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事件記録廃棄

◆弁護士 飛田 博

2022年11月10日 日経新聞夕刊9頁

「事件記録廃棄で聞き取り」「神戸連続児童殺傷当時の家裁職員に」「最高裁」との見出しの記事から

最高裁は少年事件の記録のうち、史料的価値の高いものは保存期間満了後も廃棄せず、事実上の永久保存に当たる「特別保存」とするよう内規で定めている。対象は全国的に社会の耳目を集めた事件などとしていたが、神戸の連続児童殺傷事件以外にも長崎佐世保市で04年に小学6年の女児が同級生に殺害された事件など、複数の重大少年事件で記録が廃棄されていたことが10月に判明。各地の裁判所ごとに運用が異なる実態も浮かんでいた。

(飛田コメント)
 裁判所の職員は基本的にルールを守るので、この件では、「全国的に社会の耳目を集めた事件」は永久保存という最高裁のルールが各地の裁判所にどれだけ浸透していたか?が怪しいのではないかと思います。つまり、「知らなかった」可能性が大いにあるのでは?
 神戸の連続児童殺傷事件は、私の世代では「全国的に社会の耳目を集めた事件」なのですが、若い人の中には知らない人も多いので、今後は永久保存にするか否かを各地の裁判所の判断に任せず、最高裁が指定するような方向にすると基準が明確になると思います。

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