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君は令和最新のソーシャルゲーム18TRIPを目撃したか

 ソシャゲがオタクコンテンツ市場にその地位を確立してから、もうそれなりの時期が経つ。
 私はとっくにサ終した旧石器時代のソシャゲに分霊箱を置いているタイプのオタクで、有り体に言うと流行りのソシャゲに全くついていけなくなっていた。
 なんか……ソシャゲって疲れるし。スマホも別に最新じゃないし。ていうかソシャゲって突き詰めると苦行になってくるし時間無限に吸うし、そもそもソシャゲやってるとTwitter(現X)できないし。
 別にシナリオを読みたい気持ちとかも全然あるのだが、合間に挟まれる戦闘とかなー、各キャラのスキルとか覚えてなくてだるいしなーとそういう感じで、かつて遊んでいたゲームにも上手く復帰できなかった。
 今となっては雀魂で気まぐれにちんぽにゃ! と喚くばかりの日々である。

 そんなわけでソシャゲが日常から離れて久しかったのだが、つい先日、かつて遊んでいたソシャゲのアイコンたちが遺影のごとく並ぶ私のスマートフォンに令和最新のソーシャルゲームである「18TRIP(エイティーントリップ)」、通称エイトリがインストールされていた。
 本日5/28現在から数えてたった5日前にリリースされたばかりの、ぴっかぴかの最新アプリである。
 ふとした流れでインストールしてみただけだったのだが、最新のソシャゲが兼ね備えるあまりの福利厚生っぷりに始めてしばらくは感動の涙が止まらなかったため、この感動が少しでも薄れて「当たり前」になってしまう前に、その素晴らしさをここに書き留めておこうと思う。
 特になんらかのプロとかでは全然なく、そのへんの一消費者であるオタクがずっとソシャゲではしゃいでるだけの記事です。




 ここで言う福利厚生とは、ユーザーに対するホスピタリティを指す。
 絵が上手くてキャラクターが魅力的でシナリオが面白いなんてこと、大手はどこも持ち合わせているただの前提条件でしかない。そのためこれらの部分については、エイトリも当然兼ね備えているものとして扱い、特に美点としては取り上げない。
 贅沢な時代になったな……。

18TRIP(エイティーントリップ)とは

 エイトリの福利厚生の素晴らしさに触れる前に、エイトリがどういうゲームかを軽く説明しておこう。
 18TRIPとは、近未来の横浜を舞台にしたおもてなしアドベンチャーである。
 おもてなしアドベンチャーとかいう全人類初見のワードなんなんだよと思われるであろうが、そこについてはこの記事の本質から逸れるため掘り下げない。とりあえず旅がテーマのコンテンツと考えてもらえればそれで良い。
 ソシャゲとして所有する主な要素はストーリー、タワーディフェンス風ミニゲーム、及びそれらに付随するキャラクター育成の3つとなる。それ以外もあるにはあるが、まあおおよそのメイン部分はここだ。
 まずはコンテンツ中最もウエイトを占めるストーリーについて、その至れり尽くせりっぷりを取り上げていく。


ストーリーを「読んでもらう」ということに対しての工夫

リリース時点でメインストーリー全開放済み

 今時のソシャゲでは当たり前なのかもしれないが、まずメインストーリーを読む際にいかなるゲーム内コストも要求されない。当然解放条件などを満たす必要もない。
 プロローグ・エピローグと全4章からなるメインストーリーが実装済みで、どこからでも好きなところから好きなように読める。

メインストーリー選択画面

 もちろんこの先メインシナリオは追加されていくのだろうが(season1って銘打ってあるし)、しかし配信開始時点できっちりピリオドの打たれた物語が用意されているのである。
 そしてメインキャラクターたちはもちろん主人公たるプレイヤーキャラクター・モブ含めフルボイス。旧石器時代のソシャゲに魂の欠片を残してしまったオタクだからもうこの時点で全然涙が出てくる。令和の最新ソシャゲってここまでオタクに優しくしてくれるんだ。
 フルボイスって当たり前じゃないので、噛み締めたほうが良いです。いやわかってるんだ今は当たり前なこと……。

