人狼ゲームをテーマにした楽曲「The 7th test」

2023/10/16に公開した3曲目の制作曲の解説含めたものです。完全に初心者が無課金で1人で作ったものなのでクオリティはそこまで高くないです。イラストも自分で描いてます。

UTAUを8人使用した楽曲です。
某楽曲にも似たような曲がありますが、この曲はできるだけゲーム性がありどんでん返しがあるような面白い展開にしたいなーと思いながら制作しました。しかし5分ちょい(それでも曲にしては長めですね)でそれをまとめるのは結構難しいですねw


歌詞

【プロローグ】
セット
「この村に狼と狐がいて
 狼は1人ずつ食い殺す。
 狐は隙を見てその村ごと
 乗っ取ると言われている。
 そんな夜、遠吠えと共に
 響き渡るのはヒトの悲鳴、
 日が登り照らしたものは
 引き裂かれたゼロだった。」

【1日目】

スィス
「われ、天啓を授かりサンクはヒトであると。」

ドゥー
「セットが狼でない。天啓を受けたのは僕だ。」

キャトル
「天啓を授かりしものは1人しかおらず、
 ドゥーとスィスどちらかは偽になります。」

アン
「このままじゃ狼にやられてしまうだけ。
 今日ここで1人を追放するしかない。」

ユイット
「このどちらかはゼロを殺したんだな?!」

スィス
「ドゥーは、狼に心奪われたものか?」

セット
「待って。死者の姿を見るものはいないの?」

サンク
「残念ながら、その方はゼロのようだ。
 ここにそれを名乗るものはいなく。」

トロワ
「なら代わりに私が導くわ。
 私は狼も死に至らしめる毒を有するものよ。」

ユイット
「なぜそれを明かすのか? 
 狼を狩るチャンスを逃して!」

キャトル
「ここには狐もいるんですよ」

セット
「狐は狼の手で仕留められないの。」

キャトル
「狼がもし先に死んだら
 狐が支配すると聞いてます。」

ドゥー
「狐に関しての心配は無用。
 その処理は僕におまかせあれ。
 サンク、お前を問いただそう。」

各々思いのまま
疑わしいとこを指し
数多となったのはユイット
さあ、追放の幕があけ
彼は火祭りへと
もはや彼を知るすべはない

あぁ、取り返しつかない
歯車、回り出す
無慈悲にも足音が鳴る
近くで止まないように
誰しもが願った
そして夜、牙を向かれたのは…

【2日目】

トロワ
「なんでゼロに続きアンが…! お願い目を覚まして。」

キャトル
「もう手遅れです。狼にやられたのでしょう。」

ドゥー
「アンを殺した奴は、サンク、お前が狼だ!」

スィス
「そんなわけないだろう偽物が。
 天啓よりキャトルはヒトだ。」

セット
「ドゥーが真、サンクが狼で間違いないの。
 スィスは明日(あす)私を狼というつもりでしょ?!」

キャトル
「なぜ、ドゥーの狼を追わないのでしょうか?」

トロワ
「明日スィスに狼と言われるのが
 分かってる狼に見える。」

サンク
「セット、白状したな狼よ。
 今日は偽物のドゥーを炙れ。」

スィス
「そうだ!セットはドゥーの非狼見えてる。」

セット
「ドゥーのほうが真の行動でしょ?」

キャトル
「どちらかというのならドゥーが偽だと思います。」

ドゥー
「今日スィス炙り、キャトルを問いただす。」

トロワ
「無理ね。今日炙るのはドゥーよ。」

セット
「そんな…ドゥーは間違ってないの。」

セットとドゥー2人の主張は
儚く潰れ行く
ドゥーは火にかけられて叫ぶ
あぁ、この村は終わりだ
遺したその言葉が
嘘であってほしいと願って

運命の分かれ道
選択は正しいか?
明日がおそらく最終日
平和は来るのかそれとも
狼にやられてしまうのか…
狐は残っているのか…

【3日目】

トロワ
「今日は5人とも無事に生きて何よりで。」

スィス
「天啓よりセットが狼だ。分かってはいたけど。」

セット
「私は惨劇を防ぎしものよ。」

サンク
「それは俺だ。セットからスィスを守った。」

セット
「キャトルを狼のサンクから護衛したの。」

キャトル
「セットは本当にスィスを噛むのか疑問です。
 セットが余計怪しくなってしまいます。」

セット
「いいの。今日スィス炙り、キャトルを護衛する。
 サンクは私に護衛寄せて。
 もし明日誰も死ななかったら
 私が狼でないことが分かるのよ。」

トロワ
「セットが狼ならどこも噛めない。」

