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個人情報保護委員会、初の刑事告発 破産者サイト運営

◆弁護士 飛田 博

2023年1月11日 日経新聞電子版20時配信の記事から

「政府の個人情報保護委員会は11日、破産者の氏名や住所などの個人情報を公開しているインターネット上のサイトの運営事業者を個人情報保護法違反の疑いで刑事告発したと発表した。」

「破産者の情報は官報の公開情報で把握できるが、同委員会は本人の同意なくデータベース化したものは個人情報保護法違反に違反すると指摘。同委員会は2022年7月に停止勧告、11月に停止命令を出したが、サイトは閉鎖されておらず、事態を重くみて刑事告発に踏み切ったとしている。」

(飛田コメント)
 記事にあるとおり、破産者の住所や氏名は官報に公告されますが、これを本人の同意なくデータベース化すると個人情報保護法違反となり、刑事罰の制裁もあるということですね。
 ただ、根本的には破産者の情報を官報に載せるのが適当なのか?という問題はありますね。かつては、官報をチェックする人はごく少数の人にとどまっていたと思われますが、インターネット社会の進展により、このようなサイトを介して誰もが容易に見られるようになりました。
 したがって、もはや破産者というかなりネガティブな情報は誰もが見られるものにするのではなく、利害関係がある人のみが見られるように制度を変更した方が良いかもしれません。
 似た問題として、不動産登記の所有者情報や会社の役員の情報にも(こちらはネガティブな情報ではありませんが)同じ問題がありますね。

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