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約束の朝。目覚まし時計が鳴る前に目が覚めて、カーテンの隙間が縦に白く光っていた。よし、予報通りの快晴だ。カーテンをひいて窓を開けると、眩しい朝日とまだ暑くなる少し前の爽やかな風が押し寄せて、僕の冴えない部屋が明るく一変した。今の気持ちは吹奏楽コンクールで聴いた課題曲『煌めきの朝』がぴったりで、僕は今、『陽キャの朝』の煌めきを浴びて浮足立っているんだなと可笑しくなった。 目的地までは電車で六時間かかるから、実際の滞在時間はほんの数時間ほどになる。会って話せる時間が短いのは少し