キャトル
「サンクがセット護衛してるのなら
 どこも噛みは防げないです。」

トロワ
「ごめんなさい、狼でこの提案は無理ね。」

キャトル
「狼は襲撃衝動(ほんのう)に耐えられない
 2日空腹は無理でしょう。」

セット
「あとは狐が落ちてることを
 ただ、願うことしか希望はない…」

スィス
「狼の戯言だ、明日破綻する。」

スィスは炙られて
明日こそ最後か?
狼は明日白日の下へ
追い詰められた狼は
毒か?火炙りか?
ただ最期の選択に迫られる

惨劇を防ぎしもの
真はどちらなのか?
村にはまだ希望はあるか?
迎えた最終夜
誰かがどこかで
ひっそりと夜笑ってるのか?

【4日目、エピローグ】

また日が落ちてまた登る
空の向こうは何も変わらない
惨劇が始まり4日目の朝に
トロワとサンク、2人が死んでいた。

キャトル
「とうとう私たち2人ですね。狼は駆逐できたようです。
 でも私こそが狐なので…」

セット
「わかっていたよ、キャトル。最初から。」



登場人物 / UTAU音源

  • ゼロ(1日目犠牲) / なし

  • ユイット(1日目追放) / ルーク

  • アン(2日目犠牲) / 空花ルア

  • ドゥー(2日目追放) / 悪音キン

  • スィス(3日目追放) / ミヲサザナミA

  • トロワ(4日目犠牲) / クリノクロア

  • サンク(4日目犠牲) / 螺旋音リボ

  • キャトル(生存) / 重音テト

  • セット(生存) / 雨音ルイ


全体解説(ネタバレ含む)

The 7th testはもともと「第7回目の実験」という意味合いでつけました。人狼をテーマにした実験の7回目という意味です。そしてこの曲はセット視点をメインに描かれています。
登場する9人はとある村に住んでいてそこでゼロという犠牲者が出てしまうことから始まります。そこで狼の存在を認知します。
実験が7回目であり、ゼロが死亡してもいきなり最初から天啓の話をしてることから最初の状況に慣れている人も多いことが分かります。
しかし、狐の存在については基本的に知る方法はありません。狐は第7回目にして初めて導入された存在で初めての実験になります。それに伴い実験人数も増やされてます。初めから狐の存在を知っているのは狐本体であるキャトル、天啓で狐を処理できることを知っているドゥー、そして狐を保護しようとしてるセットの3人だけになってます。また歌詞にある通りセットは初めからキャトルが狐であることを知ってます。
セットは全員が狐の存在がいることすでに知っているものだと思い込み初日朝にしてその存在を明かしてしまいます。さらにセットは後に狐は狼の手で仕留められないという情報も話してしまいます。この情報も狐のキャトルとセットの2人しか知りません。
でもなぜセットがそのことを知っているか他の人たちが疑問に思わなかったかというと初日朝の言葉がセットが言ったことということは明確になってなかったからです。
今回9人で行われた実験にユイットは初参加します。セットは最初に狼と狐の存在には触れるものの、狼に心奪われたものなどといった存在には触れてないのでユイットはドゥーとスィスの片方に狼がいると予想します。対して自身が狼に心奪われたものであるスィスは対抗をそれで置きます。初参加ということもあり慣れてないユイットは初日に死亡してしまいます。
スィスが2日目に天啓によりキャトルをヒトと言ったことでセットはドゥーが真であることが分かります。狐は天啓によって問いただされると死んでしまうからです。そして狐の天敵となる真のドゥーを殺すために自身が狼に見えるような動きをとります。(歌詞だけなのでなかなか伝わりにくいですが) そして狼より狐を先に殺さなければならないことを利用してドゥーを殺すことに成功します。3日目誰も死ななかったことにより狼は狐のキャトルを噛もうとしたことをセットは察します。そして今度は本当の狼を殺すために惨劇を防ぎしものと主張して狼を詰ませるような護衛指定を提案します。そして偽のスィスを殺しにいきます。ここでセットは狐が落ちてることを願うしかない、とスィスの非狐が透けたような発言をしてしまいます。
追い詰められた狼のサンクは毒と火炙りなら前者を選び、トロワとともに死んでいきます。
そして第7実験はキャトルとセットの2人の生存で終了します。

