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高額医療費制度で医療費が安くなる|FP解説、医療保険なんていらない

日本では全国民が加入する健康保険制度があるため医院や病院で支払う治療費は基本3割です。
しかし民間の保険会社でも医療保険が販売されており、加入している人はたくさんいます。

今回解説するポイントは

・医療費を安くする公的な制度がある
・保険会社が販売している医療保険は不要

医療機関で健康保険証を提示するほかにも、高額医療費制度を利用することで医療費の自己負担を少なくできます。

ファイナンシャルプランナーの筆者が高額医療費制度のしくみと利用法について解説します。3分で読めます!


健康保険制度は公的な医療保険

日本ではすべての国民が健康保険制度に加入しており、国民皆(かい)保険とよばれます。つまり国がやっている医療保険にすでに入っているのです。

医療費の自己負担は3割となっており、総治療費が1万円だったとしたら3千円の自己負担で済みます。

職業によって加入する健康保険が異なります。

・会社員、公務員は健康保険
・自営業者は国民健康保険
・高齢者は後期高齢者医療制度


自己負担額は3割、しかし上限がある

手術などで大掛かりな医療を受けた場合、総医療費が100万円だったとすれば自己負担額はその3割で30万円だと思われるでしょう。
しかし高額医療費制度というものがあり、自己負担額には上限が設けられています。
総医療費の3割分をいったん支払った後に、自己負担額の上限を超えた部分が払い戻されるものです。

自己負担の上限は被保険者の収入水準で決まります。

70歳未満の方の区分

出所:全国健康保険協会
※標準報酬月額・・・4月~6月分の給与の平均額
※多数該当・・・療養を受けた月以前の1年間に3か月以上の高額療養費の支給を受けた場合に4か月目から多数該当となり、自己負担限度額がさらに軽減されます

収入水準が区分ウだとすれば
手術などで100万円の医療費だった場合、8万7千円が上限になります。
病院の会計で保険証を提示して30万円を支払ったとしても、差額の21万3千円が後で戻ってきます。

また、高額医療費限度額認定証はあらかじめ交付を受けることもできます。
普段から高額医療費限度額認定証の交付を受けていて、高額な医療を受けたときに会計に提示すれば最初から8万7千円だけの支払いで済みます。


高額医療費限度額認定証の取得方法

健康保険の方
会社員で保険証の交付者が協会けんぽであれば、協会けんぽに交付申請します。

国民健康保険の方
自営業者で国民健康保険に加入しているのであれば、交付申請先は自身の住む市区町村となります。


保険会社の医療保険は不要

保険会社の医療保険に加入していて、その保険料が月5千円だったとすれば1年で6万円、10年で60万円も払い込みます。
高額医療費制度で自己負担の上限が8万7千円であるのに何十万もの保険料を払って医療保険を掛ける必要はありませんね。
だいたい保険会社の営業員は公的医療保険制度をお客に教えないで医療保険の加入を勧めてくるものです。


健康保険料は会社が半分負担してくれる

健康保険(会社員、公務員が加入)では、保険料は会社と折半、つまり保険料の半額を会社が負担してくれるのです。また、扶養制度があり、妻や子が扶養であれば、彼らの保険料の納付はいりません。ほかにも傷病手当金、出産手当金などがあります。

国民健康保険(自営業者)は、保険料は全額自己負担で扶養制度はありません。妻や子もそれぞれ保険料を納める必要があります。また傷病手当金や出産手当金はありません。


まとめ:高額医療費限度額認定証を今すぐ入手しよう

今回の要点は

・高額医療費制度
・保険会社の医療保険は不要

これらについてそのしくみと理由を解説しました。
 
高額医療費制度があるおかげで、大がかりな治療や手術を受けたとしても自己負担額は10万円以下で済むのですね。
これなら保険会社の医療保険に頼らなくても、自身の持ち金でらくらく支払いができるのはお分かりいただけたでしょう。

病気やけケガはいつ発生するかわかりません。もしもの時のために、高額医療費限度額認定証の交付申請をして、保管しておきましょう。

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