たまには旅行記でも(9/21-22)

アニメの録画も引き続き溜まってはいるのだけれども、夏にどこにもでかけていないのもなんか癪だな~という思いがじわじわと自分の中で膨らんでいることに気付いたので、先週の三連休を利用して少しばかり旅行に行ってきました。

行き先は北海道です。選んだ理由としては、
・東京暑すぎ
・最近ちょっと飛行機に乗るのにも慣れた
・カメラを持って行って普通の観光もしたい
・JRの未乗車区間が残っている
という4点を考慮した結果です。

東京暑すぎ

いやマジで暑すぎたんですよね、先週まで。夏の頭に引越して、前の家よりは風通しのいい部屋になったのですが、それでも風とか関係なく暑すぎるんだよとなる夏でした。9月も下旬に差し掛かろうって時に30度を超えるな。

そんなわけで稚内空港の到着ロビーから外に出た瞬間、涼しすぎて変な笑いが出ましたね。東京で溶けている場合じゃなかったな……。

最近ちょっと飛行機に乗るのにも慣れた

飛行機に乗るの、結構苦手なんですよ。離陸の瞬間のふわっとする感覚も怖いし、着陸の瞬間の衝撃も怖い。飛んでいる間もずっと頭の片隅に事故ったら死ぬなという気持ちが2割くらいある。

別に乗り物として飛行機が特別危険な類ではないということは理屈ではわかっていて、電車に乗るのもタクシーに乗るのも自転車を漕ぐのも同じようにリスクは背負っているはずなのですが、僕が高所恐怖症であることも関係するのか、とにかくずっと飛行機に乗るのがどうも苦手です。

幸い(?)なことに僕は中学生のころから鉄道旅行が趣味で、陸伝いで行ける場所ならば多少時間がかかっても陸路で行くことが多かったのですが、鉄道の乗りつぶしがある程度進んでくると、どうやっても飛行機でワープ(移動中の風景があんまり見えない移動のことをついワープと呼んでしまいます)した方が良い場面が増えてきます。

また、最近は仕事的にも出張することが度々あり、仕事なので当然怖いとかそんなこと言っていられず飛行機を使う機会も増えてきました。ちょうど自分の中に経験値が溜まってきて、いきなり飛行機で稚内まで飛ぼう、という発想も自然と出てきたというのは間違いないでしょう。

稚内空港→宗谷岬

そんなわけで昼過ぎに稚内空港に降り立ってから、バスに乗って宗谷岬へと向かいました。一応観光周遊バスだったはずなのですが、三連休初日の東京便と接続するバスですら乗客は僕を含めて4人でした。これくらいの人のなさがいいんだよな~と思っていたのもつかの間、なんと親切なバス運転手のおじさん、2人組の大学生、一人旅の50代と見えるおじさんという僕以外の4人が楽し気に会話を始めます。

完全に、輪に入りそびれました……。

別に旅行先で見ず知らずの人と会話するのが楽しいという人を否定するつもりはないのですが、僕は人見知りなので、一人旅の途中はできる限り口を開きたくないと思っています。一方で、一人だけ黙っている人として微妙に意識されつつも発話までは求められない空気感というのも居心地は悪く、それなら多少無理をしてでも会話に参加したほうがまだ気楽だなとも思います。そんな僕ですが……今回は完全に会話に入るタイミングを逃しました。おかげで30分間くらいあるバスの車中ずっと気まずかったですし、しかも間に1か所停車・下車して風景を見せてくれる時間まであり、その際にはまあ一人車中に残るのもな~~と思って黙ったまま彼らに続いて下車したりもせねばならず(これは僕の意思が強ければ残るなり、会話に途中参加するなりできたはずなので僕が悪いです)、かなり疲れました。

カメラを持って行って普通の観光もしたい

僕がどこかにでかける時って基本的に電車の乗りつぶしかアニメの聖地巡礼かなので、カメラを持って行く必要があんまりない(スマホで事足りる)と思いつい置いていきがちなのですが、しかし家でカメラが埃をかぶっているのも勿体ないなという思いもあり、また、最近ちょうどオタクさんのホームページに写真を皆さんが投稿するというブームもあったりして、カメラを持ち出して旅行したいなと思っていたところでした。北海道といえば、まあカメラがあった方が良い場所だろ!