登場する9人の名前はフランス語の0から8の読みをとったものです。多少読み方のニュアンスが違うかもしれませんがそこは大目に…。1番大きい数8にあたるユイットは人数が増えたことにより導入(?)された人なので初参加ということになってます。


ゼロ / 0

初めの犠牲者であり、同時に【死者の姿を視るもの】〈人狼で言うところの霊能者〉です。でも第7実験では狼は1人しかいないため生存してても特に意味をなさない存在でした。1つ言えば死者の姿を視るものをセットが出させようとしてたこと、トロワが代わりに導くといったことから本来生きてれば村を導く存在にもなり得た人物だったと考えられます。

アン / 1

2日目の犠牲者です。また本当の【惨劇を防ぎしもの】〈人狼で言うところの狩人〉です。初日に他の人たちが話しているときにずっとどこを守るか考えていたのであまり話には参加してません。しかし2日目に呆気なく狼に殺されてしまい、後にその役割をサンクとセットの2人に乗っ取られてしまいます。

ドゥー / 2

【天啓を授かりしもの】〈人狼で言うところの占い師〉です。初日にセットを問いただしヒトと、2日目にサンクを問いただし狼と授かり、3日目に狐のキャトルを問いただそうとしますが2日目に偽と見られて火に炙られて死亡してしまいます。ドゥー自身の行動としては目立った落ち度はなかったのですがセットの発言などからセットが狼だと思われてしまったことで偽に見られてしまいます。でもドゥーを偽とみたのは問いただした狼のサンクと対抗のスィスとドゥーの真が分かってる狐のキャトルであるためその圧力にトロワも負けてしまい指定されて殺されたとも考えられます。


トロワ / 3

【狼も死に至らしめる毒を有するもの】〈人狼で言うところの埋毒者〉です。村を導く役割を担おうとしますが2日目で本当の天啓を授かりしものであるドゥーを火炙りにかけてしまいます。3日目犠牲者がいなく、セットとサンクが惨劇を防ぎしものと出てきます。そしてセットが護衛指定の提案をしてきたことでセットの非狼に気づき自身が火炙り対象を間違えてしまったことを自覚します。そして4日目に狼に襲われて狼のサンクを道連れにして死亡します。


キャトル / 4

第7実験にして初導入された【狐】〈人狼で言うところの妖狐〉です。キャトルは自身が狼に襲われないこと、天啓で問いただされたら死ぬことなどを知ってます。そしてセットと同じくその情報はすでに全員が知っているものだと思い込んでいたのでセットが狐についていろいろ情報を知っていることすら疑問に思うことはありません。2日目にスィスからヒトと言われたことでドゥーが本当の天啓を授かりしものであることが分かり、なんとかドゥーを殺しにいこうとします。基本的に流れに乗って発言をすることが多い印象です。そしてなんとか最後まで生き残ります。


サンク / 5

今回唯一の【狼】〈人狼で言うところの人狼〉です。初日にスィスからヒトと言われたことですぐにスィスが偽であることを知ります。2日目にドゥーから問いただすと言われるがここでドゥーを襲うと自分の狼の可能性を追われやすいと思い、狐を早く処理させたい気持ちもあったことから天啓を問いただされてないアンを襲うことにします。2日目で真のドゥーを殺した後、セットを狼に仕立てたいことから消去法的にキャトルを襲おうとしますが失敗します。そしてセットから自分が惨劇を防ぎしものだと言われ、このままだとスィスが破綻してしまうので対抗に出ます。しかしセットの護衛指定の提案により詰んでしまったことに気づいて黙ります。ここでサンクは4日目に最後の可能性に賭けます。それはトロワの狼も死に至らしめる毒を有するものが嘘であることです。ところが焦っていたサンクはトロワが嘘をついていたなら襲えると思い、そのままトロワを襲って毒で死亡します。トロワが嘘をついているとみるなら狐が死亡していてかつトロワの仲間にかけてセットを襲うべきでした。


スィス / 6

天啓を授かりしもののフリをした【狼に心奪われたもの】〈人狼で言うところのきょーじん〉です。スィスは狐の存在を最初は知りません。なので対抗のドゥーが狐の処理とかどうとか言っていることが理解できてません。2日目にドゥーがサンクを狼と言ったことで初日にサンクにヒトと言って狼にアピールできていたことに喜びます。そしてセットの発言を利用してセットを狼に仕立てられると思います。しかし3日目でセット狼と言ったときにセットが惨劇を防ぎしものといいサンクが対抗に出るもセットが狼を詰ませる護衛提案をしてしまったことで負けを自覚します。そして明日破綻すると遺言を残して3日目に火炙りになって死亡します。