ノベルモードの搭載

 次に絶対に取り上げたいのがこのノベルモード。
 基本的にエイトリも最新のソシャゲらしく華やかな背景にlive2Dのキャラクターが豊かな表情で身振り手振りしながら話してくれるのだが、ノベルモードで再生するとシンプルな背景にアイコンとテキストのみが表示されている状態の画面でストーリーを読むことができる。

 
とりあえずテキストのみを一気読みしたいオタクにはありがたいことこの上ない機能だ。キャラクターのアイコンすら表示させたくない際は、アイコン非表示さえ選択できる。

右上の「アイコン非表示」を選択

 公共交通機関を利用して移動している際などにぴったりな機能で、周囲の目を気にせずストーリーを読み進めることができる。充電もあんまり食わない。
 まあ結局私はキャラクターたちの綺麗な顔が見れたほうがやってて嬉しいなあと思ってこの機能はあまり活用していないのだが、しかしリリース時点でこの機能が搭載済みなのはかなりユーザーへの配慮を感じる。
 そしてノベルモードでも当然ボイスのオンオフが選択可能で、ボイスオフでストーリーを読んでいても、該当のセリフをお気に入りに登録しておけばいつでも再生が可能である。
 セリフのお気に入り登録ってなに? 最新のソシャゲすごすぎる。

お気に入りボイス・お気に入りストーリー

 オタクには今すぐあのストーリーのあのセリフやあの流れを確認したくてたまらなくなる瞬間というのがある。
 それに即座に対応できるのがこの機能である。読み進めながら「ヤバいこのストーリーすぐ取り出せるところに置いとかないと」と察知した場合、右上のメニューバーから即座にお気に入りストーリーとして登録できる。ストーリー内ボイスもログから同様に設定が可能だ。
 あらゆる層への配慮の行き届き方がすごい。

コンテンツガイドへの動線

 エイトリもコンテンツガイドライン(二次創作や配信、スクショの投稿などを行う際のルールを定めたもの)がご用意されているタイプのコンテンツなのだが、これがストーリー画面すぐのところにぽんと置かれている。

左下部分、用語集と一緒にある

 もちろん公式サイトにも掲載されているものだが、オタクがどういうときにコンテンツガイドラインを確認したくなるのかよくわかっている置き場だと思う。

シナリオ内バトルのオートスキップ

 これこれこれこれこれマジですごくない????? ここまで甘やかしてもらって……いんスか!?!?
 先に説明した通りエイトリはおもてなしアドベンチャーであるため、シナリオ中におもてなしバトルが発生する。
 ソシャゲかくあるべしという様式美であるが、このバトルはオンオフを選べるため、オフにしておけば最初からバトルをスキップできる。

この世で最も嬉しい2単語ことbattle skip

 かったるい戦闘なぞしなくても、時間の許す限り物語を読むことだけに没頭することが許されているのだ。
 マジで感動した。

スキップ・オート・もどる・倍速再生・中断 他

 その他これらの今時はどこも兼ね備えているのであろう上記機能も当然有している。

右上に全部ある

 特にこの「もどる」は白眉であると思うのだが(マジで演出含め直前のシーンにすぐ戻れる)、今時はこれみんなあるもんなんですか?? 中断とか倍速再生とか……。え? すごいね令和って……。
 中断すると次開いたときにその続きから再生できるとか……みんなそんなアホみたいに便利な環境でソシャゲのシナリオ読んでたの?? 私だけ知らなかった??? 嘘みたい……。
 選択画面においては未読のシナリオのみを表示させることも可能で、とにかく各個人に合わせたいかなる読み方にも対応している。


やるならどこまでも快適に タワーディフェンス風ミニゲームことおもてなしバトル


 次にシナリオに次ぐウエイトを占めているおもてなしバトル、即ちタワーディフェンス風ミニゲームでの至れり尽くせりっぷりを取り上げる。

バックグラウンドでのオート周回

 今時、というか2010年代後半以降にリリースされたソシャゲであればオート周回を導入していないほうがもう少数派なのだろうが、当然エイトリもオート周回機能を備えている。そしてそれはバックグラウンドでも行うことが可能だ。

 マジで?

