後悔と反省 【エッセイ】
「青くさい質問をしていいかね、笹沢さん」
三つ向こうのテーブルから低い声が飛んで来た。
コファンがこっちを見ている。
「あんたは何のために生きてる?」
「考えたこともありませんよ、そんなことは」
「後悔したことはあるかね、今まで」
「数え切れないほど」
「そのたびにどうした?」
「別に何も」
「何もしないために酷い状態に陥った経験は?」
「それほどの結果は産まなかった」
「たぶん、強運の持ち主なんだね、笹沢さん、あんたは」
「たいていのことは時間が解決してくれました」
こっち