セット / 7

だいたい全体解説で話した通りです。なので省略。


ユイット / 8

第7実験で人数が9人に増えたことで初めて参加したが初日に火炙りにされてしまった【特に能力を与えられなかったもの】〈人狼で言うところの村人〉です。よく分からないなりに天啓を授かりしものの内訳や、狼も死に至らしめる毒を有するものが出たことへの疑問などを話しますが初日に疑われてしまい殺されてしまいます。



3日目のセットの護衛指定提案の解説

3日目の時点での生存者は次のようになってます。
5人生存しているため2人火炙りにすることができます。〈人狼で言うところの残り2縄〉

  • トロワ (毒を有するもの主張)

  • キャトル

  • サンク (惨劇を防ぎしもの主張)

  • スィス (天啓よりセット狼と主張)

  • セット (惨劇を防ぎしもの主張)

3日目での盤面は次のようになってます。
【天啓を授かりしもの】
>ドゥー → 非狼:セット 狼:サンク
>スィス → 非狼:サンク,キャトル 狼:セット

まず、初日死亡したゼロが【死者の姿を視るもの】であることが確定してるため、【天啓を授かりしもの】は確実にドゥーかスィスのどちらかです。よって【狼】はサンクかセットとどちらかに確実にいることになります。

トロワの【毒を有するもの】が(1人しか主張がいないため)本当であると仮定すると、スィス視点はサンクとキャトルが非狼であり、セットが【狼】となります。またスィス視点は【狐】がすでに死亡してます。そしてサンクやキャトルが【狼に心奪われたもの】の可能性を追わないならスィスは今日火炙りにされてもまだ1回炙るチャンスがあるので大丈夫です。

ではセットが提案した護衛指示は(スィス炙りの後)
>セット → キャトル護衛
>サンク → セット護衛

これを2通りで考えてみます。

1, セット狼、スィス真のとき
セット視点の噛み先はトロワ、キャトル、サンク。
トロワ噛み→毒に反撃され死亡。
キャトル噛み→護衛破綻で翌日火炙り。
サンク噛み→狼位置いなくなり破綻で翌日火炙り。

よってセット狼なら、キャトルの1犠牲、サンクの1犠牲、トロワとセットの2犠牲のいずれかになります。サンクはキャトルやトロワに護衛を寄せてなく、狐は死亡してるため噛めないということはありません。

2, サンク狼、ドゥー真のとき
サンク視点の噛み先はトロワ、キャトル、セット。
トロワ噛み→毒に反撃され死亡。
キャトル噛み→セットに護衛されて犠牲なし。
セット噛み→狼位置いなくなり破綻で翌日火炙り。

サンク狼なら、セットの1犠牲、トロワとサンクの2犠牲、または犠牲なしのいずれかになります。

ここから分かるように4日目に犠牲なしが出た瞬間にサンクが狼であることが明らかになります。よって翌日の犠牲を見ることでどちらが狼か知ることができます。


※例外 サンクとセットの両方が偽のとき
第7実験ではこの場合分けにあたります。
この場合もどちらかが【狼】であることは確定してます。また2人ともドゥーとスィスの両方から問いただされているため2人の【狐】は否定されます。(狐は天啓により問いただされると死亡)

2日目にドゥーが火炙りにされてから犠牲者が出てないので、【惨劇を防ぎしもの】の護衛が成功した、または【狼】が【狐】を噛もうとしたということになります。
サンクとセット両方とも偽である場合は後者が起こったと分かり、この時点で【狐】が生存していることになりスィスの偽が確定します。
よって両方偽ならサンクが【狼】です。
このときの【狐】候補はキャトル、スィスのいずれかになります。
・キャトルが【狐】のとき(3日目キャトル噛み)
サンクはキャトルを噛み抜くことができないため犠牲なしになります。
・スィスが【狐】のとき(3日目スィス噛み)
サンクはキャトルを噛み抜くことができます。この場合のみサンク狼でもキャトルの1犠牲を出すことができセットを破綻させることができます。
しかし、本編ではサンクはキャトルを噛もうとして失敗してるのでこの例外が起きることはありません。



人狼の噛みなし禁止、狩人の連続護衛ありという村側有利な条件下での理論です。(人外数が多いので配役的に村側有利ではないですが)
人狼のアプリによっては人狼の噛みなしが可能だったり、狩人の連続護衛がなしだったりするのでこの理論が成り立たない場合があります。