そんなわけで気まずいバスから下車し、新鮮な空気をめいっぱい吸った後、カメラを首から提げつつ散策を開始しました。宗谷岬と言えば当然日本最北端の地なのでほどほどに観光地なわけですが、周囲の観光客を見ると2/3くらいはアジア系の外国人の方だったように思います。中国人・韓国人が日本からロシアを見て面白いのか……?と思わないでもないですが、それを言ったら別に日本人が日本からロシアを見て面白いのかもよくわかんなくなってきますし、あんまり考えないことにしました。もしかしたらここにいる人たち全員がロシデレを擦りに来たのかもしれないですし。

バス運転手のおじさんが解説しているのをこっそり聞いていたのですが、いつでもサハリンが見えるというわけではないそうです。しかしこの日は海水温も低く、また空気も澄んでいたのか、結構よく見えました。

雲の下にサハリン

これ見よがしに貼ってみましたが、持ち込んだカメラで撮った写真です。10年くらい前に爺ちゃんが生前贈与だなんだと言いながらくれたカメラ(Nikon D80という機体に望遠レンズだけが付いている)で、当時も今も別にバカほど高いというわけではないのですが、でも一応なんかカメラを構えている人たちの中に紛れ込んでも自分的にはそこまで気圧されなくなる程度にはカメラっぽい見た目をしているので、結構気に入っています。

爺ちゃんは退職後の余生のうちそこそこの時間をカメラに注ぎ込んでいるくらいには趣味にしていたので、そんな爺ちゃんがカメラを僕(ともう一人の男孫)に譲った時にはもう死ぬ気なのかなと悲しい気持ちにもなったのですが、今も割と元気そうに生きているので、爺ちゃんの代わりにカメラを持ってどこかに行く役割を任されたんだと最近は思っています。一応爺ちゃんから教えてもらった構え方とか三点分割がどうとかは考えつつ、結局雰囲気でシャッターボタンを押すことしかできませんが。

しかし一つ問題があります。ここに来て、こんな日本最北端の地まで来て、僕はいつもの逆張りマインドを発動させてしまったのです。

観光客が列をなして順番に写真を撮っている最北端記念碑の写真なんか、撮りたくない……!

というわけでいてもたってもいられず観光客のいなさそうな、宗谷の港町の方へと自然と足が向かっていました。港町の路地を歩いていると、釣りをしている地元のおじさん、軒先でタコを捌いている漁師のおじさんなどがいて、なんだかすごく安心します。

最北端の観光地を横から見る

望遠レンズって、めっちゃ便利なのかも……! 正直今までこの望遠レンズしか付いていないカメラをやや使いこなしきれていないという感覚はありました。聖地巡礼にたまに持って行っても、カット回収にはこのカメラって使いづらいので。ところが今回、ぼんやり歩き回りながら風景の写真を撮り始めた途端にすごく便利なモノに思えてきたのです。

考えてみると、爺ちゃんは2台あるカメラの本体に通常のレンズと望遠レンズを一つずつ付けて二人の孫に譲ったわけですが、僕には望遠レンズ、5歳下のいとこには通常のレンズを渡しています。もしかして、それぞれの孫がどういう性格かということまで考えて、もっと言えば僕は多分人間とかは撮らないだろうと思って望遠レンズを渡してくれたのかもしれません。

そんな人生の伏線回収をしたみたいなことを考えながら、宗谷岬を後にしたのでした。

稚内駅→札幌駅

再びバス(今度は観光客でいっぱいでした)に揺られて今度は稚内の市街地へ向かいます。といっても、稚内の街は元々南稚内駅の周辺が中心部で、港のある北部まで延伸して稚内駅を新しい終着駅として作っているので、微妙に街はずれの雰囲気がある駅前です。

ここから夕方発の特急でえっちらおっちら札幌まで移動することになっていたので、1時間程度稚内の街を歩き回ったあと、お土産屋とセコマで大量に飲食物を買い込み、特急に乗り込みました。

まさか、稚内空港から宗谷岬までのバスで一緒だった大学生二人組が隣の席に来るとは思いもしませんでした……。そんなことある? でも、逆にバスの中でも話をしていたら、5時間ある特急の車内でもそれなりに交流をしないといけない雰囲気があったかもしれないので、怪我の功名だったかもしれません。

宗谷本選は既に乗車済なので、完全に暗くなってからは駅弁を食べたり酒を飲んだり、少し寝たり、こちまつを読んだりして過ごしました。車窓を眺めることができない夜の電車移動は、こういう特急に限りますね。いや、普通列車で地元の人たちが通勤・通学をしていたりする様子を観察するのも楽しくはあるのですが。

