増えてるんだか悪ふざけが増えてるんだか分からない。
いや、一応文句なしに作品と呼べるものも増えてはいる。
例えば、「鏡を用いた作品から反射した光が4コマになる」という事が初日の時点で発見されていたが、いつの間にやら正式に作品名がつき、作品になっていた。
「課金したことで、コマ数が無制限に」なんかはかなり現代4コマらしい発想の素晴らしい作品だった。青バッジが立体的である事でより味が出ている。
ブルーレットの下に純粋4コマが置かれたことで、ただの悪ふざけが実写版「ブルーレット置くだけ」になったりもしていた。悔しいが、元ネタがある以上作品だと認めざるを得ない。
現代4コマの定義が広すぎるせいで作品なのか悪ふざけなのか全くわからない。逆にいえば全部作品とも言える。んぷとらさんの頭が増えてたのも立派な作品だ、多分。
雀100さんから謎の課題が出されていたが、これも「証明せよ」と言われてる以上4コマではあるんだろう。
「死角の四角」は自分がいるタイミング(しかも終了1時間前くらい)に増えた作品だ。こんな時間に作品が増えるわけがない、というところまで含んだ「意識の死角」でもあるのかもしれない。
いやもうキリがないから辞めよう。
とにかく、リアルタイムで変なものが増え続け、それが作品なのか悪ふざけなのかは厳密に定義されず解釈がこちらに委ねられるのは、ある意味最も現代4コマらしい行為だと思った。
あと、会期が3日でよかったとも思った。一週間とかあったら部屋中が付箋で埋まる。
実を言うと3日目は特に印象的なことがなかった(というより、展示のインパクトが強すぎた)ので意外と書くことが少ない。
トウソクジンさんに「雀100さん来られてますよ」と教えてもらったので「あ、雀100さん」と話しかけたら、一方的に名前を知ってる変なやつみたいになったりはしたが。
今思えば全体的に雀100さん絡みの出来事が多い三日間だった。今後とも仲良くしてください。
あとは、作家なのかただの現4フリークなのかわからない人が「毎日来てるやばい人」みたいに私の事を言っていたのは聞いた。誰が吹き込んだんだ、事実だし別に良いけど。
終わりに
そんなわけで、現代4コマ展の開催が終わる17:00頃、電車の中でタイムラインの「お疲れ様でした」系投稿たちを見て「ああ、終わったんだなあ」と一抹の寂しさを覚えながら、短いようで長かった現代4コマオールスター展2024への訪問が終わったのだった。
よく分からないが賑やかな異国のお祭りのような部分がありつつ、確かに何かを訴えかけてくるところもあり、いつかは私の作品もこんな場に飾られるようになりたいと強く思わされた。
そしてその日の22:00頃、私はそんな思いを込めて、一作の現代4コマを投稿した。
訳あって貼り付けが正常にできないので、一番下のリンクから飛んで見て欲しい。そしてもし良かったら、アカウントに飛んで他の作品も是非見ていって欲しい。
まだ作品数は少ないけど、少しでも気に入ってもらえたら嬉しい限りだ。
https://twitter.com/4_masayan/status/1820083091593101572
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