 令和って……二窓とか複数端末とかじゃなくて……マジのマジでバックグラウンドでオート周回して……良いんだ。ここまで来たんだ、ソシャゲの周回って。

完了時間まで教えてくれるし、回数も指定できる


 本当に最新のソシャゲに久しく触れていなかったので心の底からびっくりした。

スキルの自動発動・倍速戦闘

 ただしこのオート周回は最高評価でその戦闘を終えた場合にのみ許される機能である。
 そのためオート周回の前に1回はそのマップのクリアが求められるのだが、最初から3倍速でスタートさせることが可能だしスキルも自動で発動するよう設定できる。あとはもう配置だけ自力で頑張ればそれで良い。

右上に該当機能

 タワーディフェンス初見でも、初心者マークのついているチュートリアルマップでプレイすれば各役職についてわかりやすく説明してくれるので、理解にはそこまで苦しまないと思う。そもそもタワーディフェンス風ミニゲームと位置付けているだけあって別に難易度も高くないし、最悪失敗しても別に誰も死なないし。
 メインシナリオさえ読めればそれで問題ない人なら、一切触らなくてもなんの支障も無い要素である。

 今のところPvP要素なども特にないし、先述の通りおもてなしバトル自体の難易度はそう高くないのでフレンドなどを作る必要性も薄い。でも誰かとフレンドになりたければなれる。
 昨今ではもう珍しくもないが、主人公の性別を選べる上で、選ばなかった性別のほうのプレイヤーキャラクターもきちんと作中に存在している心地の良さ。このへんはやはり原神の功績が大きいのだろうか。
 このユーザーへの委ね方がちょうどいい。

 
 エイトリの主な要素における福利厚生はおおよそ以上である。キャラクター育成の部分についても同様に整備されているのだが、ここまでやってるゲームならそんくらいはしてくれとるやろなあと想像がつくタイプのやつなのでここでは省略し、以下からはそれ以外の細かい部分に関するものを取り上げていく。


なんかもうぜんぶすごい

ミュージックプレイヤー及びプレイリスト機能

 エイトリはキャラクターたちが歌って踊るタイプのコンテンツであるため、当然ゲーム内にもキャラクターたちの歌う楽曲が用意されている。
 それらをゲーム内でいつでも再生できるだけでなく、プレイリストを作成し、それをマイページ内で流すことが可能である。

プレイリストに入れられるのは10曲まで

 これ私はマジでソシャゲで初めて聞いた機能なんですが、他にもあるもんなんですか???? こんなものが???? フォロワーも言ってたけどこういうのって周年記念で大手を振って実装するタイプのやつじゃないの???
 とにかくこのコンテンツのことを好きになってねという配慮のされ方がすごい。こんなに道が整備されてるのに全然押しつけがましくない。理想の遊歩道?

石の所持数の非表示

 スクショを撮るときに持ってる石(ガチャや育成や周回などに使える、課金で買えるゲーム内通貨のことです)を見られたくないときって……あるよね。
 そんなオタクの繊細な心をわかってくれているエイトリは、マイページで石の所持数を非表示にすることが可能です。

課金したことバレたくないときってあるから

 なんでこんなに気が利くのかわからなくて怖くなってきた。

 その他、表示されている必要素材をタップするとその素材の入手方法が教えてもらえてその素材入手マップに即移動できるとか、ゲーム開始時にSSR確定ガチャを無限に引き直せるしその結果をキープもできるとかいろいろあるんですが、このへんは他コンテンツも有している部分なので一旦割愛します。

 エイトリ、リリース序盤のソシャゲとは思えないほど痒い所に手が届いているアプリなので、マジで知らない機能を発見する度に感動して涙を流しているのですが、まあ多少不満な部分やここもっと改善できるのに、という部分がないわけではないため、以下からはそういった点についても記載していきます。
 いやここまでのクオリティでリリースしてくれたゲームに対して自分でもめっちゃ野暮だとは思うんですが……一応記事のバランス的に、バランス的に……ね……。