こちまつは本当に懐かしい味がして、久々のラノベなのですが久しぶりな気がしません。恋兎さんの萌え萌えポーズの表紙を隠しもせず、読みふけってしまいました。

JRの未乗車区間が残っている

2日目のメインは乗り鉄活動で、札幌駅から富良野駅に向かって、特急ラベンダー号に乗りました。根室本線の滝川~富良野区間が、JR北海道の最後の未乗車区間です。

僕は中学1年生の時に中学校で最初にできた友達に連れられて三江線に乗る日帰り中国地方半周旅行に連れていかれて以来、なぜか適合してしまって20年乗り鉄をやっています。その割にはあんまり乗りつぶしが進んでいるわけでもなく、今回の根室本線乗車でJRは乗りつぶし率98.24%、私鉄含みでは83.68%になったようです。そろそろ、JR最後の乗りつぶしをどこの路線にするか意識し始める時期になりましたね。

富良野

乗りつぶしっていつもそうなのですが、案外あっさりと未乗車区間の車窓は過ぎ去っていき、富良野駅に降り立ちました。なんとなくどこに向かうか決めていた稚内空港の時と違い、富良野で何をするのかはマジで決めていなかったのですが……。

とりあえず邪神ちゃんの聖地巡礼でもしておくか。

この街が本当に北海道有数の観光地なのか? と思わずにはいられないさびれた駅前及び市街地を1時間ほど散策しているうちに、ホクレンのスーパーを発見したのでふらふらと入ってみました。

なんかアニメが流れている! これはアニメ君として視聴しなければ! というわけで上に貼ったアニメが店内で流れていたので10分くらい青果売り場に突っ立ってアニメを観る変な人間になっていました。

農業アニメすぎんだろ……ホクレンが作っているんだからそれはそうですね。サクナヒメと同じくらい農業アニメで良かったです。

そうこうしているうちに昼食の時間になっていたのでスーパーを後にし、富良野オムカレーを食べに行きました。富良野って何かご当地グルメあるのかな~と思って調べた結果、オムカレーと言われた瞬間に鞄の中にいるお隣の天使様ウエハースのミイラがカタカタ動き出したので。

本当はググったら出てきた有名店に行こうと思っていたのですが、開店時間に凸ったにもかかわらず長蛇の列が出来ていたため、しぶしぶ観光マルシェの近くにある食堂に入りました。味はまあ、オムライスにカレーをかけましょうね~~って感じでした。オムカレーを注文したらついてきた牛乳はとてもおいしかったので、総合すると結構満足しました。

富良野駅→美瑛駅

今度はノロッコ列車に乗って美瑛に向かいます。先述のとおり、今回は奇をてらわずに普通の観光客みたいな動きをすることが目標だったので、積極的に観光列車を選びました。

美瑛にて

普通の観光客は魔法遣いに大切なこと~夏のソラ~第1話の聖地巡礼なんかしないんだよなあ。

美瑛には5年前のGWにも一度聖地巡礼で訪れており、場所もよく覚えていたのですいすいとたどり着くことができました。全然変わっていなかったというのもあります。

いや嘘ですね、景色は結構変わっていました。踏切は変わりなかったのですが、ソラさんの実家の近くにあるマイルドセブンの丘は知らないうちに白樺並木の一部が倒れ、今では立入禁止になっているようです。これは5年前にも自転車を借りた駅前の自転車屋のおじいさんが手続きをしながら教えてくれたことなのですが、僕が行きたいのはマイルドセブンの丘そのものではなくその手前にあるアニメの聖地なので、問題ないんですよね……とは言い出せませんでした。

欠落とT字路

でも前回美瑛に来た時とは違って時間も長めに用意していますし、今回はカメラをちゃんと持ってきているので、普通の観光もするぞ!と意気込んで借りた自転車で観光地へと向かいます。

観光地から見る向かい側

これはセブンスターの木から見える景色を撮った写真です。こいつまた、観光地そのものの写真を撮ってねえ……! だって観光地って常に観光客がいて、人の入り込まない写真が撮れないんですもん。僕は悪くないです。人にカメラを向けたくないだけで。あとどこにカメラを向けてもそれなりに良い感じの風景になりそうな北海道という土地柄が悪いんです。

そんなこんなで3時間ほど自転車を漕ぎ続け、すっかり疲れ果てたところで日も暮れてきました。結局観光地に行きました~という感じの写真を撮ることはできませんでしたが、僕が観光地に行ったらこうなるという感じの写真を撮ることはできたので、割と満足しています。

旭川空港から東京へ

今回、旅行らしい旅行がしたいと思い立ったために北海道へと向かいましたが、単なる三連休で3日間すべてを旅行に使ってしまうと疲れ果てた状態で平日を迎えることになりますし、アニメも溜まるばかりなので、多少無理をしてでも2日間で帰ってくることにしました。

伊藤潤二『マニアック』最終話が始まる直前に家にたどり着いた時にはすっかりボロボロでしたが、勢いでリアタイ実況までしてから、ベッドにもぐりこみました。

たまにはいいものですね、旅行も。旅行記を書くのも。

お  し  ま  い

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