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展示の絵の解説[コンテスト受賞者展編①]

私は普段から絵にタイトルを付けることを好みません。それは文字の情報により絵の解釈に「正解」が生まれる可能性があるからです。絵の解釈は見た人の世相やバックボーンで様々に変化するものであってほしいという私の勝手な願いがあります。同じ人が同じ絵を見たとしても、そのときの環境によって見え方も異なると考えています。見た人が都合のいいように解釈してほしいのですが、絵から想像を膨らます一つの材料として今から書く解説を読んでいただければ幸いです。


一枚一枚の解説を読んでいただく前に、私が絵を描く際の基本的なルールとして、
・苦しい表情を描かない
・体液を描かない
・浮世離れしすぎない(もしかして存在しうるかも?という絵にする)
・絶世の美女もしくは美男を描かない
・強いメッセージを込めない
というものがあります。たまにルールから外れている絵もあるかもしれませんが、大抵はルール通りに描いているつもりです。このルールが生まれた経緯は別の記事で書ければ書きます。

①あめつち
これは第4回WEGO放課後アート部コンテストで審査員賞をいただいた絵です。WEGOは「若い!!」という勝手なイメージがあるのでコントラストが高い色を使いました。
・真ん中の人物(?)は数年前から描いているデザインの子で名前はありません。足が鳥になっています。これは昔に読んだ児童書が元で記憶が曖昧ですが、足が「鳥」もしくは「ヤギ」の悪魔の話を読んだことがあり、その話を元にデザインされています。この絵に描かれている少年が悪魔なのかどうかは見る方にお任せします。悪魔と一言にで言っても、宗教によって扱われ方が異なるものなので見る人にとっての「悪魔」でいいのでは?と思います。この少年は人かもしれませんが。
背景の文字は「あめつちの詞」という[いろは歌]です。いろはにほへと〜が有名ですが、いろは歌は複数あります。当初は、この絵に鳥が描いてあるので「鳥啼歌」といういろは歌を書こうと思ったのですが、色々と調べても著作権が完全に切れているか自信が無かったため、明らかに著作権が切れている「あめつちの詞」を書きました。このいろは歌には鳥は出てこないんですよね😅まあ気にしない…笑
いろは歌にも、色々あるんだな〜と知っていただければ嬉しいです。

②凡
とにかくありふれた普通の子を。というテーマで描き、タイトルも同様の理由で付けました。
パッと見た人は、この2人の少年を見て何が目に入るんでしょうか。変わった恐竜🦖のカバン?ですか?それとも目立つ色の服装でしょうか。ポーズでしょうか。
私的には「カワイイ〜ッ」を込めて描いたので「かわいい」と思ってくれれば1番嬉しいです。
この絵を描くきっかけは私の仕事と関係があるのですが、音が苦手な子どもが割といて、たまたま4人くらい並んで耳を塞ぐポーズを取っていたのが可愛くて、聴覚過敏の子を描こうと思ったのがきっかけでした。左の子はイヤーマフラーというノイズを聞きづらくする耳当てを付けています。
タイトルを「凡」にしたのは「聴覚過敏」をタイトルにすると、直感のカワイイが薄れる気がしたからです。フラットな状態で絵を見てほしい。色んな苦手や得意があっても、どこでも普通に楽しく過ごせる環境であってほしいです。
「絵描き」もそうです。生きづらい環境が無くなれば…楽しく生きるタフな人間になれば…、もっと豊かになれますよね。
この絵をパッと見て、「カワイイ」「好き」と感じてくれた方々は、サイコーです。
「なんか違和感あるな」と感じた方も、これも普通の一つなんだと思ってくれればサイコーです。普通って、一つのイメージではなく多種多様なんです。

②につづく?

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