18TRIPという船に乗って

確定天井がない

 オタクが一番気になるガチャについて。
 仮天井はある。100連でSSR確定。
 
1回の10連に必要な石の数は300個で、10連1回で大体3000円くらい。なので仮天井するには、現金にして約3万円程度が必要になる。
 でも確定天井ではない。
仮。仮。仮かあ……。
 いうてもエイトリは(リリース序盤だからという点も大いにあるだろうが)結構石をじゃらじゃら配ってくれるコンテンツだし、メインストーリーはもちろんおもてなしバトルについても強力な高レアリティカードが必要とされる類のゲームではない。
 そのため、ゲーム内でいわゆる持ち物検査をされるような事態にはならないはずだ。
 とはいえまあカードストーリーはあるし、オタクってオタクだから、ネ。。。
 いやなんか特定のアイテムがついてくるガチャを回して、そのアイテムを一定数を集めれば希望のSSRを指定できるようなのだが、現状その仕組みの適応されているガチャが実装されていないため、そのおまけの必要数を手に入れるのにどれほどの石が要求されるのかがわからない。
 やっぱ300連がスタンダードなのかなあとは思っているが、該当のガチャがこないことにはなんとも。電子ガチャを1回300円に価格設定した人間って今ちゃんと苦しんでますか?

デザインに振ったUI

 今まで貼った画像からわかってもらえていると思うが、エイトリはものすごくUIが可愛い。もうめっちゃ可愛い。
 私はこのめちゃくちゃに可愛いUIに惹かれてエイトリを始めたクチなのでこのUIにぶっちゃけそんな不満はないのだが、デザイン特化型UIあるあるとして、とにかく説明が少ない。
 正味わかりやすくて親切とは言えない設計ではある。

ノーヒントでノベルモード・バトルのオンオフ機能等に気付くためには、目を凝らす必要がある

 さくさく操作・理解するには、一定のゲーム経験値が要求されると思う。全くのソシャゲ初心者がエイトリを始めたとして、すぐにストーリーのノベルモードやバトルのオンオフ機能に気付けるかと言われたら否だろう。だってゲーム内で教えてはもらえないから……。
 いや、公式SNSやヘルプページなどできちんと紹介・説明してくれてはいる。いるが。でもそれって即座にアクセスしがたい部分で。


 個人的には経験値でわかる部分が多数あったのもあり、わりと直感的に操作できて良いなと感じている。いやちょっと嘘です1回ミュージックプレイヤー見失って20分くらい探してました。ヘルプ見てもわかんなかった。
 でも可愛いから……良いよ。

 あとはオート周回にあたってオート周回が完了して初めてAP消費処理が為される(オート周回中はAPが回復しない)などの点がちょっと不満だったのだが、なんかマジでついさっきここ改善しますって予告来ててア……ハイ……と背中を丸めた。私は立ち上がってすらいなかったのに、些細な不満がもう改善へと着手されてた。すげえやこのコンテンツ。

 その他細かい不満がまだあるにはあるのだが(そこそこの頻度でアプリ落ちるとか緊急メンテちょいちょいあるとか)、現状南国でココナッツにストローぶっ刺したやつ片手に扇で扇がれてるくらい快適なので特に書かずとも良いだろう。なんたってまだ配信開始から一週間も経っていない。
 なんで配信開始から一週間も経っていないコンテンツの福利厚生がここまで充実してるんだよ。

ソーシャルゲームは苦しくない

 これらの隅々まで行き届いたホスピタリティは、コンテンツ内において「おもてなし」をプレイヤーやキャラクターに要求するゲームであるからこその開発の矜持なのだろうと、プレイしていて感じた。
 とにかく「ストーリー読んでみてね」「キャラクターたちとその関係性を好きになってね」という誘導がすごく丁寧。
 
もちろんメインストーリーにおいてそれぞれの関係性はある程度示されるわけだが、どこをどう受け止めても良いよとでも言うような度量の広さを感じるというか。全員分の関係性の名前もといコンビ名を用意してるあたりも手厚すぎる。
 このゲームをここまでのクオリティに仕上げてリリースするのには、相当数の人たちが相当の苦労と時間を掛けて丁寧に作り上げてくれたのだろうと想像する。
 ソーシャルゲームというコンテンツがどうしても持つ辛苦の部分を、できるだけ平坦な道のりにしようと心血を注がなければこうはならない。

 最新のソシャゲの最新の技術や配慮を認識するたび、新しい観光名所を見たような気持ちでワクワクさせられる。このワクワクと旅をするような感覚は、間違いなく制作陣が意図してユーザーに届けようとしてる喜びのひとつのはずだ。
 久々にソーシャルゲームで遊ぶ面白さを思い出させてくれたこのゲームを、もうしばらく楽しんでみるつもりである。

HAMA NICE TRIP!



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